サッカー選手と受験生の共通点について話してくれた権田。 写真:塚本侃太(サッカーダイジェスト写真部)

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「モンテディオ山形戦で清水エスパルスのJ1昇格が決まった過程で話します」

 そう言って清水のGK権田修一は独自の見解を述べた。

「山形戦にピークを持って来ると、その後の落ち度が大きくなってしまう。ですので、J1昇格をゴールにしてはダメだと思います。今季は山形戦を含めて4試合あります。山形戦がトーナメントの決勝だったら、そこにピークを持っていくべきですけど、今回は山形戦を終えても3試合あります」

 あくまで通過点と、権田はそう強調する。

「J1昇格を決めたら『J1のチーム』として見られる。栃木SC戦(10月27日)も、いわきFC戦(11月3日)も、最終節のロアッソ熊本戦(11月10日)も、僕たちはそういう目線で見られる。当たり前のことを当たり前にやってJ1に昇格しました、でもそこがゴールじゃなくて、昇格してもやることを変えずに積み上げていくほうが強くなれると思います」
 
 受験生も一緒だと、権田は言う。

「志望校に合格したことがゴールじゃない。その学校で学ぶために受験しているはずなのに、受験そのものがゴールになってしまうとそこで燃え尽きてしまう」

 これはどの世界にも当てはまる事象で、例えばサッカー界では「プロになることがゴールになっちゃう選手がいる」(権田)。

「夢が叶って、そこで満足しちゃう。でも、それはあくまで通過点です」

 通過点とゴールの定め方で、その先の人生は変わる。そういうことを権田は主張したいのだろう。常に進化を追求している彼らしい考え方だ。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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