玄関のドアを親子ドア(扉が2枚ついていて、ロックを解除すると両側の扉を開閉できる)にすると広く感じられ、大きなものの出し入れもしやすくなります。しかし、採用するかはよく検討を。3年前にハウスメーカーで家を建てたライターは、掃除の手間や断熱性の問題で後悔。大きな家電などは、リビングの掃き出し窓から運び込むので、掃除以外で子ドアをあけることは3年間ゼロ。詳しくレポートします。

新しい家では玄関に親子ドアを採用

筆者の一家は夫と子ども3人(8歳、5歳、0歳の男の子)の5人家族。3年前にハウスメーカーで、延床面積38坪の2階建ての家を建てました。

それまで住んでいた賃貸住宅の玄関は、窓のない0.5畳の暗くて狭いスペース。靴が散らかり、出かけるときも渋滞が発生していました。そこで、新しい家では、広く明るい玄関を目指したのです。ちなみに現在の玄関(写真)は3畳。靴も散らからず満足しています。

見た目でも広く感じられるようにしたい、と考えた筆者。設計士に相談すると、「ドアが大きいと玄関は広く見える」とのアドバイスが。確かに住宅展示場では、大きな親子ドアのモデルハウスが多く、玄関がさらに広く見える印象を受けていました。そこで筆者も、迷わず親子ドアを採用。

ちなみに筆者宅の親子ドアは、幅115cm。通常の片開きドアの幅に、子ドアの幅(35cm)をたしたサイズです。

小窓は親ドアのみに。それでも十分に明るい!

さらに明るい玄関にしたいと思い、玄関ドアは採光窓のあるタイプ(写真)を採用しました。

親子ドアですから、子ドアにも採光窓がついたものも選べます。しかし積雪地域に住む筆者は、窓の断熱性能を落としたくなかったため、採光窓は子ドアに採用しませんでした。

実際に住んでみると窓は小さいですが、思ったより明るくて気持ちのよい光が入ってきます。

水や砂がくぼみにたまり掃除がしづらい!

見た目の満足度は高いのですが、暮らしていると想定外のことがありました。子ドアの開閉用に、下部にはフランス錠(床にあけた小さな穴に、細い棒を落とし込んでロックするタイプ)がついています。問題は、ドアを閉めている際にこの棒を受け止める、くぼみのような穴(写真)。

玄関の掃除をしたときに気づいたのですが、このくぼみに掃除のときに使う水や、流れた砂とゴミがたまります。しかも奥まで入るとかき出すのが困難。

筆者は毎回、水気を雑巾でふき取り、可能な範囲で砂やゴミをかき出していますが、すべてきれいにはならずプチストレスです。細かい汚れが残ってしまうことに抵抗のある人には、向いていないかもしれません。

ペットボトルに入れた大量の水や、水道から直接ホースで水を持ってきて、水圧できれいにする方法も可能だとは思います。しかし、周囲がびしょぬれになるので、筆者はそこまでやっていません。

玄関ドアは下枠にもこだわればよかった

親子ドアは、子ドアをあければ出入口を広く確保できます。ですから老後に使うかもしれない車イスも、スムーズに出入りしやすいであろうことも、親子ドア採用をあと押ししました。

ただ現在は、幅のあるものは高圧洗浄機やベビーカーくらい。小ドアをあけなくても、不便を感じていません。

それでも1つ気になることが。ベビーカーや高圧洗浄機の車輪のせいで、ドアの下枠部分(写真の白い養生テープを貼った部分)にキズが多数ついてしまいました。下枠には段差があり、その場所を通るたびにガタンとなるからです。

将来、車イスを使用することを考えるなら、こうした細かいことにも注意が必要だと感じています。筆者も最初から、下枠に段差のない商品か、キズのつきにくい素材でできたものを、選べばよかったのかもしれません。

採光窓と親子ドアは結露の問題も。FIX窓の方がよかった?

子ドアを増やすことで壁部分が減ります。壁に比べて断熱材がなく、隙間もできるため、玄関が寒くなりやすいと感じています。

それは玄関ドアの採光窓も同様です。筆者が住んでいる積雪地域では、玄関ドアが結露してしまうことも。

3年間住んで、カビが生えるようなことはありませんでした。しかし、親ドアの採光窓の部分や、子ドア部分にも結露が多く、放置すると今後カビが発生するのではと気になっています。

親子ドアは見栄えがよく、大型の家電や家具の搬入や、老後の車イス移動に便利です。しかし実際に筆者が親子ドアの子ドアをあける機会は、掃除のときぐらい。

リビングに大きな引き違い窓があるので、家具や家電といった大きなものは、玄関から運び込むことはありません。ですから、わざわざ玄関ドアを、広くする必要性はありませんでした。

それよりも、壁の部分に断熱性能の高いFIX窓を取りつけた方が、よかったのかもしれません。