「害虫よりタチが悪い」害虫駆除550円〜のはずが請求は15万円!若い女性ターゲットの悪質駆除業者にご注意
数百円でゴキブリ駆除をするとうたう業者に頼んだら10万円以上の高額請求された、というトラブルが都内で急増している。都消費生活総合センターは、特に1人暮らしの若者からの相談が目立つとして注意を呼び掛けている。
害虫駆除サービスのトラブル相談は昨年度都内の消費生活センター受付件数は508件で前年の207.3%増。今年度は、9月の時点で462件と昨年度の倍のペースで急増している。
特に多いのが、1人暮らしの10代から20代の女性からの相談だ。
センターが実際に相談を受けた事例を紹介する。
20歳女性(社会人)
1Kの賃貸アパートに住んでいるが、ゴキブリが出たので慌ててスマホで検索し「害虫駆除550円〜」と記載されたページを見つけ事業者に来てもらった。作業員が1人で来て、事業を話して作業を依頼すると、約15万円と記載された契約書のようなものを渡された。高すぎると思い断ると、「クレジットカードの分割払いができる」と強い口調で言われた。強引な言い方が怖かったので、手元にあった2万円を手付金として支払い、あとは分割払いにすることにした。作業してもらったが、高すぎると思う。クーリング・オフできるか。
18歳男性(学生)
賃貸アパートにゴキブリが出た。ネットで検索したら数百円で駆除するという事業者があったので、高くても1万円くらいかと思い、依頼した。来訪した事業者が調べたら、冷蔵庫と洗濯機の下にゴキブリの死骸と卵が見つかったので駆除剤をまくことに同意した。今後発生させないために全放出型駆除剤というものを撒いたほうが良いと強くいわれ、約12万円の契約に同意した。駆除作業の後、掃除をしていたらゴキブリが出てきたので事業者に電話をしたがつながらなかった。効き目が無いように思うし、高額なので解約したい。
22歳女性(社会人)
深夜にワンルームのアパートにゴキブリが出た。急いで24時間対応の事業者を探し、格安の料金だったので駆除の要請をした。30分後に事業者が来訪し部屋の中を探したところ、洗濯機の裏に卵があったと見せ、駆除するために強い薬をまかないとだめだといわれた。いくらかかるか聞いたところ、14万円と言われたので高すぎるといったら10万円に減額するといわれた。ので、まだ高額だとは思ったが、ゴキブリが出ると嫌なので了承し作業をお願いした。支払いは後日振り込むことになった。強い薬をまく作業に2時間ほどかかるからと外出を促されたので外に出て、作業終了のメールが来たので帰宅したら玄関が濡れており、乾くまで時間がかかった。3日後に代金を振り込んだが、その5日後にまたゴキブリが出た。30日補償とあったので電話したが対応してもらえない。返金を求められるか。
また、業者から渡された高額の作業請負契約書には驚くべき記載があった。
ある人の例では
害虫駆除 基本料金 6600円
死骸処理 除菌 8800円
卵駆除 1万8000円
全放出型駆除剤 4万5000円
合計11万7040円の請求額となりました。
他の人の例では、
害虫駆除 基本料金 6600円
死骸処理 8800円
残効性薬剤 4リットル 6万円
全放出型駆除剤 2式 9万円値引きで1万7940円
請求額はなんと23万円。
東京都消費生活総合センター郄村淳子相談課長に、高額請求された場合の対処方法を聞いた。
「まずセンターに相談してほしい。本人からクーリング・オフなど解約・返金をお願いをする旨の通知をすること。そのあと、通知が届いた後、場合によってはセンターが消費者の要望を代理として業者に対してクーリングオフを求めることもができる。実際、ゴキブリ駆除の高額請求について、交渉の結果業者から3割程度であるが半額以上返金されたケースもある。」
またトラブルを未然に防ぐには「まず、宣伝広告にある金額があまりにも安い場合は、気を付けたほうが良い。特に24時間いつでも対応としているのに、料金が数百円などありえない金額になっているものは、色々な経費が加算されるケースが多く、数万円から数十万円とその人が払えるギリギリの高額を請求することが多い。害虫は主に夜間に発見することが多いので、見つけたときはできればドラッグストアなどで殺虫剤などを購入し、まずは自分で対処することをお勧めしたい。どうしても、駆除したいということであれば、賃貸住宅の場合は、翌日、管理会社や大家さんに相談したほうがよい。害虫が出たことで慌てているとは思うが、業者と消費者の間でトラブルが起きていないか、ネットで検索するのも防衛手段となる」ということだ。
ゴキブリだけに限らず、コバエ、ネズミ、ハチの巣、ハクビシンといった相談でもトラブルは起きているということで、相談センターでは注意を呼び掛けている。