公認候補者の集会で演説する立憲民主党の野田代表(16日、新潟県長岡市で)=古厩正樹撮影

写真拡大

 2012年に首相を退いて以来、党首に再登板して迎えた衆院選を「十数年に1度の政権交代のチャンス」と位置づける。

 「裏金問題が大きな争点だ。政権交代こそ最大の政治改革になる」と強く訴え、自民党派閥の「政治とカネ」の問題に絡んだ自民党前議員の選挙区を重点的に遊説で飛び回る。

 2度目の党首就任で「刷新感がない」との声も浴び、新たな試みとして始めたのが、立憲民主党のユーチューブ公式アカウントなどSNSでの動画配信だ。

 今月9日の党首討論直前には、緊張を解くため、かつてデビッド・キャメロン英首相(当時)から討論前の“必勝法”として教わった紅茶とバナナを味わっている舞台裏を収録した。「政治とカネ」問題についても、国会や街頭演説での迫力とは異なる柔和な表情で、「自民党は根っこから腐っている。我々が変えていくしかない」と説く姿などを公開している。

 原稿執筆も“手書き派”で「時代遅れ」と自嘲するだけに、SNSで素の姿をさらすことには照れもあった。ただ、「色々な観点からリーダーの人柄や性格を見てもらえば、党全体が勢いづく」と考えを改めた。

 酒豪で知られるが、選挙中は飲酒する余裕はない。移動中に弁当をかきこんで隙間時間で動画撮影に臨み、街頭でも画面越しでも政権交代への訴えを続けていく。(政治部 伊福幸大)