ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、10月16日の放送にキヤノングローバル戦略研究所主任研究員・峯村健司が出演。衆議院議員総選挙に向け、各党が掲げる公約のうち「安全保障」の面について解説した。

長野智子「各党の政策をご覧になってどんな印象をお持ちになりました?」

峯村健司「安全保障に対する皆さんの関心は高まっていて、防衛力は強化しなきゃいけない、というのはなんとなく一致しているかなと。ひとつおもしろい共通項だと思ったのが、日米地位協定の見直しのところ。自民党の公約にはないんですが、石破茂さんの主張の中ではけっこう地位協定の見直しは言っていました」

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「総裁選のときにけっこう言っていましたね」

長野「公約でも『あるべき姿を目指す』とは書いてあります」

峯村「似た方向で立憲民主党も言っています。すべての政党がここに関心ある、というのはおもしろい傾向だなと。石破さんなんかがよく言っていたのは裁判権の問題。在日米軍の人が公務中に犯罪などをした場合、裁判権が日本になくてアメリカにある。おかしいじゃないか、という。確かに議論の余地はあるところです」

長野「あとは捜査権ですね。ヘリが落ちたとき、そこに日本の警察、消防が入れない」

峯村「石破さんが確か防衛庁の長官のとき沖縄の大きな事故が起こって。立ち入りすらできないというのは問題だろう、と。私も同感ではあります。日米同盟で70年近く経って、ある意味ブラッシュアップ、いろいろ解決しなくてはいけない時期だ、というところは一致しているのでしょう」

長野「はい」

峯村「アメリカのファクターでいうとトランプ元大統領が、じつは同盟の見直しのことを言っている。同盟をどうしていく、というのは議論しなくてはいけないところだと思います」

長野「でもアメリカの見直しと少しギャップというかポイントの違うようなところが……」

峯村「ズレている部分と一致している部分があるんです。トランプ政権時の周りの人と話していると『対等な関係はいい。対等ならば日本もちゃんと責任を担っている、防衛費ももっと上げて、自分たちで守れるようにしてくれ』という違いはあります」

長野「その辺は合理的ですよね、トランプさん。現実味がない、現実的でないな、という政策はありますか?」

峯村「そうですね。石破さんが総裁選のとき提示していたアジア版NATO。公明党が言っているアジアにおける多国間の安保対話の枠組って、理想的な姿ではあるんですが中国の軍事演習、北朝鮮とロシアの連携などを見ていると、ここ数年で話すようなことでなくて。何十年先に中国や北朝鮮も入れた安保の枠組を目指すならいいけどいまではないだろう、というところではありますね」