[10.15 W杯アジア最終予選 日本 1-1 オーストラリア 埼玉]

 チャンスがなかったわけではない。前半34分、MF守田英正の縦パスをMF南野拓実がおさめてサイドに展開。日本代表MF三笘薫(ブライトン)が左から中に切れ込んで右足ミドルを狙った。1-1の後半33分にもMF鎌田大地のサイドチェンジを受け、カットインから右足を振り抜いたが、いずれもDFのブロックに阻まれた。

「あそこで当てているようじゃまだまだだと思う。もっと冷静さが必要」。そう悔やんだ三笘は「高さのあるチームに対して、効果的な崩しが少なかった。サイドではがしてクロスから点を取れれば問題ない。それができなかったときにミドルシュートだったり、アーリークロスだったり、ハイラインの裏を取ることも必要だった」と振り返った。

 左ウイングバックで最終予選4試合連続の先発出場。0-1の後半25分にMF中村敬斗が投入されてからは左シャドーにポジションを上げ、中村が左ウイングバックに入った。その中村が鮮やかな個人技で左サイドを突破し、オウンゴールを誘発。1-1の同点に追いついた。

「中村選手がシャドーをやってもいいと思うけど、僕の疲労もあったと思うし、彼が上下動してくれて、彼からのチャンスも多かった」。試合の流れを変える中村のプレーを称えた一方、「彼の勢いに乗った形になったけど、もっと自分が良い距離感でサイドで数的優位をつくりながら攻められたら良かった」との反省も口にした。

 最終予選開幕からの連勝は3でストップ。ホームで勝ち点1獲得にとどまったが、「相手に勝ち点3を与えなかったことも大事」と力説。「次のアウェー2連戦で勝てればそれは大きい」と、11月に控えるインドネシア、中国とのアウェー連戦を見据えた。

(取材・文 西山紘平)