高級洋菓子の製造販売会社「シェ・タニ」(熊本市)が、売れ残った商品のシールを貼り替え、賞味期限を先延ばしにしていたことが分かった。

 同社は取材に大筋で事実関係を認め、熊本市保健所が調査を始めた。谷誠志社長は「私は一切指示していない」と話した。

【写真】貼り替えの指示と承諾のやりとりが残るLINE

 同社や複数の元従業員によると、賞味期限が改ざんされた商品はアーモンドにチョコをかけた「アマンドショコラ」。商品が売れ残ると、賞味期限を記したシールをはがし、期限を数カ月延ばしたシールに貼り替えていたという。元従業員は「賞味期限は製造日にかかわらず、店頭に並ぶ直前に印字されていた」と証言。今回の改ざんは、食品表示法に触れる可能性がある。

 同社では2022年9月ごろ、23年2月のバレンタイン用にアマンドショコラの製造を開始。だが、大量に売れ残り、4月下旬、賞味期限が5月末で切れる商品のシールをはがし、7月末に延長したものに替えた。約1千個のうち約200個で貼り替えられたという。日付を「好きにして下さい」との指示もあり、23年5月末から24年2月末にしたケースもあった。

 取材に応じた谷社長は「結果的に私の責任だ」と述べた。同社は1995年7月の設立。熊本や千葉、大分で計8店舗を展開し、オンライン販売もしている。(飯島健太、森北喜久馬)