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 ◇UFCファイトナイト・ラスベガス98 ブランドン・ロイバル−平良達郎(2024年10月12日 米ネバダ州ラスベガス・UFC APEX)

 フライ級5位の平良達郎(24=THE BLACKBELT JAPAN)が2試合連続となるメインイベント5分5Rで、同級1位のブランドン・ロイバル(32=米国)と対戦し、スプリットの判定1―2(48―47、47―48×2)で敗れた。18年8月のプロデビューから17戦目での初黒星。22年5月のUFC参戦後の連勝も6で止まった。

 フライ級のタイトル戦線を占うトップコンテンダー対決。1Rはサウスポーの相手のパンチを数発、顔面にもらった。残り1分を切ったところで前に出て、背後に回ってからグラウンドに持ち込んだ。だが、有効な攻撃につなげられなかった。

 2Rは30秒すぎの左足タックルから倒し、バックマウントでコントロール。要所のパウンドで出血させるなどペースを取り戻した。

 3Rも積極的にタックルに出たが、倒しきれない。逆にパンチを立て続けに浴びる。2分30分すぎに後ろに回ってもしのがれる。逆に3分すぎに倒されてバックマウントから攻められた。腕十字、三角絞めを切り抜け、残り30秒でリアネイキッドチョークに入ったが、決めきれなかった。

 UFCでは3Rまでしか経験していない平良にとって、未知の領域となる4R。「持久戦になっても自信はある」と語っていたように、40秒すぎには背後に回ってから倒した。粘る相手を逃がさず、スタミナを奪った。

 勝負の最終5R。ロイバルの軽いパンチを何発かもらう。1分20秒すぎにタックルからグラウンドの展開に持ち込んだが、2分すぎに体勢を入れ替えられバックを取られる。1分を切ったところでのタックルは首を取られ、そこからグラウンドに持ち込まれる。反撃を封じられて試合終了のブザーがなった。

 気力を振り絞って戦った25分。平良は判定負けが決まると右手で目頭を押さえた。勝者のロイバルとは一緒にトレーニングしたことがあった。試合後のインタビューで勝者は「トレーニングしたいなら、いつでも来い。君はいつかチャンピオンになれる。凄いやつだ」と平良を称えた。

 試合をライブ配信したU-NEXTで解説を務めた“世界のTK”高阪剛氏(54)は「2人とも凄い試合をやってのけた。5Rに自分の攻撃を仕掛けた平良はあっぱれ。そこからいい形にもっていくロイバルもさすが」と好勝負を振り返った。

 平良はこの試合に向けて「勝ったらチャンピオンとやりたいし、チャンピオンを意識している」と語っていたが、王座挑戦はいったん、仕切り直しの形となった。

 フライ級のタイトル戦線に関しては、この日、前RIZINバンタム級王者・朝倉海(30=JAPAN TOP TEAM)のUFCデビュー戦が12月8日の「UFC310」でフライ級王者アレシャンドレ・パントーシャ(34=ブラジル)とのタイトルマッチに決定した。平良はそこに食い込んでいけるのか。今後の試合が注目となる。