この記事をまとめると

■愛車を台風の被害から守るためにするべきことを5つの項目にまとめている

■情報の確認手段や事前にクルマを避難できる場所をチェックすることも重要

■クルマの安全だけでなくオーナー自身の身の安全も確保することが大事

常日頃から自然災害への意識を向けるべし

 ようやく猛暑日と熱帯夜から開放されたかと思いきや……今度は秋雨シーズン、そして台風の季節です。近年、地球温暖化の影響によって、台風が大型化する傾向があるといわれています(ただし、因果関係を結論づけているものではありません)。

 また、8月下旬〜9月上旬にかけて日本近海を迷走しまくった台風10号のように、予測不可能なコースを進む台風もあります。イザというときに備えて、「愛車を台風から守るためためにするべきこと」について5つの項目に絞ってまとめてみました。

1)数日前から天気予報をチェックしておく

 自分のスマートフォンに天気予報のアプリをインストールしている人が多いのではないかと思います。全国各地の天気予報や雨雲レーダー、台風の予測進路など、詳細な情報が手もとのスマートフォンで見られるのは本当に便利です。……であるならば、台風が接近している情報もアプリなどが知らせてくれるので、事前に詳細な情報を得ることが可能です。つまり、ある程度、余裕をもって台風に備えられる時代なのです。

 ただ、天気予報アプリによって予報がまちまちであることが多く、どのサービスを信じてよいのか判断に迷うことがあります。そこで、個人的には天気予報アプリに加え、テレビのニュース番組の途中で放送されている天気予報も参考にしてみてください。プロの気象予報士がわかりやすく教えてくれるので、普段はもちろん、「天気のことは詳しくないけど、台風の進路予想を知りたい」というときにも有効です。

2)あらかじめ土嚢を用意してすぐに積み重ねられるようにしておく

 道路の冠水が予想される際に、あらかじめ何層にも積み上げておいて水の侵入を防ぐ「土嚢」。専用の土嚢袋はネット通販やホームセンター、100円ショップなどでも入手できます。土嚢袋に土を詰め込んだり、水を入れるタイプもあります。行政によっては無償で提供してくれる場合もあるので、確認してみてください。

 自宅や近隣の駐車場で冠水の可能性がある場合は、事前に土嚢袋を入手しておき、台風の影響が大きいと思われる場合は早めに土嚢を作っておいたほうがよさそうです。

 また、近年は1時間あたり100ミリリットルという、ひと昔では考えられないような大雨が降ることもあります。常日頃から住んでいる地域のハザードマップ(または防災マップ)を確認しておくことも非常に重要です(住んでいる地区長村+ハザードマップで検索すると、ハザードマップの情報が上位表示されます)。

近所の立体駐車場を要チェック

3)冠水する前に待避できる近隣の立体駐車場を把握しておく

 台風の接近に備えて、SNSなどでショッピングモールやパチンコ店などの立体駐車場に待避させる映像を見たことがあるかもしれません。台風と大雨から愛車を守ってくれる立体駐車場は屋根付きであることも多く、心強い存在です。ただ、出口で料金が発生する場合はともかくとして、当然ながら無断駐車はNGです。

 とくに駐車料金が掛からないような駐車場であれば、必ず事前に店舗に確認をして許可を得るようにしてください。非常時であれば店舗側も柔軟に対応してくれる確率が高いです。そのかわり、何らかの形でお金を使うようにしてください。それが駐車場代のかわりとなるのですから……。

4)地下の機械式駐車場の場合は事前に待避しておく

 マンションに多い機械式駐車場、とくに地下に格納するタイプだと、大雨で冠水してしまったらクルマは確実に水没します。そうなってしまったら水没車確定です。普段から大雨の際に避難できるような立体駐車場の場所を把握しておき、有事の際は速やかに待避させましょう。クルマを待避させた場所がコインパーキングであればそれなりの出費になりますが、クルマを買い替える羽目になるよりマシです。

 早めに駐車することでクルマも被害から逃れられますし、オーナー自身も安全を確保しつつ徒歩で帰宅できます。ただ、すでにかなり雨が降っていて、帰りは徒歩……という場合は危険が伴う可能性もあります。このあたりは状況に応じた臨機応変さが求められそうです。

5)冠水していたら突っ込まずに引き返す!

 ニュースなどの台風やゲリラ豪雨の報道時に、冠水した道路に勢いよくクルマが突っ込んでいって、そのうち動かなくなるといった映像を見たことがあると思います。 「そんなに深くないから大丈夫でしょ!」とか「SUVなら車高が高いし楽勝でしょ!」なんて思いながら冠水した道路に突っ込み、動けなくなったコトの顛末がこの映像というわけです。進行方向ですでに立ち往生しているクルマがある時点で「自分もそうなる」と考えるのが妥当です。

 多少遠まわりになっても、迂回するなど、別の道を探して安全パイを狙っていきましょう。雪道で4WD車がスタックするように、冠水時に車高があるSUVでも水没するケースがしばしばあります。油断は禁物です。

まとめ:愛車を水没から守り自身も無事に帰宅するまでが「愛車を台風から守るためためにするべきこと」

 小学生のころ、遠足に出かける前、校長先生(あるいは教頭先生)に「無事に帰宅するまでが遠足です」なんていわれたことがあるはずです。

 これは「愛車を水没から守り、オーナー自身も無事に帰宅するまでが待避行動である」点も同じです。愛車は安全な場所に待避させることはできたけれど、風雨がすごすぎて歩いて帰れない……駐車場でSOS発信ではシャレになりません。そのためにも、天気予報アプリやテレビの天気予報を活用するなど、早め早めの行動が肝心です。

 究極的には自身の、そして大切な人の安全を確保することにほかなりません。台風が接近するなか、ちょっとクルマの様子を見に行ってくる……という行為は危険を伴う可能性があります。「水没が気になるけれど、この雨と風のなかで見に行くのはさすがに危ないかも……」。そう感じたときは安全な場所に身を置き、嵐が過ぎ去るのを待つしかありません。そうならないためにも、普段から愛車の待避場所を決めておいて、いざというときに速やかに対応できるようにしておくことが重要です。