◆米大リーグ ロッキーズ―ドジャース(28日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

  ドジャース・大谷翔平投手(30)が28日(日本時間29日)、敵地・ロッキーズ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、6点をリードした6回先頭の4打席目マルチ安打となる右前安打を放った。この日3打数2安打で4試合連続複数安打で、打率3割1分1厘になり、196安打目とした。さらに盗塁も決めて58盗塁となった。

 ロッキーズの先発は、アントニオ・センザテーラ投手(29)。19年に11勝を挙げるなど2度の2ケタ勝利の実績がある右腕だ。昨季は2登板でメジャーデビューした17年以降初めて未勝利に終わり、今季も試合前の時点で2登板で勝敗なしの防御率3・38。22日(同23日)にドジャースタジアムで対戦した際には、2本のシングル安打を放って3打数2安打だった。

 初回先頭の1打席目は右翼フェンス直撃のシングル安打で出塁。打球速度111・3マイル(約179・1キロ)という鋭い打球で、前日から5打席連続安打で、シーズン195安打、打率3割1分1厘になった。続くベッツの打席で二盗を狙ってスタートを切ったが、一邪飛。二塁ベースを越えていた大谷は必死に一塁に戻ったが、二塁ベースを踏んでいなかったため、アウトになるボーンヘッドがあった。2点をリードした2回2死走者なしの2打席目は初球に反応するも遊ゴロ。前日27日(同28日)の1打席目以来6打席ぶりの凡退だった。3点をリードした5回先頭の3打席目は四球を選んで出塁。続くベッツの打席で58個目の盗塁となる二盗を決めたかのように見えたが、記録はのちにボークに変更された。

 メジャーリーグ史上初となる「50本塁打&50盗塁」を達成し、これまでの日本人では最多となる本塁打、盗塁、打点などをマークしてきた大谷。残り2試合で最後に狙うのは首位打者の座だ。前日27日(同28日)の54号3ランを放つなど5打数4安打4打点の固め打ち。9月18日(同19日)の試合後に2割8分7厘だった打率は、19日(同20日)からの34打数24安打の打率7割6厘という絶好調で、一気に3割9厘にまで上がった。2年連続の3割以上と、日本人史上初の「トリプルスリー」(3割、30本塁打、30盗塁)はほぼ間違いなくなった。

 前日27日(同28日)終了時点でナ・リーグの打率トップは2年連続首位打者のアラエス(パドレス)で3割1分4厘。大谷が5厘差の3割9厘で、オズナ(ブレーブス)も3割8厘と不気味な存在だ。大谷は試合前の時点で627打数194安打。イチロー以来日本人2人目の200安打も視野に入っている。アラエスはこの日の敵地・ダイヤモンドバックス戦でスタメンを外れた。大谷はすでに本塁打、打点の2冠王は確定的。逆転で首位打者もつかみ取って三冠王に輝くと2012年M・カブレラ(タイガース)以来12年ぶりで、ナ・リーグでは1937年J・メドウィック(カージナルス)以来87年ぶり、ドジャース史上初の快挙だとなる。