30年ぶりに単独ライブを開催する「テンション」の田口浩正(右)と芋洗坂係長

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 俳優・田口浩正(56)と、小浦一優こと俳優・芋洗坂係長(56)によるお笑いユニット「テンション」が、来年1、2月に約30年ぶりとなる単独お笑いライブを東京と福岡で開催することが24日、分かった。デビューから35周年を迎えたタイミングでの発表に2人は「そもそも、俺らがお笑いを一緒にやってたことを知ってる人って少ないよな」と苦笑いしつつ、「還暦前の思い出作りをぜひとも見に来てほしい」と“復活ライブ”への意気込みを語った。(増田 寛)

 テレビ朝日系「特捜9」シリーズをはじめ、数多くの作品に出演する名バイブレイヤーの田口と、2008年の「R―1グランプリ」で準優勝しピン芸人として活動すると同時に、ミュージカルでも活躍する芋洗坂係長。現在は別々の道を進む2人が、30年ぶりに芸能活動の“原点”に立ち返る。

 田口が「当時はバカルディ(現さまぁ〜ず)より人気があったんだから」と言えば、芋洗坂は「今の若い子は絶対に知らないよ。結びつかないと思う」と合いの手を入れる。2人の絶妙な掛け合いは、相方同士だからこそできる芸当だ。

 「テンション」の復活は、デビュー30周年を迎えた2019年にお笑いライブ開催の計画を立て、21年に実現予定だったが、コロナ禍で断念。35周年の今年に再び計画が動き出した。

 今回のタイミングを、田口は「還暦前の思い出作り」と笑う。結成当時、芋洗坂の体重は58キロで田口が100キロ以上あったが、現在は芋洗坂が105キロで田口が85キロ。「当時、小浦は細身で、ダンスが得意なイケメンだった。今では小浦がすごい太って、早死にするのが心配になった。ライブは急を要する」。その言葉に芋洗坂は「お互いのライブにゲスト出演した時、お客さんの復活を求める声がすごくて。60歳になってから再出発はきついし、今がタイミングだった」と明かす。

 「テンション」は、1988年に芋洗坂がダンサーとして働いていた六本木のショーパブで、俳優志望の田口と出会い「お互いにないものを持っている」とひかれ合い89年に結成。日本テレビ系のネタ番組「LIVE 笑 ME」(90年)では若かりし頃の「爆笑問題」や「ホンジャマカ」を抑え、5週連続1位に輝くなど人気を博した。ただ、「お互いにやりたいことがあった」ことから、解散こそしなかったものの93年9月のライブを最後に活動を事実上休止していた。

 ライブは新ネタのコントが中心となる予定。田口は「還暦前にもなれば、いろんな思いがある。現代でも通じるようなネタを考えている。若い人たちも見られるネタにはしてるつもり。今の僕らを表現できたら」。芋洗坂も「2人とも経験を重ね、ネタに幅がでてきた。体格も正反対になり、昔とは違うお笑いができる」と声を合わせた。

 ライブ後のユニット活動は未定。芋洗坂は「温かい目で見てほしい」と謙虚に語る一方、田口は「今後は未定だけど、今回のライブで俺らがバズったら続けるかも」と不敵に笑った。

 同ライブの東京公演は、赤坂 RED/TEATERで来年1月17〜19日で開催される。2人の地元となる福岡公演は博多・ぽんプラザホールで来年2月13〜15日に上演される。チケットは10月1日から発売される。