プレミアリーグは今月、オリジナル番組の『プレミアリーグ・マイクド・アップ』でアーセナルMFデクラン・ライスがブライトン戦で退場処分を受けた際の審判音声を公開した。

 ライスは後半3分、敵陣深くでDFヨエル・フェルトマンにファウルをした後にボールを足で突き、遅延行為で2枚目の警告と判断されて退場となった。この行為を巡っては判定が厳しいと捉える意見も出ていたが、プレミアリーグ独立委員会は満場一致で判定を支持している。

 公開された審判音声ではクリス・カバナー主審が副審に対して「他に選択肢はないね」と伝えた後にライスにカードを提示している様子があった。また抗議するアーセナルの選手に対しては「退場にしたいわけじゃない。でも彼はボールを蹴ったんだ」と説明していた。プロ審判協会(PGMOL)のハワード・ウェブ会長はこうした行為がカードの対象になることを開幕前に選手たちへ明確に伝えていたことを示し、改めて判定の正当性を伝えている。

 その一方、ファンなどから指摘があったブライトンFWジョアン・ペドロの遅延行為疑惑について、ウェブ氏は「警告すべきだった」と見解を述べた。ペドロは前半にタッチライン際のボールを追いかけると、外に出たボールを蹴り飛ばしたためアーセナル側から遅延行為のアピールを受けていた。

 ウェブ氏はボールの周辺にアーセナルの選手がいなかったことから、審判団が再開への「インパクトがない」と判断してノーカードにしたことを明らかにした。しかし「ペドロの行為はアーセナルの再開に明らかな影響があったと思う」と述べ、警告に相当することを認定。「笛が鳴った後のタッチがすべてイエローカードになるわけではない」とした上で、再開に影響を与えた場合はカードを出すことで一貫するように審判団へ求めたことを示した。