Makoto Uchida, President and CEO of Nissan Motor Co. Ltd., Guillaume Cartier, Chairperson of Management Committee for AMIEO, Frank Torres, President of Nissan India Operations, and Saurabh Vatsa, Managing Director of Nissan Motor India, with the Nissan Magnite.

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「安価SUV」接戦 日産「マグナイト」は好敵手になるかも

 未だに衰え知らずの人気を誇るクロスオーバーSUVは、大型のモデルだけでなくコンパクトなボディサイズのモデルたちも人気を高めています。
 
 トヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」の兄弟を筆頭に、最近ではホンダ「WR-V」やまもなくの登場が予告されているスズキ「フロンクス」など、海外生産のモデルまでもが日本に導入されているのです。

日産でもっとも小さく安価な「マグナイト」

 そんななか日産では、プレミアムSUVに進化した「エクストレイル」やe-POWER専売モデルの「キックス」などは存在するものの、コンパクトなSUVは現在ラインナップされていません。

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 しかし海外に目を向けてみると、インドで生産されている「マグナイト」というモデルが存在しています。

 このマグナイトは2020年からインドで販売されているもので、全長4mに満たない非常にコンパクトなボディを持つエントリーモデル。ボディサイズは全長3994mm×全幅1758mm×全高1572mmです。

 搭載されるエンジンはベーシックな直列3気筒の1リッターガソリンエンジン。72PSを発生するノンターボのNA仕様と100PSを発生するターボ仕様の2タイプが用意されています。

 そこに組み合わされるトランスミッションは5速MTが基本で、ターボ仕様にはCVTが、NA仕様には「EZ-Shift」と名付けられた2ペダルMT(5AMT)が別途設定されています。

 駆動方式は前輪駆動のみのラインナップとなりますが、16インチの大径タイヤと205mmを誇る最低地上高によって、日常使いでは十分な走破性能のポテンシャルを持っていると言えるでしょう。

 エクステリアには、現在日産車が導入している共通テーマ「Vモーショングリル」ではなく大径の大型グリルを備えています。

 実はこれ、新興国向けに復活した「ダットサン」ブランドのモデルとしてマグナイトをリリースする予定だった名残であり、その後ダットサンブランドが廃止されたため、デザインはそのままに、日産ブランドから発売されているのです。

 ただ大型のグリルを備えたことで、コンパクトなボディでありながら、かなりの存在感を醸し出しているので、デザインを変更しなかったことが逆に功を奏しているとも言えるかもしれません。

 一方のインテリアは、コンパクトでありながら十分な質感を備えており、メーターパネル中央には大型の液晶パネルがあり、コネクテッド機能を備えたディスプレイオーディオも装備。

 さらに後席にはアームレストやエアコン吹き出し口も備わるので、快適性もしっかり担保されています。

 そう考えると、このマグナイトを日本に導入するという選択肢も、大いにアリなのではないかと思えてきます。

 前述したWR-Vやフロンクスもインドで生産されているモデルであるため、海外生産であることのデメリットはほとんどないと言えます。

 価格についてもエントリーグレードで59万9900ルピー(約103万円)から、ターボモデルでも91万9000ルピー(約158万円)と非常にリーズナブルなものとなっているのです。

 ただし、インド仕様のマグナイトにはいわゆる先進安全装備と言われるものが装備されていないため、日本へ導入するのであれば、法規や安全基準の面からこれらの追加装備はマスト。

 しかし、その辺りをプラスしても200万円前後のスタート価格に抑えることができれば、一気に人気車種になることも夢ではないと思えるのです。