マツダ新型「RX-7」まもなく登場!? ついに「新エンジン」開発へ本格始動! 次期「ロータリースポーツカー」はどうなるのか

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復活の狼煙(のろし)はコンセプトカー「RX-VISION」から始まった

 マツダは、一度は消えかけた「ロータリーエンジン」の開発を、ふたたび本格的に取り組んでいるようです。
 
 期待される「“新型”ロータリースポーツカー」はどのようなクルマになるのでしょうか。

「RX-7」復活に期待大! マツダ 新型「ロータリースポーツカー」はどうなる!?

 マツダがこだわり抜く「ロータリーエンジン」を搭載する最後の市販モデルは、2013年4月に販売終了した「RX-8」でした。

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 その10年後、2023年9月にロータリーエンジンを発電専用にしたシリーズハイブリッド「MX-30 ロータリーEV」の予約受注が始まりましたが、直接駆動に用いるクルマは姿を消したままです。

 ロータリーエンジン終了の背景には、年々厳しくなる環境規制に対応するのが困難になったということがありました。

 レシプロエンジンに比べ、燃費の面で不利なロータリーエンジンの復活は難しいというのが、正直なところでしょう。

 そんななかで登場したMX-30 ロータリーEVは、「RX-7」「RX-8」の後継車となるロータリースポーツの復活の期待度を高める知らせでした。

 マツダは、RX-8の販売終了後もロータリーエンジンをあきらめていないことが再三伝えられていました。

 RX-7からRX-8という系譜から、次期ロータリースポーツは「RX-9」だろうと予想され、幾度となくその開発や発売については噂が流れています。

 RX-7は、初代が1978年にデビューした「サバンナ RX-7」で型式は「SA」、1985年にフルモデルチェンジした2代目が「FC」型、1991年にフルモデルチェンジし3代目は「FD3S」型で車名からサバンナの名称が外れました。

 通称FDは、人気の米国映画「ワイルド スピード」の劇中車になるなど、今でも特に高い人気を持っています。

 2003年4月のRX-7販売終了と入れ替わって、RX-8がその翌月に発売されました。

 RX-8は7の後継車のようではありますが、ピュアスポーツカーの2ドア・2シータークーペ(2+2仕様も設定)だったRX-7に対して、観音開き式の異形4ドアを持つ4人乗りのクーペというスタイルでした。

 この独特なパッケージングになった背景に、当時マツダが米フォードの傘下に入っており、RX-8販売の条件にフォードが4ドアモデルを指定していたというものがあったようです。

 ただロータリーファンからすれば、RX-7の純粋な後継車が待ち望まれていました。

 そんな中、2015年秋に開催された第44回「東京モーターショー 2015」でマツダは、次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」を搭載したFR・2シータースポーツのコンセプトカー「RX-VISION」を披露しました。

 美しいスタイリングが高く評価されましたが、何よりRX-7の純粋な後継車「RX-9」(仮称)の市販化への期待を高める1台として大注目を集めました。

2023年登場の「アイコニックSP」でふたたび注目されるロータリースポーツカー

 その後、“RX-9”の話題は噂の域を超えることはありませんでした。

 しかし2023年10月、第1回「ジャパンモビリティショー 2023」でマツダは、水素を始めとするゼロエミッション燃料も使用できる新たなロータリーエンジンユニットを搭載したコンセプトカー「アイコニックSP」を出展しました。

2015年発表された「RX-VISION」の時代から、マツダはロータリースポーツカーの可能性を常に追い続けてきました

 同車は、新開発の「2ローターRotary-EV(ロータリーEV)」システムをパワートレインとし、最高出力370PSを誇る2シータースポーツカーという仕様でした。

 パワートレインは、時代の流れに沿った“電動車”ではありますが、ポルシェ「911」相当のパフォーマンスを秘めているとマツダ社長が語ったこともあり、RX-7の血を引く新型ロータリースポーツの復活の可能性に高い注目を集めました。

 アイコニックSPのお披露目に前後して、冒頭で紹介した「MX-30 ロータリーEV」がデビュー。パワートレインは、1ローターながら「アイコニックSP」のパワートレイン要素と同じEVシステムが採用されていました。

 今年2024年5月28日、マツダ、トヨタ、スバルの3社共同で開催した記者会見「電動化時代の新たなるエンジン開発を三社三様で宣言」の場で、1ローターの横置きロータリーEVシステムと、2ローターの縦置きローターEVシステムの実機が展示されました。

 なかでも後者は、スポーツカーへの搭載を視野に入れたもので、展示の場には国際モータースポーツ「GT3」「GT4」で使用されるようなレーシング用タイヤが置かれていたことから、マツダの本気度が伝わってきました。

 RX-VisionからアイコニックSPという2台のコンセプトカー、MX-30 ロータリーEVの市販化、2ローターEVシステムの実機展示という一連の流れは、ロータリースポーツの次期「RX-7」の市販化が近づいているという証と言えるでしょう。

 往年のFDのような、純エンジン車での復活は遠のいてしまったことに残念がる方は少なくないでしょう。

 しかしロータリーエンジンとモーターを直結した構造のEVシステムは、「モーターを切ったらエンジン直結になるのでは?」という期待も持てます。

 マツダはEVシフトの声が高まる最中に、新型SUV商品群に新開発の直列6気筒エンジンを搭載しています。

 この英断に対し、ロータリーファンならずともマツダを応援する人が数多くいました。

 新型RX-7、あるいはRX-9の車名で市販化されるかどうかは不明ですが、開発の歩みが一歩ずつ進んでいるのは確かで、大いに期待して待ちましょう。

[編集部注記:本文中の一部に誤りがあったため、2024年9月18日に修正しました]