2024年9月4日に、Qualcommが次世代AI PC向けのArmベースSoC「Snapdragon X Plus」シリーズに新たに廉価モデルとなる「Snapdragon X Plus 8-core」を追加することを発表しました。

Qualcomm Expands Performance Leadership to More Copilot+ PC Users with New Snapdragon X Plus 8-core | Qualcomm

https://www.qualcomm.com/news/releases/2024/09/qualcomm-expands-performance-leadership-to-more-copilot--pc-user



Qualcomm’s new eight-core Snapdragon X Plus makes these Windows laptops cheaper - The Verge

https://www.theverge.com/2024/9/4/24235065/qualcomm-8-core-snapdragon-x-plus-windows-laptops

Qualcommはこれまで、12基のQualcomm Oryonコアを搭載した「Snapdragon X Elite」や10コアのSnapdragon X Plus 10-coreをリリースしていましたが、これらの製品はいずれもハイエンド向けで、搭載されているPCはいずれも高価格帯のものにとどまっていました。

そこでQualcommは2024年9月4日に、8基のQualcomm Oryonコアを搭載したSnapdragon X Plus 8-coreを発表。コア数の減少に伴い、GPU性能はSnapdragon X Plus 10-coreが3.8TFLOPSであるのに対し、Snapdragon X Plus 8-coreは最大2.1TFLOPSと低く抑えられています。また、キャッシュも上位モデルは42MBである一方、Snapdragon X Plus 8-coreは30MBです。

また、QualcommによるとSnapdragon X Plus 8-coreは競合他社のCPUと比べて電力効率が179%優れているほか、ピーク時のCPUパフォーマンスは61%高速とのこと。

さらに、廉価モデルとはいえNPU性能は45TOPSであるため、ローカルでのAI実行に適したPC「Copilot+ PC」の要件は満たしています。Quaclommの社長兼CEOのクリスティアーノ・アモン氏は「Snapdragon X Plus 8-coreにより、これらの革新的なAIエクスペリエンスと、電力効率の高いカスタムQualcomm Oryonコアのクラス最高のパフォーマンスと前例のないバッテリー持続時間をより多くのユーザーに提供できるようになりました」と語っています。



Qualcommのコンピューティング・ゲーミング担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのケダー・コンダップ氏は「Snapdragon X Plus 8-coreは、応答性の高いパフォーマンスと画期的なオンデバイスAI処理で可能性を再定義します。驚異的な電力効率により、ダイナミックなライフスタイルに対応し、移動中のプレゼンテーションの作成やクリエイティブプロジェクトのキックスタートなど、ユーザーをフローに巻き込めるように設計されており、ユーザーの生産性を新たな高みへと押し上げることが可能です」と述べました。

Snapdragon X Plus 8-coreを搭載したノートPCのラインナップとしては、ASUSの「Vivobook S 15」やDellの「Inspiron 14」が899ドル(約12万9000円)からの価格帯で発表されているほか、SamsungはSnapdragon X Plus 8-coreを搭載した「Galaxy Book4 Edge」を2024年10月10日にリリースすることを発表しています。また、AcerやHP、Lenovoなどのメーカーも搭載製品を順次発表予定とのこと。

Galaxy Book4 Edge, Samsung’s Next-Gen AI PC, Now Available With 15-Inch Display - Samsung Global Newsroom

https://news.samsung.com/global/galaxy-book4-edge-samsungs-next-gen-ai-pc-now-available-with-15-inch-display