AirTagをプラスチックごみとして出した結果、プラスチックのリサイクルが正しく行われていないことがわかったと環境活動家が報告しました。

Texas woman uses AirTags to see where recyclable plastics REALLY end up - and is left speechless | Daily Mail Online

https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-13809473/Texas-woman-uses-AirTags-recyclable-plastics.html

Texas resident used Apple AirTags to discover plastics taken to Houston recycling centers aren't being recycled | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/tech-industry/texas-resident-used-apple-airtags-to-discover-plastics-taken-to-houston-recycling-centers-arent-being-recycled

テキサス州ヒューストンに住むブランディ・ディーソンさんは、自分が出したプラスチックごみの行き先を確認するため、落とし物トラッカーの「AirTag」をゴミに紛れ込ませました。ゴミはすぐさまリサイクル処理が行われるだろうと予想されていましたが、いつまでたっても処理が行われることはなく、後日ディーソンさんが確認したところ、何百万というゴミが民間リサイクル施設の敷地にそのまま積み上げられていることが判明したそうです。



ヒューストンでは2022年に「ヒューストン・リサイクル・コラボレーション」というリサイクルプログラムが始まり、「リサイクル箱に入れて出されたあらゆる種類のプラスチックをリサイクルすること」を目的に廃棄物回収が行われています。これについてディーソンさんは「市のリサイクルプログラムが始まったとき、通常はリサイクル可能ではないと考えられている発泡スチロールなども受け入れられたため疑念を抱きました。ごみがどこに行くのか確かめたかったのです」と語り、AirTagを入れた理由について説明しました。

ディーソンさんのAirTagがたどり着いた敷地はWright Waste Managementという企業のものでした。Wright Waste Managementはヒューストン・リサイクル・コラボレーションを通じてゴミを入手していましたが、実際は処理施設すら建設しておらず、ただゴミを集めていただけだったとのことです。

ディーソンさんがCBSニュースと協力して民間リサイクル施設を撮影したところ、ごみの山は高さ10フィート(約3メートル)を超え、周辺の植物に重なるように置かれているところもあるのが確認できたとのこと。ディーソンさんは「テキサスの暑い気候で発火する危険性もある」と指摘し、有毒なガスが周辺地域を汚染する可能性を懸念しました。



Wright Waste Managementは「処理施設の操業開始時にプラスチックが大量に必要になるため、敷地内に山積みにしている」と説明しましたが、同社が発表した運営スケジュールによると操業開始は8〜9ヵ月後であり、このままでは今後さらに増加するごみを収容しきれないのではとの見方もあります。

加えて、一部の環境保護団体は「Wright Waste Managementは『あらゆる種類のプラスチックをリサイクルする』とうたう他社のリサイクル技術を採用していますが、この技術はプラスチックを破砕した後に高熱で溶かして再成形するものであり、このような方法は大気汚染を招く可能性があります」と述べ、市が推進するリサイクルプログラムそのものに欠陥があると指摘しました。