Appleは2025年から販売されるすべてのiPhoneモデルにOLEDディスプレイを採用、安価モデルのiPhone SEにもOLEDが搭載される
Appleが2025年の発売が予想されている次期iPhone SEに、中国のテクノロジー企業・BOEと韓国のLG Display製の有機EL(OLED)ディスプレイを搭載する予定であることが報じられています。実現した場合、長年低価格帯のiPhoneに採用されてきた液晶ディスプレイの歴史に終止符が打たれることになります。
Japan no longer iPhone display supplier as Apple ends LCD use - Nikkei Asia
The last iPhone with an LCD display will get an OLED upgrade in 2025 | Macworld
https://www.macworld.com/article/2446265/iphone-se-4th-generation-lcd-oled-display.html
iPhone SE 4 to Complete Apple's Switch to OLED Across iPhone Lineup - MacRumors
https://www.macrumors.com/2024/09/03/iphone-se-4-complete-apple-switch-oled/
Appleは2007年のiPhone発売以降ディスプレイに液晶ディスプレイを採用してきましたが、2017年のiPhone Xで初めてOLEDディスプレイを採用。その後は上位モデルでOLEDディスプレイの採用を拡大してきました。記事作成時点でラインナップされているiPhoneのうち、液晶ディスプレイを採用しているのは廉価モデルの「iPhone SE」のみです。
第3世代「iPhone SE」速攻開封&フォトレビュー、一体何が変わったのか? - GIGAZINE
しかしAppleは、2025年以降のすべてのiPhoneにOLEDディスプレイを採用することが報じられています。2025年の発売が見込まれているiPhone SE 第4世代には、iPhone 13に搭載されていたOLEDディスプレイが転用されるとのことで、製造は中国のBOEと韓国のLG Displayが担当するとされています。
これに伴い、iPhone用ディスプレイのサプライヤーから日本の企業がすべて撤退することになります。日本経済新聞によると、ジャパンディスプレイ(JDI)とシャープは2015年頃には年間約2億枚ものiPhone向け液晶ディスプレイを供給していたものの、2023年にはピーク時の約10分の1となる約2000万枚まで激減したとのこと。なお、記事作成時点でJDIはApple Watch向けの小型OLEDディスプレイを供給しています。
イギリスの市場調査会社・Omdiaの調査によると、スマートフォン向けOLEDディスプレイの出荷台数は2024年に初めて液晶ディスプレイを上回るとされています。スマートフォン向けディスプレイの出荷台数を示した以下のグラフでは、OLEDディスプレイと液晶ディスプレイ(LCD)の出荷台数が2023年中頃にともに約7億台で並び、出荷台数がともに約7億台で並び、その後の予想ではOLEDディスプレイの出荷台数が逆転していることが分かります。
なお、iPhone SE 第4世代は従来のTouch IDを廃してFace IDを採用、USB Type-Cポート、アクションボタンを搭載すると予想されているほか、ホームボタンの廃止と全面スクリーン化に伴い、ディスプレイのサイズは4.7インチから6.06インチに拡大するとみられています。海外メディアのMacRumorsは2025年1月または2025年3月にiPhone SE 第4世代がリリースされると予想しています。