47歳女優の“神秘”感の正体とは。大物ハリウッド俳優との緊張キスシーンで世界的な存在に
地上波の連ドラで小雪を見るのは久しぶりだ。毎週木曜日よる9時から放送されている『スカイキャッスル』(テレビ朝日)に出演する小雪が、いったいどんな姿で登場するのか。
想像を超えてぞくぞくする。物語の展開そっちのけで、小雪に目が釘付け。日本だけでなく世界を魅了してきた存在に目が眩む。どうしてこんなにクリアな存在感を放ち続けているんだ……?
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、小雪の魅力を解説する。
◆全然ワクワクしてこないのだけれど……
7月期のドラマは正直、肩が凝るものが多い。放送前から期待値をあげるばかりで、中身はロボットのようなカメラワークとカット割り。アグレッシブなだけで胃もたれするような俳優たちの演技……。
有象無象の中、『スカイキャッスル』が韓国の大ヒットドラマの日本リメイクであり、『梨泰院クラス』(2020年)の制作スタジオと日本版『六本木クラス』(2022年)の制作スタッフが再タッグを組んだ作品と言われてもねぇ。全然ワクワクしてこないのだけれど、でも本作には特別な魅力を放つ存在がいるので、かろうじて大丈夫。
小雪である。第1話の初登場から演技に寸分の狂いも、無駄もない。視線の動きだけ見てもすべてが計算づく。カメラが横アングルから捉える喉の微動すら見逃せない。大げさなドラマ展開は単純に肩が凝るけど、小雪の存在感を前にすれば、背筋をピンとして見ることが最低限の礼儀だと思ってしまえる。
◆最恐の鬼教師を彷彿とさせる見た目
本作のメイン舞台は、大層豪華な邸宅が並ぶ住宅街・スカイキャッスル。そこには帝都病院に勤務する医者家族たちが暮らす。各家庭の最大の関心事と言えば、子どもたちを立派な跡継ぎとしての医者にすべく、名門校合格を目指す受験戦争。
一足先に息子を名門校に合格させたのが脳神経外科部長・冴島哲人(橋本じゅん)を家長とする冴島一家。受験指導を担当したのが、小雪扮する受験コーディネーター・九条綾香である。指導料は年間3000万円。少人数指導で必勝を掲げる合格請負人だ。
指導に関すること以外、余計なやり取りはしない。ピクリとも笑わない。漆黒の衣装をまとい、髪をまとめあげているその見た目は、『女王の教室』(日本テレビ、2005年)で天海祐希が演じた最恐の鬼教師を彷彿とさせる。同役と酷似する九条の役柄が、小雪の無駄のない演技と見事にコミットしている。
◆映画的な唇同士の接触
それにしてもドラマ作品に出演する小雪の姿を久しぶりに見た気がする。現在、47歳。(あまり好ましい表現ではないが)稀代の“クールビューティー”と形容されていた頃が懐かしい。
もともとはパリ・コレクションにも参加するモデル出身だった彼女が俳優デビューしたのは、織田裕二主演の『恋はあせらず』(フジテレビ、1998年)。映画俳優としての才能もすぐに開花し、日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)など、公開から20年近く経っても小雪マジックの華やかさは色褪せることがない。
「ウイスキーが、お好きでしょ」のメロディでお馴染みのサントリーウイスキー角瓶テレビCMのイメージが強い人も多いと思う。
近年では、一ノ瀬ワタル主演のNetflix配信ドラマ『サンクチュアリ-聖域-』(2023年)で相撲部屋に活気を供給する女将を演じたり、朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合、2023年)では、『極道の妻たち』(1986年)の岩下志麻ばりの関西弁で凄みを利かせたりする。
でも筆者が驚嘆し続けているのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』よりむしろ前の映画作品。エドワード・ズウィック監督作『ラスト サムライ』(2003年)だ。近代的な明治政府軍に対する旧武士階級の敗残の美学を描いた同作で、主演俳優トム・クルーズの相手役になったのが小雪だった。
想像を超えてぞくぞくする。物語の展開そっちのけで、小雪に目が釘付け。日本だけでなく世界を魅了してきた存在に目が眩む。どうしてこんなにクリアな存在感を放ち続けているんだ……?
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、小雪の魅力を解説する。
7月期のドラマは正直、肩が凝るものが多い。放送前から期待値をあげるばかりで、中身はロボットのようなカメラワークとカット割り。アグレッシブなだけで胃もたれするような俳優たちの演技……。
有象無象の中、『スカイキャッスル』が韓国の大ヒットドラマの日本リメイクであり、『梨泰院クラス』(2020年)の制作スタジオと日本版『六本木クラス』(2022年)の制作スタッフが再タッグを組んだ作品と言われてもねぇ。全然ワクワクしてこないのだけれど、でも本作には特別な魅力を放つ存在がいるので、かろうじて大丈夫。
小雪である。第1話の初登場から演技に寸分の狂いも、無駄もない。視線の動きだけ見てもすべてが計算づく。カメラが横アングルから捉える喉の微動すら見逃せない。大げさなドラマ展開は単純に肩が凝るけど、小雪の存在感を前にすれば、背筋をピンとして見ることが最低限の礼儀だと思ってしまえる。
◆最恐の鬼教師を彷彿とさせる見た目
本作のメイン舞台は、大層豪華な邸宅が並ぶ住宅街・スカイキャッスル。そこには帝都病院に勤務する医者家族たちが暮らす。各家庭の最大の関心事と言えば、子どもたちを立派な跡継ぎとしての医者にすべく、名門校合格を目指す受験戦争。
一足先に息子を名門校に合格させたのが脳神経外科部長・冴島哲人(橋本じゅん)を家長とする冴島一家。受験指導を担当したのが、小雪扮する受験コーディネーター・九条綾香である。指導料は年間3000万円。少人数指導で必勝を掲げる合格請負人だ。
指導に関すること以外、余計なやり取りはしない。ピクリとも笑わない。漆黒の衣装をまとい、髪をまとめあげているその見た目は、『女王の教室』(日本テレビ、2005年)で天海祐希が演じた最恐の鬼教師を彷彿とさせる。同役と酷似する九条の役柄が、小雪の無駄のない演技と見事にコミットしている。
◆映画的な唇同士の接触
それにしてもドラマ作品に出演する小雪の姿を久しぶりに見た気がする。現在、47歳。(あまり好ましい表現ではないが)稀代の“クールビューティー”と形容されていた頃が懐かしい。
もともとはパリ・コレクションにも参加するモデル出身だった彼女が俳優デビューしたのは、織田裕二主演の『恋はあせらず』(フジテレビ、1998年)。映画俳優としての才能もすぐに開花し、日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)など、公開から20年近く経っても小雪マジックの華やかさは色褪せることがない。
「ウイスキーが、お好きでしょ」のメロディでお馴染みのサントリーウイスキー角瓶テレビCMのイメージが強い人も多いと思う。
近年では、一ノ瀬ワタル主演のNetflix配信ドラマ『サンクチュアリ-聖域-』(2023年)で相撲部屋に活気を供給する女将を演じたり、朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合、2023年)では、『極道の妻たち』(1986年)の岩下志麻ばりの関西弁で凄みを利かせたりする。
でも筆者が驚嘆し続けているのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』よりむしろ前の映画作品。エドワード・ズウィック監督作『ラスト サムライ』(2003年)だ。近代的な明治政府軍に対する旧武士階級の敗残の美学を描いた同作で、主演俳優トム・クルーズの相手役になったのが小雪だった。