【独自】90人逮捕の投資詐欺「若者40~50人出入り」「猥談バー通いも」リーゼント刑事がアジト直撃
捜査員約470人を投入し、90人を摘発した巨大詐欺事件が大阪で起きた。スマートフォン約1800台が押収され、グループによる詐欺被害は全国で約10億円にのぼる。ABEMA的ニュースショーでは、元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏とともに独自取材した。
大阪府警は7月23日、主犯格とみられる自称・行政書士の島内大起容疑者ら男女8人を詐欺容疑で逮捕した。島内容疑者らの詐欺グループは今年2月から3月にかけて、20代女性に対して、「80%勝てる商材がある」と架空のもうけ話を持ちかけ、約90万円をだまし取った疑いが持たれている。
大阪府警によると、詐欺グループは2グループあり、4つのビル内の拠点に分かれて、SNSで詐欺メッセージを送る「打ち子」らが活動したとみられる。為替や株価などの騰落を予測し、決められた時点の値が「高いか」「安いか」の二者択一で選ぶ「バイナリーオプション取引」に関する投資を持ちかけ、被害者にウソの情報商材を購入させるなどで、現金をだまし取った疑いがある。
詐欺グループの活動拠点とされるビルの隣にあるカフェ店員は、「以前から若い人たちの出入りが多く、ファッション関係の会社かと思っていた」と語る。多くは「見た目も派手めで、イマドキの子たち」だったが、「たまにゴツい車が来て、40代くらいの幹部クラスが降りると、若い子たちが迎えに行った。怪しい会社なのかなと話していた」と振り返る。
そこから2キロほど離れた別グループの拠点に、秋山氏が足を運んだ。同じビルに務める人物は「(捜査が入った)2階は、変な業者ばかり入っていた。1階に自転車を置いて、近くにある系列と行ったり来たりすると言っていた」。毎日昼間から深夜にかけて、10〜20代の若者40〜50人が出入りしていたという。
取材を進めると、主犯格と見られる島内容疑者が出入りしていたSMバーに行き着いた。店主は「最近はぜんぜん来ていない。今年の頭くらいかな。うちは縄(緊縛)の教室をやっていて、毎日ではないが練習しに来ていた。めちゃめちゃいい人だった」と語る。
さらには「猥談(わいだん)バー」にも出入りしていた。こちらの店主は「アングラというか、SM界隈(かいわい)にポツっと入ってきた新参者。みんなの秘密の欲の吐き出し場所なので、プライベートで楽しんでいたと思う」と話す。
大阪府警は、グループのトップ格と見られる中村晋弥容疑者ら5人を公開手配した。この詐欺事件には、いわゆる“親玉”は存在するのか。秋山氏は、フィリピンに住む特殊詐欺に詳しい情報提供者に電話取材した。情報提供者は「この間、フィリピンで日本人が5人拘束された」といい、「手口が全く一緒」であることから、今回の詐欺グループと「絶対につながっている」と断言する。
「10億円以上の被害額が、どこへ行っているか。警察庁は、日本からフィリピン、カンボジアに特殊詐欺グループのアジトがあると把握している。お金が海外へ行っている可能性はある。裏社会を熟知している情報提供者いわく、グループの背後には暴力団関係者がいる」(元徳島県警捜査1課警部・秋山博康氏)
(『ABEMA的ニュースショー』より)