人種差別騒動のエンソをマスケラーノが全面擁護、「冗談が他国では誤解されることもある」
アルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスらがフランス代表に対して“人種差別的”ととられるチャントを歌っていた映像が物議を醸している。
アルゼンチンは14日に行われたコパ・アメリカ2024決勝でコロンビア代表を下し、大会連覇を成し遂げた。騒動はその試合後、チームバスの中で起きた。
エンソらは「フランスでプレーしているが全員がアンゴラ出身。母親はナイジェリア人、父親はカメルーン人、でもパスポートには『フランス人』と書いてある」と歌い、アフリカ系の選手が多いフランス代表を嘲笑した。
エンソはすでに謝罪を表明したが、対象となったフランスサッカー連盟はエンソらの行動について強く非難しつつFIFAへの申し立てを行うと発表。所属するチェルシーも「完全に容認できない」として懲戒手続きを開始した。
ただ母国アルゼンチンからは異論の声も。同国のレジェンドであるハビエル・マスケラーノ監督はAFP通信の取材に「われわれは人種差別主義者ではない」と訴え、同胞の後輩であるエンソを擁護した。
「もしわれわれアルゼンチン人にないものがあるとすればそれは人種差別だ。そんなものとはほど遠い。(エンソの件は)すべてが文脈から無視されていると思う。
私はエンソを知っている。彼は良い子で、何の問題もない。(勝利後の)お祝い騒ぎのビデオは、その一部が文脈から切り離されてしまうことがよくある。
各国の文化を理解することが必要だ。冗談として理解していた内容が他の国では誤解されることもよくある」
マスケラーノ監督は、エンソの騒動は部分的な“切り抜き”によるものであり、また文化の違いによって生じているものに過ぎないと訴えている。
現役時代にバルセロナなどで活躍したマスケラーノ監督は現在U-23アルゼンチン代表を率いており、間もなくパリ五輪本番を迎える。