水卜麻美アナ

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 日本テレビの「24時間テレビ」が今年も放送されることが発表された。昨年11月に系列局・日本海テレビの幹部(懲戒解雇済み)がチャリティ基金を着服していたことが発覚し、番組の存続を危ぶむ声もあった。

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 今回の発表は6月20日、「ZIP!」と「DayDay.」に出演した水卜麻美アナ(37)が行った。募金着服問題にも触れ、「皆様からの信頼を裏切ってしまう行為です。改めて心よりお詫びいたします」と謝罪した上で、「皆様が作ってくれた『24時間テレビ』を続けたいです。『24時間テレビ』で信頼を取り戻せるよう必死に考えて伝えてまいりたいと思っています」と頭を下げた。

水卜麻美アナ

 今年は8月31日から9月1日に放送される。47回目にして初めての9月放送となる。ギリギリまで放送を検討した結果だろうか。日テレ関係者に聞いた。

「実は今年の『24時間テレビ』の放送は、昨年8月には決定していました。もちろん、『24時間テレビ』の大改革を行った上での放送ということで」

 やはり募金着服問題の影響が大きいのでは?

「日テレ局内では正直言って、それほど大きな問題にはなっていません。日本海テレビは系列局ですが全くの別会社であり、今は日テレからの出向も行われていません。あくまでも他所様の会社の不祥事で、刑事事件にもなっていませんし、着服された募金は弁済されました。ですから、むしろ局内では、水卜アナに同情的な声が上がっています」

 では、なぜ大改革に乗り出すのか。

92年の大改革

「昨年の『24時間テレビ』(8月26〜27日)が酷かったためです。まず、番組のエンディング時点で、募金総額が前年より1億円も少ない2億2223万8290円しかなかった。最終的には8億2100万8847円になりましたが、番組終了時点では歴代最低も予想され、これではチャリティー番組とは言えないという声まで上がりました」

 翌日にはさらなるショックが。

「平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)が11・3%と、前年から2・5ポイントも落としました。これは大改革が行われた1992年以降で断トツのワースト記録でした。日テレ幹部も顔面蒼白となったのです」

 92年の大改革は、なぜ行われたのだろう。

「理由は同じです。その前年、91年に放送された『24時間テレビ』の平均視聴率が歴代最低の6・6%、募金総額も8億円台だったからです」

 平均6・6%とは、ずいぶん低い。

「まさに番組の存続をかけたリニューアルでした。この年の7月に放送されたフジテレビ版『24時間テレビ』とも言える『FNSスーパースペシャル 1億2000万人のテレビ夢列島’91 24時間ぶっ闘志』では、BIG3ことタモリ、ビートたけし、明石家さんまがそろって“笑い”に徹した番組を放送していました。中でも、さんまさんの買ったばかりのレンジローバーを、たけしさんが“車庫入れ”と称してブロック塀にぶつけボコボコに。さんまさんの『誰か奴を止めなさい!』との心の叫びとともに、伝説の番組となりました。視聴率三冠王を続けていたフジとの勢いの差を感じましたね」

 その煽りを受けたというワケか。

リニューアルで生まれた「サライ」とマラソン

「そこで日テレは『24時間テレビ』の大改革に乗り出したのです。92年の『24時間テレビ』はお堅いドキュメンタリーのドラマやコンサートなどを一新し、エンターテインメントを重視しました。番組パーソナリティにはまだ若手だったダウンタウンを起用し、番組名物となったチャリティマラソンもこの年からスタート。番組テーマソングの『サライ』もこの年に番組内で作られました」

 ちなみに、最初のマラソンは間寛平が200キロマラソンに挑んだが、事前にコースを発表してしまったため交通の妨げになることから153キロの地点でリタイヤ。翌93年に再び挑戦し完走している。ともあれ、現在の「24時間テレビ」は92年のリニューアルを受け継いでいると言っていい。今年は何が変わるのだろう。

「メインパーソナリティも、2003年のTOKIO以来、旧ジャニーズ勢で続いてきましたが、それも改めることになりました」

 ジャニー喜多川氏による所属タレントへの加害問題のためだろうか。

謝罪会見が行われたのは昨年9月7日、すでに今年の方針が決定した後なので関係ありません。あくまでも、昨年のメインパーソナリティだったなにわ男子には荷が重すぎた、ということです」

 今年のメインパーソナリティは未だに発表されていない。

「これは本当にわかりませんが、最近『ニノさん』や『おしゃれクリップ』など日テレの番組に出演が増えている上戸彩あたりが怪しいと見ていますが、どうなりますかね」

 また、第1回から続いた番組のテーマ「愛は地球を救う」は「愛は地球を救うのか?」に変わる。

「これだけは局内でも疑問の声が上がっています。なんで疑問形にしたのか、『愛は地球を救うのか?』と問われれば、思わず『いや救わない』と答えたくなります。思うところがあるなら堂々と主張しろ、と。なんだか視聴者に恐る恐るお伺いを立てているようで、自信のなさを表しているかのようです」

 自信がなくても「24時間テレビ」は続けるのだろうか。

「やめることは全く考えていないようですね。今や『24時間テレビ』は日本テレビのアイデンティティであることはもちろんですが、経営的にもなくてはならない番組です。昨年は視聴率が低かったとはいえ、深夜や早朝を含めての平均が11・3%です。ゴールデン・プライム帯で見れば18%もあるわけです。先日、最終回が放送された『Believe―君に架ける橋―』(テレビ朝日)の視聴率は13・2%と今期の連ドラでトップとなりましたが、それをはるかに上回っています。視聴率に連動するスポットCMの売上はもちろん、全日視聴率の年間平均は『24時間テレビ』と『箱根駅伝』がなければ首位から転落する可能性も出てきますからね」

デイリー新潮編集部