「ちょうどいいスマホ」の新水準。急速充電やAI編集機能対応のOPPO Reno11 Aレビュー
OPPOは6月20日、Androidスマートフォン「OPPO Reno11 A」を発表しました。多くの人の使い方に寄り添ったミッドレンジスマートフォンです。メーカー直販版の価格は4万8800円(税込)で、発売は6月27日。ワイモバイル・楽天モバイルと各MVNOでも販売されます。
OPPO Reno11 Aの特徴は主に以下の4点が挙げられます。
・薄型デザインで大画面
・48分、超急速充電対応
・MediaTek製チップで性能向上
・AI写真編集ツール搭載
一方で気になる点はこの2点です。
・角張った形状
・プリインストールアプリが多い
ここでは、それぞれの詳細を見ていきましょう。
価格帯で考えると高品質なディスプレイ
OPPO Reno11 Aの画面サイズは6.7インチと、前モデル「OPPO Reno9 A」に比べて大きくなりました。動画が見やすい長めの画面で、額縁が細く、スタイリッシュな作りです。前面カメラはパンチホール型ですが、カメラ穴は小さく、画面を見ているときにそれほど目立ちません。
ディスプレイは価格帯を踏まえても高品質です。10ビットカラー対応で、当然HDRも再生可能。120Hz駆動で滑らかに動くのでSNSも楽しめます。また、本体に保護フィルムが貼り付けられているので、使い始めるときにフィルムを購入する必要がありません。
背面は最近のミッドレンジらしく、カメラを強調したデザインを採用しています。カメラ部の出っ張りは1mmほどと控えめです。
カラーはスーツに合いそうなダークグリーンと、オシャレなコーラルパープルの2色をそろえます。
少し気になったのは、本体の側面が角ばった形状になっているところで、指先に当たる感触があまり心地よくないと感じました。前世代モデルのOPPO Reno9 Aでは付属していた保護ケースが今回は同梱されないため、余計に本体の手触りが気になってしまうのかもしれません。
最短48分で100%になる急速充電対応
実用的な特徴として、OPPO Reno11 Aは超急速充電に対応します。専用の充電器とケーブルを用意した場合は、最大67Wの急速充電が可能。スマホを100%まで充電するのにたった48分で済みます。
また、OPPO Reno11 Aは端末側もUSB-PDによる最大55Wの急速充電に対応しているため、標準規格のUSB-PD充電器を使えます。充電機器はメーカーの種類も幅広いので、好みに合わせて選べるでしょう。
急速充電をするとバッテリーがへたるのではないかという疑問が湧きますが、長く使ううえでの配慮もなされています。独自のバッテリー管理の仕組みがあり、動作する際の電池の消耗を抑えられるといいます。
なお、67Wの「SUPERVOOC充電器」は別売りです。7920円(税込)とお値段が張る製品ですが、USB-PDとも互換性があり、モバイルPCも充電できます。IIJmioでOPPO Reno11 Aを購入するユーザーには無料でプレゼントされます。
4万円台ながらAI編集ツール搭載
4万円台のスマホとしては珍しく、AIによる写真編集ツールを搭載します。発売当初からの搭載ではなく、7月のアップデートで配信されます。
「AIクリッピング」という機能で、Google Pixelの消しゴムマジックのように、選択した部分の一部を写真から削除して、何もなかったかのように埋め合わせることができます。
また、iPhoneが搭載するような、被写体を長押しするだけで白抜きにできる機能も備えています。LINEアプリなどに貼り付ければ“疑似スタンプ”として楽しめます。
PixelやiPhoneでは、これらの機能はオンデバイスで処理されますが、OPPOの場合はクラウドサーバー上で処理が行なわれます。この価格帯のスマホでこれらの機能を実現するために、OPPOがクラウドサーバーを用意した点では、ユーザー体験向上のための努力が感じられます。
背面カメラは3眼構成で、広角約6400万画素、超広角約800万画素、マクロ約200万画素。2倍ズームも画質劣化を抑えて撮影できます。インカメラは約3200万画素と高解像度です。
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MediaTek製チップで価格を抑えつつ性能向上
OSはAndroid 14ベースで、独自UIのColorOS 14を搭載。ファイルマネージャーやボイスメモ、天気アプリやリラックス音源アプリなど、実用的なツール類がそろっています。
日本向けのカスタマイズとしては、おサイフケータイとマイナンバーカードのスマホ搭載にも対応しています。
プリインストールアプリは多めで、アゴダやBooking.comのような旅行予約アプリのほか、カジュアルゲームがいくつか入っている点は気になります。これらのアプリを使わない人にはアンインストールを手間に感じるかもしれません。
スマホの性能を決めるチップセットには、今回初めてMediaTek社製のDimensity 7050を採用し、パフォーマンスを向上させました。ベンチマークスコアでは5年前のフラッグシップスマホを上回るスコアを出しています。
パフォーマンス管理にも独自の工夫を取り入れています。OPPOはトリニティエンジンという、計算資源やメモリー、ストレージを細かく管理する仕組みを開発しました。たとえばアプリを使っているうちに生じるキャッシュファイルの重複を圧縮し、アプリを快適に実行できる状態を保ち続けるとしています。
Web閲覧や動画視聴、電子書籍などで2週間ほど試用しましたが、カクつきやもたつきを感じることはありませんでした。KindleやBlueskyのような軽量なアプリが中心なら、何不自由なく快適に過ごせそうです。
「ちょうどいい」を一歩超えた新時代のミッドレンジスマホ
OPPO Reno11 Aは、急速充電対応やAI写真編集ツールなど、ハイエンドモデルに匹敵する機能を搭載しながら、4万円台という手頃な価格設定を実現しました。単に「ちょうどいいスマホ」という枠にとどまらない、新時代のミッドレンジスマートフォンと位置付けられます。
6.7インチの大画面ディスプレイは、没入感のある動画視聴体験やスムーズなSNSの利用を可能にします。MediaTek製チップセットやトリニティエンジンの導入によって、普段使いの些細なストレスをなくす、スペックに現れない性能向上も実現。
「ちょうどいい」を一歩超えた、ミッドレンジスマホの新水準を打ち立てたOPPO Reno11 A。この夏の注目モデルとなりそうです。
OPPO Reno11 Aの主なスペック
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