【バンコク時事】タイ最高検は18日、王室への不敬罪でタクシン元首相(74)を起訴したと発表した。

 タイのメディアは、2月の仮釈放後、活発な政治活動を展開するタクシン氏に対する軍など保守派の「警告」だと報じている。

 刑事裁判所は18日、高齢で逃亡の恐れがないなどとして、タクシン氏の保釈を認めた。タイの不敬罪は、有罪となれば3年以上15年以下の禁錮が科される。

 最高検によると、タクシン氏は国外逃亡中の2015年5月、韓国でのインタビューで、タクシン派政権が倒された14年のクーデターに関連して王室を侮辱する発言をしたとされる。タクシン氏側は無罪を主張している。

 タクシン氏が実質的なオーナーの最大与党「タイ貢献党」のセター首相についても、憲法裁判所が閣僚の任命責任を巡り失職の可否を審議している。判断は7月以降に示される見通しで、司法に影響力を持つ保守派によるタクシン氏への圧力が強まっている。