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元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円! 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい!」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。

楽観的なシナリオに
思いを馳せて楽しむ

基本的に、私は楽観的なほうだと思っています。

株をやるうえでは、最悪の自体を想定しておくことも大事ですが、「こうなったら楽しいな」と明るい方向のシナリオに思いを馳せるほうが楽しいです。

たとえば、「こうなればいいな」と思うのは、こんなシナリオです。

インフレが続き、企業の賃上げが中小企業まで波及する。それを見て日本銀行(日銀)がマイナス金利を解除し、金融が正常化する。企業のPBR(株価純資産倍率)は適正な水準となり、多くの企業がPBR1倍を超える。日経平均株価は5万円くらいまで上昇。それまでに投資を始めた人がみんな儲かり、お金を使い始める。そして経済が回る―。

無理のない投資を
続ければなんとかなる

理想的な話ですが、けっして夢物語ではないと思います。

また、私のように無理のない投資をしていれば、このような事態が実現せず、リーマン・ショックのような最悪の事態が再び訪れたとしても、なんとかなるものです。

さて、私が消防士を辞めたときの話に戻りましょう。

消防士を辞めた
意外なキッカケ

リーマン・ショックから数年、私の資産は減り続け、横ばいの期間も4年ほどありました。

そんななか、ようやく再び資産2億円に近づいてきた2011年、ついに私は消防士を辞めることにしました。

退職の決心がついたのは、資産2億円に回復しつつあったこともありますが、いちばんの決め手は本署への異動辞令が出たからでした。

楽しい職場環境が奪われる

田舎の消防署というのは、実のところ本署以外はそう忙しくありません。職場の仲間とワイワイやりながら、署内で自炊して好きな料理をつくって過ごす。

もちろん、みんな真面目に職務にあたっていますが、そんな仲間たちとの職場が、けっこう楽しかったんです。

自分の時間も奪われる

しかし、本署へ異動することになると、それまでとは違い、忙しくなります。仲間とワイワイやりながら働けていた環境がなくなり、自分のために使える時間も減る。

もともと早期退職をしたくて株を始めたのではなく、「配当や優待がもらえると嬉しいし、資産が増えていくのも楽しい」という思いから株を続けていたわけですが、「ここらが潮時かな」と感じ、49歳で退職を申し出たのです。

※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。