6月21日に発売される、パナソニックの食器洗い乾燥機「NP-TZ500」。汚れの量を自動で検知し、それに応じた量の液体洗剤を自動投入する「おまかせコース」を備えた、同社の新たなフラグシップモデルです。

 

この記事では、本機の特徴を紹介しつつ、発売に先駆けてメディア向けに開催された体験セミナーをリポートします。最新の食洗機が、現代人のライフスタイルをどのように変えてくれるのでしょうか。

↑NP-TZ500

 

食器洗いの全てを任せきる「おまかせコース」

NP-TZ500の最大の特徴は、新たに搭載された「おまかせコース」です。その魅力は、食器を入れてボタンを押すだけで、食器洗いの全てが完了するという点にあります。従来の食洗機では、食器を投入したあとにユーザーが手動で洗剤を入れる必要がありましたが、本機ではその手間をカット。洗浄水の濁度によって汚れの量を検知する「汚れセンサー」を搭載し、汚れぐあいに応じて適切な量の洗剤を自動投入してくれます。

↑本機の庫内。タンブラーやグラスを入れやすいアタッチメントが、右下に設置されている

 

手動での洗剤投入は、しっかり計量して入れるのが面倒で適当になったり、投入する量が多すぎて非経済的になったり、逆に少なすぎたりといった問題が。しかし本機なら、そんな懸念が不要になります。

↑庫内の底面。左側に見える白い物体が液体洗剤タンク。約30回分の洗剤を入れておける。中央の排水溝の下には、汚れを検知する「汚れセンサー」がある

 

洗剤の自動投入は2段階式になっています。まず本洗浄前の予洗いで食器を水で流します。その際に流れてきた汚れの量を汚れセンサーで測って洗剤の量を決定、投入してから本洗浄に入ります。

 

しかし、水による予洗いでは油脂汚れが落ちにくいため、その量を適切に計れません。そこで、本洗浄中に油脂汚れの量の計測を行い、汚れが多いと判定された場合は追加で洗剤を入れ、洗浄時間を延長します。

↑汚れセンサー

 

汚れの状態に最適化された洗い方をしてくれるので、十分な洗浄をしつつも無駄に洗いすぎるということはなく、経済性を高めています。本機の節水効果は従来機より約10%向上し、5人分の食器を洗ったときに使う水の量はわずか約9.9L。同じ量の食器を手洗いをした場合の7分の1に収まります。

↑同じ数の食器を洗ったときの、手洗い(左)と本機の消費水量の比較

 

また手洗いの場合、水の温度はおおよそ30度くらいになります。しかし、牛や豚の油脂汚れを落とすには40〜50度以上の温度が必要なため、手洗いでは十分に洗いきれないことがあります。一方、食洗機の場合は、60度以上に加熱した水を高圧で吹きかけて洗うため、しつこい汚れもしっかり落とせるのです。本機は「食器洗いの質を高め」「水道代を節約し」「時短をする」という、3拍子が揃ったモデルといえます。

 

家事シェアの専門家が語る、食洗機がもたらす家庭環境の変化

体験セミナーには、夫婦の家事シェアについて研究している三木智有さんがゲストとして登壇。現代に適した家事シェアの形と、食洗機導入の意義を語るトークセッションを行いました。

 

ほかの先進国に比べて家事・育児にかける時間が短いとされる日本人男性ですが、三木さんによると「日本の男性はすでに家事育児を限界まで頑張っている」といいます。というのも「日本人は仕事と通勤の時間が長すぎて、家事にかけられる時間がそもそも短い」のだそうです。

↑トークセッションに登壇した三木智有さん

 

 

三木さんは「パパたちは、企業や社会から、家族と暮らしを営む権利を取り戻さなければならない」と語り、女性が長い時間をかけて社会に出て働く権利を得たのと同様に、男性も戦っていく必要があると説きました。

 

そんな時代における夫婦の家事シェアの最適解について、三木さんは「家事負担の量を等しくするのではなく、自由時間に着目すべき」と話しました。仕事や家事・育児などから解放される自由時間は夫婦にとっての共有財産。それを最大化しながら、公平に使える状態を作るのが、家事シェアの目的だというのです。

 

「家電は、もはや単なる道具ではなく、家事負担を減らして自由時間を増やしてくれる、頼れるパートナーです。手作業のほうが確実! という人もいますが、家電を使ったほうが家事の質は上がります。食洗機の場合、時短、確実性、節約の3点で手作業に優越しています」(三木さん)

↑本機による洗浄のビフォーアフター。高音高圧の水で洗うので、着色汚れも油脂汚れも確実に落とせる

 

個人によって、家事には得手不得手があります。常に同じクオリティにならないとなれば、夫婦間のストレスにもなってしまうかもしれません。しかし家電であれば、常に一定のクオリティで家事をこなしてくれます。三木さんが「夫婦間の家事スキルのギャップを埋めるという意味でも、家電の意義は大きい」と言うように、家電は夫婦の円満な関係性にも一役買ってくれる存在です。

 

本機の導入で、年間176時間も家族の時間を増やせる

NP-TZ500の市場想定価格は10万5000円前後。これだけ見ると、安い買い物には思えないでしょう。しかし、本機が消費する水の量は手洗いの7分の1。水道代の節約効果は、5人家族の場合、年間23100円にもなります。単純計算で、4年強で購入費用を回収できる計算です。

↑本機による節水効果をペットボトルの数で可視化すると説得力は歴然

 

そして、5人家族が食器洗いにかける時間は、1日平均29分だそう。これを年間に換算すると、なんと176時間以上になります。食器洗いの手間すべてを代替してくれる本機を導入すれば、その時間を丸々家族とのコミュニケーションにあてられるわけです。

 

タイパ(タイムパフォーマンス)という言葉が叫ばれるようになって久しいですが、NP-TZ500のタイパ効果は数字で見ると大きな説得力を持ちます。「おまかせコース」の導入によってそのタイパを向上させたうえに確実性を磨き、節水効果も高めたNP-TZ500は、“タイパ家電”の目玉といえる存在になりそうです。