虎の貧打を物語る「.197」 1軍再昇格で「2軍レベルにない」と証明した佐藤輝明は深刻打線の“起爆剤”となるか

写真拡大 (全2枚)

ついに1軍に呼び戻された佐藤。この若き主砲に求められるものとは。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 猛虎がどこか弱弱しい。6月6日に甲子園で行われた楽天戦で阪神は今季初の同一カード3連敗。最大「7」を数えた貯金もついに底を突いた。

 まさかの甲子園6連敗で、交流戦は1勝7敗。チームには必然的にどんよりとした重いムードが立ち込めている。とりわけ深刻を極めているのが攻撃陣だ。今季は佐藤輝明やシェルドン・ノイジー、そして大山悠輔ら打線の“核”となる主軸がこぞって不振に。2軍での再調整を余儀なくされている。

【動画】阪神、Vの使者! 18年ぶり優勝を決定づけた佐藤輝明の歴史的特大ホームランをチェック

 岡田彰布監督は、打率、打点、本塁打、OPSでチームトップの成績を残す近本光司を4番に抜擢するなど抜本的な施策を打ち、流れを変えようとはしている。が、ハッキリ言ってしまえば、目立った効果はない。実際、交流戦が始まってからのチーム打率は12球団ワーストの.197。OPSも.596と低迷し、チームがどれだけ貧打にあえいでいるかは明確だ。

 もっとも、日本一となった昨年の軸がこぞって2軍にいるのだから、打線が機能しないのも仕方がない面はある。高卒3年目の前川右京などフレッシュな顔も出てきてはいるが、この危機を打破させるほどの経験があるとは言えない。

 ここまで落ち込んだのも久しぶりではないか。となれば、貧打解消する一手となるのは、主軸たちを舞い戻すことになる。甲子園での西武との3連戦が始まる7日には佐藤の再昇格が決まった。

 5月15日に登録を抹消された佐藤だが、2軍では違いを見せつけている。出場17試合で、打率.318、2本塁打、長打率.515、OPS.881と主要スタッツで好成績を記録。さらに長打率から打率を抜き、.200以上で「優秀」とされるISOも.197と上々の成績だ。春先に鳴りを潜めた本来のパワーもしっかりと発揮していると言える。

 課題と言われた三塁の守備も2軍では無難にプレー。攻撃陣がからっきしの1軍の現状を思えば、多少の粗さは目をつぶってでも起用するしかないというフェーズに入っているとも言えよう。

 気づけば、首位・巨人とは2.5ゲーム差の3位。ここから距離を詰める意味でも、「2軍レベルにない」ことを証明してきた虎の大砲に奮起が求められる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]