X(旧Twitter)上には長らくアダルトコンテンツが存在していましたが、アダルトコンテンツを明示的に禁止あるいは許可するようなルールは存在しませんでした。しかし、Xはアダルトコンテンツに関する新しいポリシーを発表し、ついに一部のアダルトコンテンツの投稿を許可すると発表しています。

Adult Content Policy

https://help.x.com/en/rules-and-policies/adult-content



X tweaks rules to formally allow adult content | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/06/03/x-tweaks-rules-to-formally-allow-adult-content/

X has new rules that officially allow porn now - The Verge

https://www.theverge.com/2024/6/3/24170352/x-xxx-porn-adult-content-terms-of-service-policy-update

2024年6月4日、Xがアダルトコンテンツおよび暴力的コンテンツに関する新しいポリシーを発表しました。新しいポリシーについて、Xは「我々はルールの明確化とこれらの分野の施行の透明性を高めるために、アダルトコンテンツと暴力的なコンテンツに関する新しいポリシーをスタートさせます。これらのポリシーは、これまでのセンシティブなメディアと暴力的な発言に関するポリシーに代わるものですが、我々が施行する内容に変更はありません。アダルトコンテンツは合意に基づく性的コンテンツや成人のヌードの共有に対する当社のアプローチをカバーしています。暴力コンテンツは、あらゆる形態の暴力と戦うためのより総合的なアプローチを可能にするために、暴力的な発言やメディアをカバーしています」と言及しています。





新しアダルトコンテンツポリシーでは、ユーザーはX上で成人向けのコンテンツを投稿することが認められます。ただし、アダルトコンテンツには目立つようにラベル付けする必要があり、投稿できるのは「ユーザーの合意の上で制作されたアダルトコンテンツ」のみです。なお、この新しいルールはAIが生成したアダルトコンテンツにも適用されます。

なお、Xは2024年3月頃からアダルトコンテンツを投稿するテストを行っており、XのエンジニアであるDongwookさんも「間もなくすべてのコミュニティでNSFWコンテンツが自動的にフィルタリングされるようになります。管理者は設定から『アダルトコンテンツ』を設定することで、コンテンツの自動フィルタリングを回避できるようになります」と投稿していました。

アダルトコンテンツに付けられることになるラベルは以下の通り。ただし、以下のスクリーンショットは2024年3月時点でのものであるため、一般ユーザーも使える機能として実装された時点では別の見た目になっている可能性があります。



新しいアダルトコンテンツポリシー上には、一部のアダルトコンテンツを許可する理由について、「我々はユーザーが合意に基づいて制作・配布する限り、性的テーマに関連する素材を制作・配布・消費できるようにすべきだと考えています。視覚的または文章による性的表現は、芸術的表現の合法的な形態になり得ます」と記されています。

また、Xは「我々は性に関するものを含め、自らの信念・願望・経験を反映したコンテンツに関わり、作成する成人の自主性を信じています。我々は成人向けコンテンツを見たくない子どもや成人ユーザーに対して、アダルトコンテンツへの露出を制限することで、この自由のバランスを取ります」と述べ、アダルトコンテンツを望まないユーザーにはアダルトコンテンツを推奨しないようにすると説明しました。

Xの暴力的コンテンツに関する新しいポリシーにも同様の説明が存在しますが、こちらでは「過度に残虐であったり、性的暴力を描写してはいけない」という禁止事項が明記されています。加えて、Xは暴力で明示的に脅迫したり、暴力を扇動・賛美したりするようなコンテンツについては、引き続き禁止するとも説明しています。

なお、アダルトコンテンツおよび暴力的コンテンツは、18歳未満のユーザーおよび生年月日を未入力のユーザーには表示されない模様。新しいアダルトコンテンツポリシーにより、X上でアダルトコンテンツを中心としたサービスを構築できるようになる可能性があると、テクノロジーメディアのTechCrunchは指摘しています。

ロイターが入手した旧Twitterの社内文書によると、2022年時点で同プラットフォームに投稿されたコンテンツの約13%にアダルトコンテンツが含まれていたそうです。2022年以降にポルノボットが急増したことを考えると、記事作成時点でのアダルトコンテンツの比率はより高まっている可能性があるとTechCrunchは推測しています。

Xがアダルトコンテンツを明示的に許可したため、TechCrunchは「規制当局は間違いなくXによる合意のないポルノや児童性的虐待コンテンツ(CSAM)を排除するための取り組みに厳しい目を向けることとなるでしょう」と指摘しました。