暗算が得意になるには、どうすればいいのか。勉強系YouTuberあきとんとんさんの著書『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)より、かけ算とわり算を暗算する裏技を紹介する――。
写真=iStock.com/RichVintage
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RichVintage

■2けたのかけ算が一瞬でできる方法

ここでは2けた同士のかけ算すべてに使える計算方法を紹介するね! その名も、にこにこ算!

【例題】
21×31=□

こんな計算をひっ算なしでできるようになるよ。3つのステップにわけて、マスターしよう! まずは、「にこにこ算」のやりかたを説明するね!

〈その1〉

1けた目同士、2けた目同士の計算をし、まんなかをあけて、その結果をかこう。

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

21の1けた目は、1、31の1けた目も1だね。2つをかけた数(1×1の答え)を右にかくよ。次に、2けた目同士の計算だよ。21の2けた目は2、31の2けた目は3。かけた数(2×3の答え)を左にかこう。

〈その2〉

次に、内々(うちうち)外々(そとそと)でにこちゃんをつくって、かけ算をして、たした数をまんなかにかこう。

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

これで答えは651って出る。

■まんなかに入れる数字が2けたになる場合

にこにこ算で、まんなかのたし算が2けたの場合もあるよね。そのときの解きかたを学んでいくよ。

【例題】
23×41=□

むずかしそうに見えるかもしれないけど、「くり上がり」なので、まんなかを基準に、そこから1けたくり上がるだけ! いっしょに見て行こう。

〈その1〉

1けた目同士、2けた目同士のかけ算をして、まんなかをあけて、その結果をかこう。ここは今までと同じだよね。

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

〈その2〉

内々外々でにこちゃんをつくって、かけ算をして、たした数をまんなかにかこう! 14になって、2けたになったね。もう1ステップ考えるよ。

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

〈その3〉

まんなかのくり上がりは3けた目にたすだけ! 答えは943だね!

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

これができたら、すべての2けた×2けたの計算に使えるにこにこ算が完成するよ。

■2けたの数字が出てきたら「くり上がり」を忘れない

さっき、にこにこしたときに、くり上がりがでてくる計算を学んだよね。実はくり上がりは、いろいろなところで出てくるよ。

同じように対応してね!

【例題】
72×18=□

〈その1〉

1けた目同士、2けた目同士のかけ算をして、まんなかをあけて、結果をかこう。このときにくり上がりがある場合はかいておく。今回は1だね!

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

〈その2〉

内々外々でにこちゃんをつくって、かけ算をして、たした数をまんなかにかこう。今回は<その1>の1もたして、59になるよ!

最後にもう1ステップ考えよう。

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

〈その3〉

まんなかのくり上がりは3けた目にたすだけ!

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

「くり上がり」なので、基準からくり上げるだけ!

ぜひ、いろいろなところで、にこにこ算を使ってみてね。

■割合の計算が暗算で解ける「けしけし法」

今度は割合の暗算方法を教えるね。次の計算をしてみよう!

【例題】
(1) 40の60%は?
(2) 1200の4%は?
(3) 1090の30%は?

小学校で割合を学んだとはいえ、こういう問題を見たときに「無理〜」「計算めんどくさい」ってなる人が一気に増えると思う。1つ目の問題なら、

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

だよね。

実はこれ、ここで説明するけしけし法を使ったら、もっとかんたんになるよ!

今回の問題みたいに%の計算で0が2つあるときは、0を2つとも消して、残った数のかけ算をしたら答えが出るんだ!

(1)「40の60%」なら、

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

(2)ほかにも「1200の4%」なら、

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

みたいな感じで、けしけししたら答えが出る!

(3)「1090の30%」のときはというと……

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

ではないよ!

【注意点】途中にある0は消したらダメ!

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

答えは327だ!

■「けしけし法」が成り立つ理由

割合の問題で「全体の数の○%」って聞かれたら、%を分数に直して全体の数と分数をかけ算するのがよいんだけど、%って、分母に100がくるよね。だから数の1けた目や2けた目に0があったら、必ず約分ができるんだ!

写真=iStock.com/drogatnev
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/drogatnev

具体的に確認すると、たとえば

(1)1200の43%は?

っていう問題は、普通はこうやって計算するよね。

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

……といった感じで、0があると約分ができるんだね!

だから、けしけし法で次の式がつくれるってわけ!

12×43=516

■割合の計算が暗算で解ける「かえかえ法」

もう一つ、割合の暗算方法を教えるよ。

次の計算をしてみよう!

【例題】
(1) 50の8%は?
(2) 25の12%は?

これも問題を見たときに「めんどくさそ〜」って思うよね。

(1)の計算は

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

だけど、かえかえ法を使ったら、もっとかんたんになる!

あきとんとん『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

割合の問題は、数字を入れかえることができるんだ!

(1) 50の8%は?⇒(1) 8の50%は?

って考えると、かんたんじゃない?

50%だから半分ってことで、一瞬で、答えは4ってわかるよね。

入れかえるとかんたんそうなときは、かえかえ法を使っちゃおう!

(2) 25の12%は?⇒(2) 12の25%は?

これもかえかえして、12の25%って考えると、25%ってことは半分の半分なので、答えは3ってわかる!

■「かえかえ法」が成り立つ理由

かえかえ法の場合、%の計算はかけ算なので、入れかえても同じ計算ってことで成り立つんだね!

具体的に確認すると、たとえば

(1)50の88%は?

では、かえかえ法で88の50%って考えたよね。

これはもともと

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

っていう計算だよね。分子を入れかえると、

出所=『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)

とできて、これは88の50%を意味しているよね。

50%は半分のことだから÷2でかんたんにだせるってことだね!

ぜひ、いろいろな場面で、今回紹介した「けしけし法」や「かえかえ法」を使ってみてね。

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あきとんとん勉強系ユーチューバー
京都大学大学院修士課程修了。高校や大学で勉強に苦労していたため、「できない人も楽しく勉強できるよう、手助けをしたい」との想いからYouTubeチャンネル「【楽しい授業動画】あきとんとん」で算数・数学の授業を配信中。著書に『小学校で習う計算が5秒で解ける 算数 ひみつの7つ道具』(かんき出版)がある。
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(勉強系ユーチューバー あきとんとん)