福留光帆の舟券予想は「1周回った本命党」 2点買いがハマったときは「気持ちよくてしょうがない」
楽しそうにボートレースについて語る福留光帆 photo by Hirose Hisaya
福留光帆インタビュー 後編
ボートレース界隈で今話題の福留光帆。独特の感性と、関西出身ならではのトーク力で、人気急上昇中だ。インタビュー後編では、そんな彼女にボートレースをさらに深掘りしてもらった。
【頑固なんです】――ボートレースは一つひとつのレースの情報量が多くて専門の用語も多いので、好きになるまでの最初のハードルが高いんじゃないかと思います。ルールや選手、予想のセオリーなどはどうやって覚えていったんですか。
私、結構好きなものには熱中するタイプで、食べ物とかもハマったらそれしか食べないんです。だから好きなことを自然と調べたくなっちゃうので、調べていくうちに頭に入ってくる感じです。あとはお父さんっていうボートレース事典みたいな人が横にいたのも大きかったです。そこからいっぱい引き出していました。
――好きなものしか食べないって、たとえば?
このお店だったらこれしか食べないってのが決まっているんです。ガストだったら「若鶏のグリル ガーリックソース」しか食べないし、マクドナルドだったら「えびフィレオ」か「エグチ(エッグチーズバーガー)」しか食べないし、松屋だったらハンバーグ系しか食べない、みたいな。好きだと思ったらもう疑わずそれしかしない。頑固なんです。
――その頑固さはボートレースにも反映されていますか。
反映されているのかな。頑固に買っていたら当たらないからな(苦笑)。
――舟券予想のことも少し聞かせてください。福留さんは本命党ですか、穴党ですか。
めちゃくちゃ本命党です。あ、でも本命党のなかでも1周しました。
――1周したというのは、どういうことですか。
舟券を買うようになってから、穴党みたいな道を通ったこともありました。万舟( マンシュウ/配当金が1万円以上の舟券)を取ったこともありますけど、最近は1周回って買い目を2点に絞って1,000円ずつかけるみたいな。ハマったときは気持ちよくてしょうがないです。でも基本的には本命党。
――勝ったときは何か買ったりしますか。
その次のレースですよ。終わりはないですもんね。勝つ日なんてない。
――勝ったからどうするってことはないんですね。
ないですね。でもやりすぎちゃうので、今はネット投票で引き落とせる口座にお金を入れないようにしています。そうしないとゲーム感覚でやっちゃうから。
【毒島誠と峰竜太の違いとは】――18歳のころからレースを見てきて、今のところ一番印象に残っているレースはどれですか。
王道ですけど、ボートレース多摩川での毒島誠選手のレース です。最初のターンでは5番手だったのに、1周回るごとに着を上げていって、最後のターンまでに全部抜き去ったんです。5番手から1着になったレースは見ていてすごかったです。
――ボートレースは野球や競馬などメジャーな競技と比べると、どうしても露出度が低いと思います。そんななかでどうやって情報を集めていったんですか。
情報か〜、でもやっぱり選手の人となりとかも最近はYouTubeの動画とか選手インタビューでわかるじゃないですか。もうそれですよ。ボートレースを好きになってお父さんに「とりあえず毒島と峰(竜太)をおさえておけ」って言われて。ふたりのレース映像を見たんですけど、すごく対照的ですよね。峰選手は「強い」、毒島選手は「うまい」、みたいな。
――毒島誠選手も峰竜太選手 もボート界最高峰のタイトル、SG(スペシャルグレード)で何回も優勝しているスター選手ですよね。福留さんの思う毒島選手と峰選手の違いをもっと詳しく聞かせてください。
峰選手は自分が勝つためのレースをしている、勝つことにすごくこだわっているって感じがします。毒島選手は何だろう。うまいんだよな、ひたすら。たとえば自分が逃げてトップを走っているときも後ろの艇を見たり、周りが見えているなってレースをしてくれています。
――福留さんが出演している番組など、いろんなところで「毒島のレースはキレイ」って言われていたのも、そういう意味なんですか。
そういうところです。他艇に強引なことはあんまりしない。それでもあれだけ勝率を残しているって、うまいからじゃないですか。あとは人となりですね。インタビュー動画を見たときにすごいなって思ったんです。自分が1着を獲っても事故艇があったときは絶対その人を気遣うコメントをするし、危ないレースをした後はフォローのコメントも入れるし。あと調子がいいときも悪いときも「目の前の一走一走に集中して頑張ります」っていつも言う。
――レースだけじゃなくて、毒島選手の人柄にも惹かれているってことですね。
私がやっている芸能のお仕事はやっぱり人気あってのもので、本当に支えてくださるファンの方がいてこそのお仕事なんです。でもボートレーサーって人気商売ではなくて、着を取れば問題ない世界じゃないですか。それなのに毒島選手はあの誠実な対応をいつでもできるってすごいなって思います。アイドル時代から見ていたので、ファンの方との向き合い方とか、勉強になることがありましたね。
――単なる推しではなくて、人生を学んでいると。
もちろんレーサーとしても好きですけど、人間としてものすごく尊敬していますね、毒島選手 のことは。
――スマホケースには毒島選手の舟券を入れているんですよね。これはどういうときに見て、見たらどういう思いになるんですか。
これは入れているのが当たり前だから、ないと落ち着かないって感じです。ふとしたときに見たら、「毒島選手も諦めないレースをしてくれるから、私も諦めないで頑張ろう」って思います。
【Profile】
福留光帆(ふくとめ・みつほ)
2003年10月22日生まれ、兵庫県出身。AKB48チーム8兵庫県代表メンバーとして活躍し、2022年7月に卒業。その後はグラビアやYouTube番組など幅広く活動し、ボートレース好きが高じて関連番組やイベントへも多数出演。2024年4月には週刊プレイボーイよりデジタル写真集「尼崎のダイヤモンド」を発売した。