日常的に使用する洗浄剤やタオルなど必要以上に「持ちすぎ」ていると、かえって家がごちゃごちゃすることも。ミニマルな暮らしにまつわる著作が多数ある、カナダ在住のブロガー筆子さん(現在60代)が、5つの「持ちすぎているもの」ものについて語ります。

​ 種類が多いゆえに、増えすぎてしまう「洗浄剤」

衣類やバッグ、書籍など、じつはそこまで数を持つ必要のないものばかりですが、今回は、とくにたくさん持ちすぎてしまいがちなもの5つに絞って紹介します。

まず1つ目は「洗浄剤」。洗浄を行うために用いられる薬剤を指しますが、顔を洗うための洗顔料や、体を洗うためのボディシャンプー、髪を洗うためのシャンプーと、自分自身を洗うためだけにすでに3種類もあります。

ほかにも、洗濯用の洗剤やデリケートな衣料を洗うための特別な洗剤、食器用洗剤や除菌剤、住宅用洗剤、特定の家具用洗浄剤、窓のための洗浄剤…など、自宅にはさまざまな「なにかをきれいにする」洗浄剤があるのではないでしょうか。

でも、こんなふうに細かく使い分ける必要はないと思います。私は体を洗う用に固形石けんを1個、食器用洗剤と衣類の洗剤は使っていますが、住宅専用の洗剤はもたず、重曹、酢、水、石けんを使っています。

「収納グッズ」も必要以上に所有している可能性も

ものを持ちすぎているために、それらを整理整頓して、きれいに収納する「収納グッズ」も増えがちのもののひとつです。

伝統的な収納家具であるタンスや書棚だけでなく、カラーボックスやラック、ハンガーバーをそろえていませんか? 収納ケースやボックスは、さまざまなサイズ、デザイン、素材のものが出回っており、安いものから高いものまでよりどりみどりです。ですが、「ものを入れるためだけのもの」がたくさん必要でしょうか?

収納スペースや収納グッズがあると、いらないものまでキープしてしまいます。したがって、不用品を減らしたいなら、収納グッズを持ちすぎないほうがいいです。

「キッチンツール」はシンプルで汎用性のあるものを

日本は食文化が豊かで、洋食、和食、中華、イタリアン、エスニックと日替わりで違う食事をする人がたくさんいます。そのため、多様なキッチン雑貨を必要以上に持ってしまう可能性も。たとえば、包丁ひとつにしても、万能包丁、菜切り包丁、野菜や果物用のペティナイフ、パンを切る包丁、ピザカッター、野菜の皮むき器などたくさんあります。

これは包丁だけでなく、フライパン、鍋、まな板、ザルも同じように増えていくことも。フライ返しやお玉、計量カップ、スプーンなどの細々したツールも、種類がたくさんあるので、台所の引き出しがぱんぱんになっているのではないでしょうか?

私なら、めったに使わないツールは手放して、シンプルで汎用性のあるものをひとつかふたつだけ選びます。

「タオル」は使う分だけでいい

以前も書きましたが、なぜか女性はタオルが好きでたくさん持っています。洗剤やキッチンツールと同じで、バスタオルやハンドタオル、キッチン用のタオル、散歩中の汗ふきタオルなど複数の用途に対応するために、いろいろ取りそろえているのかもしれません。また、ファッションやインテリアの一部として、さまざまな色柄のタオルを集めることもあるでしょう。

私が子どもの頃は、毎日学校にハンカチとちり紙(ティッシュはなかった)を持参しましたが、今は、タオルハンカチが人気なので、小さなタオル専用に、タンスの引き出しをひとつあてがうことも珍しくないかもしれません。

粗品や記念品としてもらうことが多いこともタオルの増殖にひと役買っています。実家を片づけていたら、新品なのに、使わないまま黄ばんでしまったタオルがどっさり入っている段ボール箱を見つけて、あきれた…なんて話もよく聞きます。

私はバスタオルは使わずに、フェイスタオルも2枚だけ。汗や手をふくのに使うタオルハンカチは4枚持っています。使ってその都度、洗濯するなら、タオルもそんなになくても大丈夫なアイテムです。

気づけばたまる一方の「文房具」

日本の文房具は安価なだけではなく、デザインもすてきで、使いやすいものがたくさん出回っています。筆記具の市場はとうの昔に飽和したと思いますが、今でもメーカーは、定期的に、さまざまな工夫をこらした新製品を発売しています。

ひとつひとつはそんなに高くないから、家にたくさんボールペンや付箋があるのに、売り場でかわいいものを見つけるとなんとなく買ってしまいませんか? 筆記具はタオルと同じで景品でもらうことも多いですよね。

押し入れに、使いやすい新品のボールペンがあるのに、インクの出の悪いボールペンをしつこく使っていませんか? 私も、「まだなんとかインクが出る」ボールペンやマーカーは捨てられない方です。こんなふうにして、筆記具はたまる一方。

ミニマルに暮らそうと決めたとき、私は、新品の文具は3年ぐらいで自分が使いきれる量だけを手元に残し、残りはすべて寄付しました。

今は、ノートもボールペンも、口を切ったら最後まで使いきる生活をしていますが、とても気分がいいですよ。

以上、そんなにいらないのに、無駄にたくさん持ってしまうものを紹介しました。数が増えるのは、シチュエーション別、または用途別に細かく使い分けようとするからです。汎用性の高いものをひとつだけ持って、それを使いきっていくようにすると、もっとシンプルに暮らすことができますよ。