片づく人は「買わない理由」を探す。“散らからない家”に共通する5つのポイント
「散らからない家」はなにが違うのでしょうか。「じつは買い物をするときから片づけは始まっています」というのは、ライフオーガナイザーのお仕事で散らかったおうちを訪問することが多い下村志保美さん。ここでは、片づいているおうちの人が「買わないもの」「買わない工夫」について、詳しく教えてくれました。
1:収納場所、置き場所がないものは買わない
片づいている家の人が、買い物をする前に必ず確認するポイントがありました。ものは少ないほうが片づきますので、買う前にこのポイントをチェックして、ときには「買わない」選択も検討してみてはいかがでしょうか。
買い物をするときにまず考えてほしいのは、「置き場所があるか」「収納場所があるか」ということです。
とくにキッチンは「このお鍋よさそう」「このスライサー便利そう」「このホットプレートいいなぁ」「このお皿かわいい!」と即決しがち。ひとつひとつは大きくないので油断しがちですが、それをしまう場所を確保しておかないと、あっという間にものがあふれて散らかったキッチンになってしまいます。
ものが多いと調理スペースが狭くなったり、掃除にも手間がかかったりといったデメリットが出てきますから、必ずスペースを確認してみてから購入を。
電化製品の場合は、コンセント位置も要確認です。
2:お手入れが面倒なものは買わない
たとえばお掃除ロボット、高瀬能の空気清浄機、おいしいジュースがつくれるミキサー…。これを買えば暮らしが便利になりそう! 家事がラクになる! そんな思いでポチッと注文してしまいそうですが、「お手入れ方法」を必ず確認してください。
猫が二匹いるわが家はルンバがあって掃除はラクになりましたが、そのルンバのお手入れが週に1回以上必要になりました。もちろん自分で掃除するよりは断然ラクなのですがそれでも「お手入れが面倒だなぁ」と感じてしまいます。
また以前加湿器を購入しましたが、週に1度はフィルターを漂白して…というのが面倒になり、結局手放しました。
お手入れ方法も要確認。自分がそのために時間をかけられるか、買わずにすませたほうが結果ラクになるのか、慎重に検討しましょう。
3:使用用途が限られているものは買わない
私の経験上、片づけにお困りのおうちは「◯◯専用」のものが多い印象です。
これはパスタをゆでる用のお鍋、これは卵焼き用、これは二人分のおみそ汁用で、家族全員のおみそ汁をつくるときはこちらのお鍋がちょうどよくて…。と専用の道具であふれている感じ。
もちろんその時々に合わせたお鍋を使い分けるのは用途に合っていて便利かもしれませんが、結果として収納を圧迫して出し入れしづらくなり、出しっぱなしになり、散らかる原因に。
いい意味での「妥協」が、結果的には暮らしやすさにつながります。
また洋服を買うときは「手持ちの服でコーディネートが3つ以上考えられるか」など、応用が効くものを購入するようにすると、少ない枚数でバリエーションが増え、手持ちの服が増えたように感じられます。
4:重量、音が気になるものは買わない
とくにネットショッピングで購入したものにありがちなのですが、思ったより重くて使いにくかったとか、思ったより音がうるさくて結局使わなくなってしまったもの、ありませんか?
わが家は外回りを掃除する高圧洗浄機がこれにあたります。重いのは覚悟していましたが、それでもおっくうになる重さですし、音が大きいので近所迷惑を考えるとなかなか使おうという気になれません。
ネットショッピングは便利ではありますが、こういうリスクを考えると、大型家電はまずは店舗で確認する、レンタルで試してから購入するなど、実際の使い心地を試してみるのがおすすめです。
5:処分方法が面倒なものは買わない
慎重に買い物をしていても結局使わなくなってしまった…というものが出てくるのは仕方ないと思います。私たちの生活は日々変化していくので。
ですが「手放そう」と決めたものの、じつはその処分が面倒で捨てづらく、いつまでも自宅の外に出せないので困っているケースも少なくありません。
とあるお客様はオイルヒーターを手放そうと思ったらその自治体は「中のオイルを抜いてから」がルールで、捨てられなくて困っていらっしゃいました。
またよくあるのが観葉植物やガーデニングの土。土が回収不可となっている自治体も多く、捨てたくても捨てられない。
結局オイルヒーターも土も専門の回収業者さんに依頼してなんとか手放せましたが、今の時代、買うのは本当に簡単で、処分は面倒なケースが本当に多いです。
片づけというと「捨てる」というイメージが大きいですが、じつは買い物をするときから片づけは始まっています。不要なものは増やさない、買う前に考えるを習慣づけて、散らからないおうちを目指してみませんか?