間違いなく自分宛ての郵便物なのに受け取れない――そんな「納得できない」事例が注目を集めている。

 本人限定受取の郵便物を自宅で受け取ろうとしたところ、宛名がカタカナ表記だったため、郵便局の職員から「氏名がカタカナ表記の写真つきの本人確認書類」の提示を求められた。

 しかし、運転免許証やマイナンバーカードには読み仮名の表記がなく、健康保険証も写真つきではない。結局、本人確認書類の提示ができなかったため、郵便物は差出人に返送されてしまった。なんとかならないのか――。

 そうした相談が寄せられ、総務省中部管区行政評価局は5月14日、日本郵便東海支社に対し、本人限定受取郵便(特定事項伝達型)の本人確認について

・ホームページや日本郵便の窓口、受取人に対する通知などで、受取人に交付できない事例を具体的に明示すること

・外国人の増加もあり、本人確認方法について一定の見直しをおこなうこと

 との改善要請をおこなった。この件を報じた「メ〜テレ(名古屋テレビ)」のヤフー!ニュースの記事には、5月15日15時時点で700を超えるコメントが寄せられている。

「本人限定受取郵便(特定事項伝達型)とは、おもに金融機関からキャッシュカード・クレジットカードが送付される際に使われ、犯罪防止のため、本人確認が義務づけられています。日本郵便では、本人確認書類を運転免許証、マイナンバーカードなど13種類に限定していますが、そのなかに写真つきでカタカナ表記のものはありません。

 つまり、現時点では、本人確認が必要な郵便がカタカナ表記で送られてきた場合、多くの人が郵便物を受け取れないことになります」(週刊誌記者)

 相談を受けた総務省は、クレジットカード会社に調査を実施。このようなケースで返送された件数を把握している1社は、1年あたり600件が氏名不一致で返送され、送付数の0.55%にあたるという。

「カタカナ表記だけでなく、『渡邊』『齊藤』の宛名を『渡辺』『斉藤』と記載して送ったところ、返送されたケースもあったそうです。

 住民票は2025年度以降、マイナンバーカードも2026年度以降に読み仮名が記載される予定になっています。しかし、外国人増加などの事情も含め、すでに現状に合わないという意見もあります」(同)

 Xでは、

《そもそも本人確認の方法が名前とかアナログすぎるのでは》

《カタカナ、ローマ字ともにダメなのか?時代錯誤も甚だしい》

《カードやスマホの不正取得を防ぐ意味で厳格に確認して運用してるわけで、下手に融通きかせるようなことして、不正取得されて責任問われるのは現場》

《「特定事項伝達型の本人限定受取郵便」は氏名が間違っていたらダメでしょう。何でも規制を緩和すればいい訳ではない!》

 など、さまざまな意見が飛び交っている。

 日本郵便に改善要請を出した総務省は、8月30日までに回答を求めている。