絶品釜飯がある人気中華など!わざわざ足を運びたい横浜の名店4選
グルメタウンとして長い歴史がある“横浜”の中でも、わざわざ足を運びたくなる名店を厳選してご紹介。
中華街の人気店『南粤美食』、いま話題のイタリアン『goffo』、食通たち注目の焼き鳥店『1000』、日本料理とナチュラルワインを楽しむ『おか田』。
街の歴史を背負い、横浜のこれからを担う4軒がこちら!
1.中華街で話題沸騰中の人気店で、広東料理の美味しさにひれ伏す
『南粤美食』
元町・中華街駅から「朝陽門」を抜け、「中華街大通り」に入らず、手前の斜め右の道を歩いてすぐ。「ローズホテル横浜」の対面にあり。昼夜問わず、行列ができているが、回転は早い。夜は予約すればコースが楽しめる
星の数ほどの中国料理店がひしめく「横浜中華街」。その中で絶大な人気を博すのが『南粤美食』だ。
2016年創業と界隈では比較的新しいお店だが本場そのままの味わいが、食通たちの評判を呼び、人気に。
ドラマ『孤独のグルメ』やメディアへの露出も重なり、いまや昼夜問わず行列の絶えない店となった。
オーナーシェフの黄 開雄さんは、美食の街として名高い広東省中山市の出身。
ポピュラーな焼売や春巻きなどはあえて置かず、乾物や広東スープを使った故郷ゆかりの料理がずらりと並ぶ。
「干し肉とセロリの炒め」(1,680円)は、干し肉の旨みをシンプルに味わえる塩味仕立て。
にぎり拳ほどの大きさの車エビを巻きつけてカラリと揚げた「特大車海老」1尾 990円。
プリプリ食感のエビの身と隠し味に干しガレイを包んだ一品。
ワンタンが絶品の「香港海老雲呑麺」980円。
肉と魚介の旨みが詰まった釜飯の衝撃的な美味しさたるや
「香港海老雲呑麺」や「丸鶏の塩蒸し焼き」といった名物がそろう中で、必ず頼みたいのが香港と同じ調理法で仕上げる釜飯「煲仔飯(ボウチャイファン)」。
注文が入ってから炊き上げるため、手間と時間がかかることから、なかなか出合えない逸品だ。
5種類ある味の中でも、一番人気は「腸詰め干し肉貝柱釜飯」。
香港から取り寄せた土鍋で炊く「腸詰め干し肉貝柱釜飯」1,680円。
豚、鶏ガラ、エビの殻で出汁を取った上湯スープで米を炊き、自家製の腸詰めと干し肉、北海道産貝柱をたっぷり乗せる。
味の決め手となる干し肉は、薄切りした豚肉をスパイス入りの醤油ダレでもみ込み、白酒と一緒に一晩寝かせ、屋上でつるし干しに。
干し肉はお店の屋上で天日干し!
干し肉の凝縮した旨み、腸詰めの脂の甘み、芳醇な貝柱のエキスがたっぷり含まれたお米は、まさに旨みの洪水。
甘みのある中国醤油も香ばしく、何杯でも食べたくなるほどの美味しさだ。
最低16名集まれば伝統の「お粥コース」も!
食通の間で知られるのが、最低16名から予約可能な「お粥鍋の会」。予算はひとり10,000円。食材を1種類ずつ煮込み、味を重ね、旨みが詰まったお粥でフィニッシュ!というもの
広東料理の魅力を純朴に伝える真摯な姿勢は、もはや美しささえある。
家族経営ならではのアットホームさ!
「南粤」とはオーナーシェフの黄さん(中央)の故郷、広東省南部の旧名。
店を一緒に切り盛りする、娘の悦雅さん(左)と奥様の学紅さん(右)のフレンドリーなサービスも人気だ。
【横浜の「食」トリビア】
「横浜中華街」は広東料理が多数派!
四大中国料理といえば、北京、四川、上海、広東だが、中華街のHPを見ると実に半数が広東料理!
理由は中国南部の広東省界隈は昔から海外に人を送り出す地域であったため、1859年の開港時から多くの人が来日したから。歴史に思いをはせるのもまた一興。
■店舗概要
店名:南粤美食
住所:横浜市中区山下町165-2 inビル
TEL:045-681-6228
営業時間:ランチ 11:30〜(L.O.13:00)
ディナー 17:00〜19:00
定休日:水曜
席数:1階カウンター9席、2階テーブル23席
2.予約が殺到する横浜イタリアンの人気店は笑って楽しくが正解
『goffo』
最寄りは平沼橋駅だが、横浜駅から歩くかタクシーがベター。10分ほど歩いた住宅街の一角
横浜で、いま人気のイタリアンといえば『goffo』だ。
飲食店もまばらな横浜駅から離れた立地にもかかわらず、毎月25日の昼12時に開始される予約争奪戦を勝ち取った猛者たちで連日席が埋まる。
イタリア愛に溢れた洒落た空間が、ゲストのテンションを底上げする
コンクリに差し色の黄色が映えるカウンター上段には、入手困難な生産者グート・オッガウの通称“顔のワイン”が並ぶ
ダウンライトが心地いい店内には、ナチュラルワイン好きならひと目で分かる人気の造り手のボトルが壁にズラリ。
ストック含め1,000本はあるというナチュラルワインは、入手困難なボトルでも「ほとんどそろう」という頼もしさ
グリーンが温かみを添えるセンスフルな空間に気分が上がる。
入口上にはコロナ禍に書いた店主の熱いメッセージが
各所に配された黒板には「美味しいより、楽しい!!」や「酔い夜を…!」といった茶目っ気のあるメッセージも。
それも、ワインを片手に楽しく料理を味わってほしいという、いい意味での“圧”があるから。
素材が主張する男のイタリアンは、意外な組み合わせがそこかしこに
店主の高木祐介さんが「不器用な男の優しく直球なイタリアン」と表現する料理は、潔い盛り付けで骨太な味わい。そしてどの皿も惜しみないボリューム!
ゆえに、メインもパスタも楽しみたいなら、おなかをペコペコにして行くのが鉄則。
オレンジのさわやかな酸味でシンプルに味わう「メカジキとオレンジのカルパッチョ」1,940円。
1枚200gものボリュームが圧巻。
豚バラを肩ロースで巻いてローストした「四万十豚のポルケッタ」3,700円。
2年熟成の糖度が高いジャガイモで作るニョッキは店のスペシャリテ。
この日は意外な組み合わせの「白子をのせた青海苔とトリュフのクリームソース」3,000円。
ナチュラルワインブーム以前から付き合いのある酒店やインポーターから仕入れており、都内では品薄な1本に出合えることも。たくさんのボトルからおすすめを提案してくれる。グラス 1,000円〜、ボトル 5,500円〜
グラスを頼めば、5本、時には10本と並べてくれて、会話しながら決めていく。
とにかく、空間も交流も料理も、全部楽しく、だから飲み過ぎてしまう。そのシンプルな魅力に魅せられ、今日も腹をすかせたワインラバーが集ってくるのだ。
兄弟みたいに仲の良いスタッフがおもてなし
横浜市生まれの店主の高木祐介さん(中)とスタッフの方々。
高木さんは、横浜の人気店『トラットリア フランコ』で腕を磨き、2016年に独立。
【横浜の「食」トリビア】
横浜イタリアンは、より強固な時代へ
元町・中華街『SALONE 2007』や馬車道『la Tenda Rossa』など、横浜には実力派も老舗もひしめき合う。
大箱も多く、現在はそこで実力をつけたシェフ(『goffo』の高木さんもそのひとり)が店を出し、人気に。横浜のイタリアンシーンはより磐石に。
■店舗概要
店名:goffo
住所:横浜市西区浅間町1-2-6 ハイズ横浜 フェリーチェ 1F
TEL:045-620-7077
営業時間:【月・木〜土】17:00〜(L.O.22:30)
【日】15:00〜(L.O.20:30)
定休日:火曜、水曜
席数:カウンター4席、テーブル28席
3.焼き鳥に魅せられた若き大将こそ、食通が横浜へと足を運ぶ理由
『1000』
店は雑居ビルの3階。コの字型のカウンター10席のみで、各所にゆとりのあるレイアウト。漆黒の空間に白木のカウンターが浮かび上がる
15歳から焼き鳥ひと筋という圧巻の経験値で横浜に新風を吹かす
焼き鳥界の若き才能が話題を呼び、いま都内から食通が訪れている『1000』。
まさに、“焼き鳥界の申し子”である千田健介さん。10代の頃から修業の傍ら、全国の有名店に通い、美味しい焼き鳥を研究してきた。『鳥しき』や『南青山 七鳥目』などに感銘を受けたという
店主の千田健介さんは、現在28歳。調理師専門学校に通っていた10代から、名店『里葉亭』にアルバイトで入り、系列店『美鶏』も含め、10年腕を磨いた。
「とにかく焼き鳥に目がない」という千田さんは、興味の赴くままに焼き鳥の世界に没頭し、経験値を上げ続けてきた。
心から惚れ込んだ「神戸高坂鶏」を縦横無尽に調理していく
そんな、千田さんが独立に当たって選んだのが「神戸高坂鶏」だった。
食した際に、その美味しさと“皮と身の一体感”に感銘を受け、養鶏家の高坂英樹さんへ取引を直談判。独立を踏まえた事業計画書を準備し、プレゼン。その熱意が通じ、取り扱いを許された。
融点が低い「神戸高坂鶏」は遠火と近火の2台の焼き台を駆使し、絶妙な火入れで仕上げ。
「神戸高坂鶏」ならではの皮目のパリッと感と身の一体感が最も感じられる「胸肉のねぎ間」 。もも肉と間違うほど旨みが強く、塩のミネラルが味を鮮烈に引き立てる
コースの1本目は、真骨頂ともいえる「胸肉のねぎ間」からスタート。
「つくね」には脂の美味しさが凝縮。削り立てのトリュフと卵黄でいただく
途中、つくねにはトリュフを削ったり、サラダを鳥の巣に見立てたりと茶目っ気たっぷり。
3年熟成のパルメザンチーズがかけられた「鳥の巣に見立てたサラダ」。
「もも肉タレ」はシンプルな醤油ダレを使って、香ばしく仕上げている。
〆のおにぎりはバターでしっかり香り付け
〆は3種類から選べる。
鶏油香る「焼きおにぎり」は、バターを炭で溶かして仕上げ。パリパリののりを巻いてパクリと食べる。
すべて「おまかせコース」(13,500円〜)より。
ワインはカリフォルニアやブルゴーニュ産のものが多く、日本酒はプレミアム酒が中心。グラスワイン 1,500円〜、日本酒1合 1,200円〜
さらに、千田さんはソムリエと酒ディプロマの資格を有しているため、ワインと日本酒のペアリングも抜群。
『1000』があるのは関内駅北口の飲食店が密集したエリア。高級店も大衆店も混在し、夜になると近隣のオフィスワーカーでにぎわいを見せる。馬車道駅や日本大通り駅からも近い
焼き鳥界の新たなスターの情熱を、ぜひ体感して欲しい。
【横浜の「食」トリビア】
「予約困難店」が横浜にも続々誕生中
横浜の予約困難店といえば、有名どころでは、鮨『なか條』などがあるが、今回の取材の最中に聞こえてきたのは、鮨『広典』や『鮨つぐ』、和食『菅井』、イタリアン『イナカーザ』など。
いずれのお店も値段に比べて食材が上質なのが人気の理由。
■店舗概要
店名:1000
住所:横浜市中区相生町2-52 金子ビル 3F
TEL:045-307-9666
営業時間:[一部]18:00〜
[二部]20:40〜
定休日:日曜
席数:カウンター10席
4.ナチュラルワインの魅力を伝え続ける横浜で、話題の日本料理店がここに
『おか田』
店の中央に設えたゆったりした木のコの字カウンターが印象的。シンプルな内装に格子窓の美しい細工がアクセントになり、さりげなく和の趣をちりばめた洗練された空間が広がる。料理は9〜10品のコース(19,800円)のみ
横浜でナチュラルワインといえば、必ず名前が挙がる一軒。東京でも珍しい日本料理とナチュラルワインの店を営むのが店主の岡田邦晴さんだ。
15歳から鮨店で9年働き、日本料理、旅館、ホテルを渡り歩き、その後スイス、イタリアへ。2014年にイタリアでナチュラルワインに出合い、その美味しさにハマった。
「それまで和食に高いワインやお酒を合わせることに疑問を感じていたんです。かといって、日本酒一辺倒だと飲み疲れする。初めてナチュラルワインを飲んだ時に、これなら和食に合うと確信したんです」
丁寧にとられた出汁の旨みがワインと抜群に寄り添う
コース料理はその日の仕入れに合わせて献立を考え、贅沢な食材の間に素朴な料理を入れながら食べ疲れしない構成に。
出汁の使い方に定評があり、どの料理も実に香りが立つ。鎌倉の「鈴木屋酒店」から仕入れるワインは常に20種前後抜栓。
料理との相性とゲストの好みを捉えた柔軟なペアリングが楽しさを増幅させる。
〜スタートは滋味深い温かな一品とバランス抜群の白〜
寒いこの時期の1品目として、胃袋が温まる「自然薯餅と滑子の摺り流し」が登場。天然の自然薯の土っぽい滋味に、山形のなめこの濃厚な香りと旨みが重なる。
乾杯の一杯はラビアンカーラの「サッサイア」1,050円(以降すべてグラス価格)。ガルガーネガの華やか過ぎず地味過ぎないバランス良好な味わいが、風味豊かな料理を引き立てる。
〜“酔っぱらいエビ”の旨みをジュラの繊細な酸が包み込む〜
「牡丹海老ベッキオ・サンペーリ漬け」は釧路産の牡丹エビを、マルサラ酒の原型である「ベッキオ・サンペーリ」に4時間漬け込み、フルーティーさと、熟成させたねっとり感とフレッシュ感を絶妙に表現。
“酔っぱらいエビ”の芳醇な味にジュラ産の「メメ・マリー」(1,300円)のバター感が寄り添いつつ、シャルドネとサヴァニャンの繊細な酸が包んでくれる。
〜白味噌仕立てのお椀に自然派のシャブリが寄り添う〜
中盤に登場するお椀は「蓮根豆腐と蕪蒸しの白味噌仕立て」。西京味噌のまろやかな味わいと、甘く香ばしい加賀蓮根の蓮根豆腐の揚げ出しにほっとする。
ブルゴーニュのシャトー・ド・ベル「シャブリ・クロ・ベル・モノポール 2018」(1,500円)は熟した洋梨のようなフレーバーで、自然派のシャブリらしい主張のない味わいが、お椀の出汁に寄り添う。
互いの味わいが増幅するお手本のような合わせ
〜鮟肝×奈良漬とメルローが奏でる艶美なフレーバー〜
土佐煮にした余市産の鮟肝と3年熟成の奈良漬を最中で挟んだ「鮟肝と奈良漬最中」。
酒を呼ぶ逸品に合わせるのは、鮟肝の産地と合わせた余市のワイナリー「ドメーヌモン」のメルロー「Montrlot」1,100円。
鮟肝のリッチな味わいと奈良漬の熟成香に、メルローのグラマラスなエレガントさが溶け合い、口から鼻に抜ける妖艶なフレーバーにうっとり浸れる。
〜海苔の芳醇な旨みとガメイのミネラル感が合う〜
店主が「海苔を食べてほしい」と考案した「ふぐ白子と有明海苔の玉地蒸し」。
福岡県「成清海苔店」から取り寄せた有明海苔は、磯の香りと旨みが凝縮。玉地蒸し、白子と海苔が三位一体となった旨みを楽しめる。
ジュリアン・ギュイヨの「マコン・ルージュ キュヴェ」(1,550円)が持つガメイの土っぽさとミネラル感が海苔の風味を引き立てる。
〜猪肉と力強いクレソンに負けない濃厚な東欧の赤〜
終盤に登場する「猪と天然クレソンの鍋」。
獣臭さがなく旨みが濃厚な「備後ジビエ製作所」のドライエイジング猪を鰹だしで火入れし、味の強い神奈川県産の天然クレソンと味わう冬のご馳走。
スロバキアの赤「ボット フリジェ」(1,100円)は、ケックフランコシュの品種特有の存在感ある果実味がクレソンの青さに合い、猪の脂をキュッと締めてくれる。
世界中から生産者が訪れている!
壁には店を訪れたワインの生産者たちが書いたサインも。造り手の思いやバックストーリーを交じえた岡田さんのワインの提案も、ここでの楽しみのひとつになっている
食材やワインへの敬意を忘れず、日本料理の型にはまらないセンスは同業者をも引きつけ、都内の有名シェフも訪れる。
サプライズに満ちた美味なる夜が、ここにある。
ビル裏手に店の入口があり隠れ家感が満載。
アクセスは横浜駅西口から徒歩7分、タクシーなら5分弱。「沢渡中央公園」の目の前のビルの2階。周囲には飲食店が少ないエリアなので不安になるが、突き進んで
【横浜の「食」トリビア】
ナチュラルワインシーンが徐々に広がりつつある
勢いが止まらないナチュラルワインブーム。
いち早く横浜で取り入れた『おか田』や『goffo』、『ムー』は地元の愛好家たちも認める3大店だが、ここ数年は居酒屋やバーなどにも裾野が広がり、横浜でもワインは“自然派”が増加の一途に!
■店舗概要
店名:おか田
住所:横浜市神奈川区沢渡2-4 YSビル 2F
TEL:045-624-8703
営業時間:【月〜土】17:30〜22:30
【日】12:00〜16:00
定休日:不定休
席数:カウンター9席
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