料理は毎日のことだからこそ、できるだけラクしたいもの。「ちょっとした工夫で、ぐっと時短できるようになりました」と話すのは、暮らしのプロ・ライフオーガナイザーの高田舞子さん。自身が実践する「食卓の工夫」を語ります。

野菜をあらかじめ洗っておく、切っておく

毎日家族の食事をつくるのは、負担が大きいもの。とはいえ、しっかりつくりたい気持ちもありますよね。少しでも時短になって気持ちもラクに、料理への心理的負担を減らすために私が意識していることを紹介します。

夫が単身赴任中のわが家は普段、小学生とふたり暮らし。食事もそれほどの量を用意する必要はなく、野菜は一度に使いきれないことのほうがほとんどですが、包丁を使うときに野菜はすべてカットするのが基本。献立に必要な量ではなく、ニンジンは1本すべて、タマネギも1個すべて、切り刻みます。

小分けにして「冷凍保存」すれば、時短にもなる

タマネギやキャベツ、ニンジンやキノコなどを冷凍しておくと、みそ汁やスープにポイポイと入れられてラク! みそ汁は毎日のように食べるわが家ですが、そのためだけに包丁を出してカットするのは面倒。冷凍庫からパパっと出せる冷凍野菜は、時間だけでなく気持ちの負担も軽減してくれています。

ショウガも使いきれないまま傷むことが多いので、みじん切りや千切り、スライスなどいくつかの方法でカットし、小分冷凍しています。野菜に限らず、油揚げやちくわもカット冷凍の代表選手。

ビニール袋で「冷蔵保存」すれば、家事もラクに

ホウレンソウやコマツナなどの葉もの野菜は、半分をその日の献立に使い、残り半分は洗ってから適度にカットし、ビニール袋にキッチンペーパーと一緒に保存しています。野菜から出る水分をキッチンペーパーが吸収してくれるので、数日置いていてもシャキッとしています。

タッパー容器からビニール袋での保存に変えたことで、洗いものもなくなり庫内も省スペースに。さらに、使い終わった袋は生ゴミ用に使えて、一石三鳥になりました。

ミニトマトやイチゴは洗ってからヘタを取って容器保存。食べるときには洗わなくていいので、そのままお皿に盛れます。

ゆでる、蒸す、漬けるの「シンプルな調理」で十分

調理とはいえないような、ただゆでる、蒸す、漬けるなどの副菜を常備しています。ゆで卵、ゆでトウモロコシ、キュウリやニンジンの酢漬け、塩キャベツ、塩ブロッコリーなど。

キャベツはふたり暮らしでもひと玉で買う野菜です。買ってきた日は何枚かはいで千切りにし、塩キャベツに。少量のオイルを混ぜることでまとまりやすく、オリーブオイルだと洋風に、ゴマ油だとナムルのようになり、七味やユズコショウなどで味変も可能。

サラダはもちろん、つけ合わせにもなりますし、お弁当のすき間に入れることも多々。数日経過して火をとおしたい場合は炒め物やみそ汁に入れます。芯に近い部分はお好み焼きで食べ尽くすのが、定番の使い道になっています。

「同じ野菜の別アレンジ」を同時につくる

同じ野菜の別アレンジを同時に下ごしらえすることも定番。

ホウレンソウの場合、ゆでた半分はしょうゆ×カツオ節であえて、その日の夕食のおひたしとして。残り半分はゴマ油×塩であえて、翌日以降にナムルとして食べます。

キュウリの場合、2/3は酢漬け、残り1/3は浅漬けに。冷凍ショウガと塩と一緒にビニール袋に入れ、手でもみもみ。お弁当に添える立派な一品になっています。

ニンジンの場合、半分は酢漬け、半分はキンピラや切り干し大根などに。

60%の前倒し!シンプルな仕組みで負担減

ニンジン、キュウリの酢漬けと塩キャベツをつくったこの日の夕食は豚しゃぶ。ここにホウレンソウのおひたしを添えて、ワンプレート+ご飯+みそ汁でした。

また、翌朝用意したお弁当はこちら。ホウレンソウのおひたし、酢ニンジン、浅漬けに卵焼きと焼肉を加えたのみですが、いろどりも品目も十分なお弁当になります。

このように、洗うだけ、切るだけ、ゆでるだけ、漬けるだけ、などシンプルな行程は深く考える必要がないので、出勤前やすき間時間でも手軽に取りかかれます。

「つくりおき」という100%を目指さず、「下ごしらえ」という60%を意識するだけで料理の負担は軽減できますよ。