住宅密集地でも、周囲の視線をカットできる目隠しフェンスを設置すれば、快適な毎日を過ごすことができます。後悔しないために、高さと板間隔(板同士の隙間)はじっくり検討を。1年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、絶妙なサイズにたどりつきました。念願の「カーテンをあけていても、気にならない家」を実現。ウッドデッキでバーベキューをしていても、目が合うことはありません。

カーテンをあけていても、気にならない家を建てたい

筆者は、妻と子ども3人(6歳、4歳、2歳)の5人+3匹のネコと暮らしています。昨年、上の子の小学校入学に合わせ、ハウスメーカーで注文住宅を建てました。

家づくりでは、実現したいことがいろいろありました。その1つが「カーテンをあけていても、気にならない暮らし」です。そのことを実現するために、LDKに面した南面の窓の外に、ウッドデッキをつくるのと同じタイミングで、外からの視線をさえぎるための目隠しフェンスを設置しました。

外からの視線をさえぎって、室内のプライバシーを保ちたい目隠しフェンス。もし圧迫感があると、気持ちよくありません。そこで、プライバシーを確保しつつ、外への視界の抜けを確保できるよう、さまざまなパターンを検討しました。

難しい作業でしたが、結果的に絶妙な高さと板間隔の目隠しフェンスができました。実際に住んでみて、カーテンをあけて過ごせる、快適な暮らしを実現できています。さっそく、詳しく紹介します。

 

わが家の目隠しフェンスは高さ2300mm、板間隔15mm

さっそくですが、わが家の目隠しフェンスの「高さ」と「板間隔」を紹介します。

素材はサイプレス(豪州ヒノキ)というハードウッドを採用しました。高さは地面から2300mm。目隠しとなる板は、幅115mmです。この板を15mmの隙間をあけて張っています。

フェンスの高さを2m以上にした理由は、フェンスの裏にウッドデッキがあるからです。ウッドデッキに立っても、外から見えない高さを検討し決めました(ウッドデッキの高さ分、高さが加わる)。

ハウスメーカーから提案された高さは1800mm

ハウスメーカーとの打ち合わせで、フェンスの高さを検討していると、とくに根拠もなく「高さはとりあえず1800mmくらいですかね、2000mmは高すぎるかもしれませんし」といった話が出てきました。

ハウスメーカーの担当者は、多くの家を設計しているので、一般的によく採用される高さを教えてくれたのです。しかし、人によって身長も違うし、目隠ししたい高さも違います。

筆者としては「ウッドデッキで立ってバーベキューをしていても、外から見えない高さ」が必須でした。それに基づいて計算し、地面から2300mmに決定しました。デッキの床の高さは550mmあるので、デッキに立つと1750mmの高さになります。

もし担当者の提案どおりに1800mmにしていたとしたら、デッキの床面からフェンスの上部までは1250mmの高さ。きっと外からも見えしまい、目が合ってしまうこともあったでしょう。

 

設計の連絡ミスで、板間隔30mmの見え方も確認できた

ハウスメーカーの担当者の話では、目隠しフェンスの板間隔は10〜30mmが一般的とのこと。筆者もいろいろ調べて、目隠しフェンスの板間隔は15mmで依頼していました。

しかし引き渡し前に現場を見学した際、数枚張られた板を見ると、なにか違和感が。まさかとは思いましたが、持参したメジャーで計測してみると、なんと板間隔30mmで施工されていたのです。

設計士さんの指示間違いだったことが判明したので、すぐに修正してくれましたが、注文住宅は最後の最後まで、自分たちの想像どおりにできているか注意が必要だと痛感。

ただ、このことで思いがけず、板間隔30mmだとどう見えるかも、確認することができたのです。

室内外からでも板間隔30mmと15mmには大きな違いが!

間違って取りつけられた板間隔30mmの目隠しフェンスと、完成した板間隔15mmのフェンスを比較すると、室内からも外からも見え方がだいぶ違うことが判明しました。

 

●室内からの見え方の違いは?

上の写真の左側『隙間「3cm」Ver』は、板間隔30mmで張られていたときに撮ったもの。目隠しフェンスは数枚しか張られていないので、正確な比較はできません。しかし、右側の『隙間「1.5cm」Ver』と比べると、フェンスの奥の様子がよく見えるのがわかると思います。

実際、肉眼で見ると板間隔30mmでは、鮮明に奥のクルマや道路の状況がわかりました。それと比べると、板間隔15mmでは、ハッキリとは見えません。圧迫感もそれほど感じません。しかし、外の様子を感じることはできます。

 

●外からの室内の見え方の違いは?

次は外からの見え方です。『隙間「3cm」Ver』の場合、道路から何気なく家を見たとしても、隙間から室内の様子がわかります。

それに対して『隙間「1.5cm」Ver』では、道路から見ても、中の様子はほとんどわかりません。室内の様子を見るには、近づいてのぞきこまなければいけないほどです。

設置して半年、この高さ&板間隔にして後悔なし

目隠しフェンスが完成してから半年以上経過しましたが、今のところこの高さ、板間隔にして後悔はありません。写真のようにリビングからは、空だけでなく山の緑も眺めることができます。

外からの視線も十分にさえぎられて、注文住宅をつくると決めたときから目標にしていた「カーテンをあけての暮らし」が実現できました。