アロマオイルで簡単「トリートメントオイル」と「虫よけスプレー」。体にも地球にも優しい
持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。今回のテーマは「心と体、地球に地球に優しいアロマオイル」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんが詳しくレポートします。
心と体を整えることもSDGsなんです
「SDGs、SDGsって言うけど、いったいなにをやったらいいの?」
私がもっともよく聞かれる質問です。
日本ではSDGsの認知度は90%を超えています。でも、言葉は知っているけど、なにをやったらいいかわからないという人がまだまだ多いのではないでしょうか。「このままいくと地球がもたない」ということが、いまいちピンときていないのかもしれません。温暖化がこのまま進むと数10年後には住めない地球になるかもしれないのです。
そんなこと言われても、目の前のことで手いっぱいで、未来のことやほかの人のことを考える余裕はない…時間に追われストレスをためがち、という方も多いと思います。たしかにそうかもしれません。であれば、まずは自分の「心と体」を整えることから始めませんか?
1か月ほど前、番組のロケで山の中でほぼ一日過ごしたことがありました。仕事とはいえ、たくさんの木々に囲まれ、スマホを手放し自然の中に身をおくことで、とてもリフレッシュしました。
野生のキウイフルーツは自分でもいで食べました。木々に囲まれていると過密スケジュールで疲れきっていたはずが、いつのまにか元気になっている自分がいました。人間って本来はこういう環境で生活していたんだと気づかされました。
自然の香りを簡単に取り入れられる「アロマ」を体感
とはいえ、もっと自然の中で過ごしたいと思っても、なかなかそうもいきません。
そこで、あのとき味わった自然の香りを日常生活に取り入れられないかと調べてみると、自然由来の香り(アロマ)を五感で体験できる場所があると知り、さっそく行ってみることに! その名も「AEAJグリーンテラス」。
国産のヒノキでできたすてきな建物は隈研吾さんの設計によるものだそう。中に入るとウッディな色調のオシャレな空間にやさしい香りが広がっています。
世界中から集めた植物由来の香り成分=アロマオイル(精油)が約300種類あって、いろいろ試すことができます(体験のみで精油の購入はできません)。
樹木由来のものなら、ヒノキやヒバ、サイプレス、シダーウッドなどのアロマオイルが気分をリフレッシュ&リラックスさせてくれると教えてくれました。
その後、早速専門のお店へ行っていくつか精油を購入。使い方は簡単! ティッシュペーパーやハンカチに1〜2滴垂らして(振らずに斜め45℃に傾けて)デスクや枕元に置くだけでもいいですし、アロマポットやアロマディフューザーを使ってもOK。濃縮されたものなので、そのまま肌につけたりすることは厳禁です。
手づくり「アロマトリートメントオイル」のつくり方
アロマトリートメントオイルやスプレーは自分でつくることもできるということで、日本アロマ環境協会(AEAJ)の方に“レシピ”を教えてもらいました。
まずは、最近乾燥が気になるので保湿オイルづくりに挑戦! 準備するものとつくり方は以下です。
●アロマトリートメントオイル
【材料(約25mL分)】
植物油 25mL お好みの香りの精油 顔用は2滴/ボディ用は5滴【つくり方】
(1) ビーカーに植物油とお好みの精油を入れ、ガラス棒でよくかき混ぜる。
(2) (1)を遮光ガラスボトルにうつす。
今回は大好きなラベンダーでつくってみました。理科の実験みたいで楽しい! そして、アッという間に完成。これをお風呂に数滴入れると幸せな気分になれます。
女性の特有の更年期のお悩みにおすすめはローズとゼラニウムということで、こちらもつくってみました。
自然由来で体に優しい「虫よけスプレー」のつくり方
また、虫よけに効果が期待できるスプレーも興味があったので試してみることに。
●虫よけ効果のある「アロマスプレー」
無水エタノールや精製水はドラッグストアでも購入できます。精製水は水道水でも代用可能です。
【材料(スプレー容器50〜60mL用)】
無水エタノール 5mL 精製水もしくは水道水 45mL お好みの香りの精油 20〜50滴【つくり方】
(1) スプレー容器に無水エタノールを入れる。
(2) (1)に精油を加えよく混ぜる。
(3) 精製水を加えてよく振って混ぜて完成。
精油は以下を参考に用途によって選んでください。
・ゴキブリ:レモングラス・シトロネラ・ペパーミント
・コバエ:ヒノキ
・トコジラミ:オレガノ
・ダニ・抗菌:ユーカリ
・ダニや蚊:シトロネラ・ペパーミント
※こちらの情報は以下を参考にしました。
日本アロマ環境協会ニュースレター「天然の香りで虫対策!アロマのトコジラミに対する忌避作用」
トリートメントオイルも、虫よけスプレーも簡単にできました。
なお、安全にアロマテラピーを楽しむためには以下の点にご注意ください。
・精油の原液を直接肌に塗らないでください。(必ず薄めて使用し、使用量を守る)
・刺激を感じたら、使用を中止しましょう。
・精油やスプレーはお子様やペットの手の届かない場所に保管。
・手づくりしたスプレーやオイルは涼しいところに保存し、1カ月程度を目安に使いきりましょう!
▼詳しくはこちらをご確認ください
アロマテラピーを安全に楽しむために(日本アロマ環境協会(AEAJ))
※アロマオイルは天然成分100%のものを選び、妊娠初期の人や赤ちゃんのいる家庭では使用を避けてください
※肌に直接触れるものは、使う前に必ずパッチテストをしてください。腕の内側に少量つけて半日ほど様子を見て、異常を感じたときは、すぐに中止して洗い流すこと。湿疹やかゆみが消えない場合は、すぐに医師の診察を受けてください
アロマはリラックス効果があるだけでなく「エコ」
アロマは、アロマテラピーという言うように、“なんとなくリラックス”ということではなく、「テラピー」つまり古くから治療として使われてきているものなのです。
日本アロマ環境協会(AEAJ)の方に聞いたところ、香りは鼻から入って、すばやく脳に刺激を与えるそうです。なので、自律神経や心身のバランスを整えてくれるという研究結果が出ています。ナチュラルな香りを使った自然療法ともいえるでしょう。
今回いろいろと体験してわかったことは、アロマは生活の中で上手に取り入れると、リラックス効果があるだけではなく自然由来なので安心して使えるうえ、じつはエコ! ということ。精油自体、捨てられるフルーツの皮や花、樹木などから抽出しているものも多いですし、使う分だけつくればいいからコスパもよし。
市販のものを買うより容器の数も減ります。ちなみに、精油のボトルも回収・リサイクルされていることを知りました!
日々の生活の中で、ちょっと疲れたなぁというときは、ルームスプレーをシュッとして気分をリフレッシュ、また、肌のケア用に自分でつくったアロマトリートメントオイルを使うようになって乾燥が和らいだと感じています。
みなさんも忙しい日常に自然由来の香りを取りいれてみてはいかがですか? ナチュラルなものを使う=SDGsにも大いに貢献できます。