フィギュアスケート界に最大の衝撃!“4回転の神”、両親が見た天才の片鱗「ある日彼が“試したい”と言って…」

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現地時間11月3日(金)より開催されるフィギュアスケート・グランプリシリーズ第3戦フランス大会に、“4回転の神”の異名を持つアメリカのイリア・マリニン(18歳)が出場する。

昨シーズン、人類初の4回転アクセルを武器にフィギュアスケート界に最大の衝撃をもたらしたマリニン。

グランプリファイナルでは4種類5本の4回転ジャンプをすべて着氷させ、底知れないポテンシャルを見せた。

世界王者・宇野昌磨も「ヤバいですよ彼は! 彼にとって4回転アクセルはそれほど難しいジャンプだという感覚はないと思います」と舌を巻く存在だ。

その素顔を知るため、アメリカ・バージニア州にある彼の自宅を訪ねた。

◆“4回転の神”の意外な素顔

マリニン:「ようこそ、どうぞ入って。ここが僕の部屋です」

案内してくれたのは、マリニンの部屋。

壁には友人が描いてくれたというマンガのキャラクター、さらにポケモン柄のTシャツも。所々に日本好きな一面が垣間見える。

ほかにもスケートボードやサッカーボールが飾られ、好きな選手を聞いてみると「メッシ、ロナウド、ネイマール…たくさんいます」との答え。リンクを離れれば “4回転の神”も普通のティーンエイジャーのようだ。

そして、書斎には数えきれないほどのメダルやトロフィーがディスプレイされていた。

ディレクター:「全部あなたのメダル?」

マリニン:「両親のメダルも僕のメダルもあります」

マリニンの両親、ロマンさんとタチアナさんは、ともに元フィギュア選手。どちらもオリンピックに出場経験があり、マリニンが幼い頃からスケートを教えてきた。

ディレクター:「4回転アクセルはご両親の提案だったいうのは本当ですか?」

父:「私たちはただ冗談で話していただけです。『跳べたらクールだよね』と。まさか成功できるとは。ある日彼が『試したい』と言って…」

母:「私は目を閉じました。ケガをしないか心配で。4回転アクセルはとてもパワーが必要だから、着氷時にどれくらい衝撃があるかわからなかった。最初は本当に怖くて目を閉じて『どう…?』と」

ディレクター:「元選手だからその危険がわかるんですね?」

母:「そうです。だから私は目を閉じました。私には見ているだけでも辛すぎて」

ディレクター:「そこまで心配されていたとご存じでしたか?」

マリニン:「はい。大会ではいつも心配してくれます。リンクの上から見えますから。両親ですからね」

ディレクター:「両親がオリンピック選手だということをどう感じていますか?」

マリニン:「大きなことです。僕の目標もオリンピックだから、2人をお手本にして僕も1回2回と出たいと思います」

両親に見守られトップスケーターに成長したマリニン。そんなフィギュアスケート一家の「絆」と「愛情」を深く知ることができた。

世界歴代4位となる合計310.47点で圧勝した初戦アメリカ大会に続き、フランス大会でどんな演技を見せてくれるのか注目だ。