喫緊の“交通‧移動”課題に対する取り組みや実装プランを3社1県合同で発表!NearMe『“シェア乗り”構想』発表会

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独自のAIを活用しシェアによって「おトクで、スムーズ」な移動体験を提供する株式会社NearMeは2023年10月19日(木)、ベルサール六本木にて、報道関係者向けに喫緊の“交通‧移動”課題に対する実装をテーマとしたNearMe『“シェア乗り”構想』発表会を実施した。今回の発表会では、日の丸交通の富田社長も登壇。タクシー会社としての考えや、シェア乗りを事業展開する事業者としてNearMeがどのように潮流をとらえているか、“交通・移動”課題に対する実装プランを3社1県が合同で発表した。

■「三方良し」のモデルをつくり、持続可能な社会の実現したい
発表会は、株式会社NearMe 代表取締役社長 高原幸一郎氏の挨拶から始まった。
※高原幸一郎氏の「高」は新字

株式会社NearMe 代表取締役社長 高原幸一郎氏

高原社長は前職の楽天にいた頃、海外で勤務していた。日本には豊富な地域資源があるのに「もったいない」ことが多く、今後は日本の地域活性化に貢献したいという思いで日本に帰国。地域課題でも特に深刻なドアツードアの移動問題に取り組むことで「住みたい街に住み続けられる社会の実現」を目指し、2017年株式会社NearMe(ニアミー)を創業。2018年からシェアリングエコノミーのMaaSサービス、AIを活用した「移動のシェア」サービスを複数展開している。

同社の目的は、『移動の「シェア」で社会問題の解決を目指す』ことだ。
日本のタクシーには、「乗りたいときに乗れない」「配車アプリでもつかまらない」「終電・終バス後の待ち時間がつらい」などの課題がある。また高齢者などの移動弱者は、自家用車やタクシーがないと、買い物や病院に行けないなどの課題がある。

現在、少子高齢化によりタクシードライバーが不足しているのに加え、インバウンドの急回復により、タクシー業界は需給のバランスが崩れている。解決策のひとつとして、「ライドシェア」が挙げらるが、日本のライドシェアは「白タク」の解禁であり、一度に一組のお客さんを乗せることが前提とされる。輸送量を増やすには、ドライバーの数を増やせばよいが、お客さんを乗せずに空気だけを運ぶ車両が増えてしまう。
高原社長が構想する“シェア乗り”は、ひとつの車両で複数組が相乗りすることで、資産の有効活用と効率化がはかる。



“シェア乗り”のビジネスモデルとしては、まずは需要と供給の両サイドのマッチングプラットフォームを提供する。ユーザー側は、シェアだからおトクな価格であり、乗り継ぎ・荷物の負担がない。また運行会社は、新規乗車数の増加による需要創出に加え、新規乗車数の増加により配車効率を高められる。バスとタクシーの“いいとこ取り”の新たな移動サービスというわけだ。

具体的なサービスとしては、現在、エアポートシャトルを提供している。自宅・ホテルと空港をドアツードアでつなぐサービスであり、だいたいのエリアであれば、定額1,980円/人〜で、羽田空港便を提供している。1人でタクシー利用するよりお得であり、定時・定路線のバスより柔軟性がある。今後の展開としては、日本の各エリアの地元のタクシー会社と提携し、自宅から最終目的地まで一気通貫の移動体験を提供する。全国15空港で多言語展開することにより、旅行者の80%以上のカバレッジが可能だ。

同社は単なるモビリティーのスタートアップではなく、「人と地域に寄り添う デザインカンパニー」だ。遊休資産洗剤資源という今ある「もったいない」を解消し、未来の可能性へとつなげるために、ヒト・モノ・コトを有機的にマッチングするテクノロジーを活用し、地域価値の活性化や想像、そららをつなぐ藻日rひてぃの持続性を世の中に実装していく。

「人と地域に豊かさを紡ぎ、未来を拓く。」をビジョンに、『暮らしの「もったいない」をなくし、「次のあたりまえ」をつくる。』をミッションとして、エアポートシャトルで構築したプラットフォームを、トラベルシャトル、バスケ・サッカー/ゴルフシャトル、地域シャトルなど、様々な利用シーンに展開する構えだ。



株式会社NearMe 代表取締役社長 高原幸一郎氏は、
『NearMeは暮らしの「もったいない」をなくし、次の当たり前をつくっていきます。移動についても「もったいない」を解決することで、ひとりでも多くの方が自由に移動ができ、住みたい街に住み続けられる社会を実現いたします。「まだひとりで乗っているの?」という雰囲気をつくりまして、「シェアが当たり前だよね」という行動変異を起こします。そして、そのような世界を“シェア乗り”で実現しがいと思っております。その結果、住んでいる方、交通事業者、地域の皆さまが「三方良し」のモデルをつくり、持続可能な社会の実現をしてまいりたいと思います。そんなNearMeを、ぜひ、応援いただければと思います。』と語った。

株式会社NearMe 代表取締役社長 高原幸一郎氏が語る!“シェア乗り”構想への想い

YouTube:https://youtu.be/plxDp8AxQuA

■各社の“シェア乗り”に関する取り組み
引き続き、3社1県と、日の丸交通の“シェア乗り”に関する取り組みの紹介があった。

〇日本橋以外のエリアでもサービスを提供したい - 三井不動産とShareTomorrow
三井不動産とShareTomorrowは、街づくりの観点でエリア・不動産の利便性を高め、価値の向上を目指す“移動プラスαの価値がある新サービス”として、不動産MaaS「&MOVE」を立ち上げた。不動産MaaSとは、目的地情報と移動サービスを施設やエリアごとに適した形で提供する。

同社はNearMeと共同で、東京・日本橋エリア版MaaS「&MOVE日本橋」の実証実験を実施した。スマートな移動手段として、行きたいときに、行きたいところへLINEにより手軽に呼び出せる「相乗りシャトル」を提供した。さらに日本橋エリアのおすすめスポットや新しいお店、イベント、商業施設のセール情報などをLINEで定期配信した。

第1回目の実証実験では、総乗車回数は約5,000回。「&MOVE日本橋」は、ユーザーにとって便利な移動手段であることがわかった。第2回目では、需要の高いエリアに絞り込み、希望の場所で乗降可能な「オンデマンドシャトル」サービスを地域情報等の配信とともに提供し、「即時配車」と「予約配車」のサービスを用意。高齢者には、電話での予約で対応するなど、簡単な方法をトライアルで提供する。

門川氏は、
「今後についてはまだ決まっていませんが、日本橋の実証実験で乗車率を高め、“シェア乗り”をパッケージ化するのが第一目標です。願わくば、日本橋以外のエリアでもサービスを提供したいと考えています。」と語った。

三井不動産株式会社 ロジスティクス運営部 運営グループ 統括/前・株式会社ShareTomorrow MaaS事業部 プロジェクトリ 門川 正徳氏

〇タクシーを活かした“シェア乗り”の先進地へ - 秋田県
秋田県では、少子高齢化にともなう人口減少により過疎化が進み、労働者不足に悩まされている。これは同県だけでなく、他県でも同様で、交流人口の拡大による地域活性化が急務となっている。旅行ニーズの多様化や、個人・小グループ化により、移動サービスに対する要求の高度化が進んでいる。自動車の確保が難しい旅行者にとって、移動手段の確保が旅行実施の決め手となるケースもある。

同県では、路線バスの縮小・廃止が進み、観光地として機能していない地域が多く、空港や主要駅からの2次アクセスの日調整から、圏内各地でタクシーの相乗りによる2次アクセスを実施してきた。タクシー事業者が抱える課題として、運転手の高齢化や、デジタル技術導入の遅れがあり、生産性が低く事業継承にも不安を抱えているのが現状だ。インバウンド誘客への積極的な対応など、今後のサービスのあり方が問われている。

そうした状況を踏まえ、同県は2022年11月22日〜2023年2月12日(83日間)、NearMe×キングとの連携により「秋田エアポートライナー」を実施した。新型コロナウイルス感染症にかかる国の水際対策の緩和により、インバウンド誘客を見据えたデジタル上での予約・配信のUX向上をはかる狙いだ。実施内容としては、秋田空港と秋田市内の運行ルートでオンラインによる事前予約制とし、2,500円〜3,500円(現行運賃と同じ)の料金で提供した。

また2023年6月10日〜8月12日(ラベンダーまつりを含む64日間)では、NearMe×美郷との連携により「ミズモシャトル」を実施した。車利用者に限定された観光地・施設に対して、最寄りの新幹線停車駅から町内の観光地等への二次アクセスの確保、および観光客の利便性向上につながるソリューションの構築をはかる狙いだ。実施内容としては、JR大曲駅と町内3地点を結ぶ6ルートの運行ルートでオンラインによる事前予約制とし、980円、1,480円、1,980円の料金で提供した。

これら2つの実証事業を通じて、地方で“シェア乗り”を普及させるためには、都市部とは異なるアプローチが必要であり、自治体職員を含めた関係者が熱意を持って、タクシー事業者への理解を深める努力が必要だ。人手不足の解消や新たな需要の確保につながるというメリットを伝え、ここにNearMeの理念とテクノロジーが加わり、大きな変革につながることを理解していただくことがもっとも重要とのこと。

益子氏は、
「秋田県としては、2つの実証実験の継続実施に加え、県内他地域への横展開を検討しています。ライドシェアによる議論が盛んな今、NearMeとの共創により、地域の大切な財産であるタクシーを活かした“シェア乗り”の先進地となるべく、取組みを加速してまいりたいと思います。」と語った。

秋田県 秋田県観光文化スポーツ部 インバウンド推進統括監 益子 和秀氏

〇すべての人に移動の自由を - ウエインズトヨタ神奈川
ウエインズトヨタ神奈川は、神奈川県を主な販売エリアとする、トヨタ自動車の正規ディーラーだ。輸入車事業、自動車買取事業、通信事業、警備事業など幅広いサービスを提供している。2022年7月には、地元のプロバスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ」をグループに迎え入れ、スポーツを通した地域の一体化、将来を担う子供たちの健全な育成等これまで以上に地域に寄り添った企業活動に取り組んでいる。

スポーツ観戦は、健康な人・活動的な人・若い人とのイメージが強い。しかし、妊娠期の女性・乳児連れ・障害を持つ人・高齢な人にも観戦の権利はある。
横浜ビー・コルセアーズ ホーム試合へのアクセシビリティとしては、最寄り駅の北山田駅からは徒歩6〜8分だが、階段がある。バスは、センター北駅から約10分だが、ピークタイムに運行が少ない。タクシーは新横浜駅から約30分、横浜駅から約40分であり、周辺でピックアップ可能な車両が少ない傾向にある。自家用車は、駐車場が少ないことから来場非推奨としている。
同社が目指す世界は、「すべての人に移動の自由を」だ。

そこで、10月21日(土)横浜ビー・コルセアーズ VS 琉球ゴールデンキングス戦限定で、NearMeとTOYOTA CONIQによるシェアタクシー、HELLO CYCLINGによるシェアサイクルを実施し、移動の手段を提供する。シェアタクシーでは、NearMeのシステムを利用して、運行は地元のタクシー会社である三和交通に依頼する。おトクにタクシーを利用できるうえ、小さな子ども連れの人でも、暑い日や雨の日でも安心だ。同社とTOYOTA CONIQは、全体の統括と告知の支援、サイトの告知や広報をおこなう。

宮石氏は、
「スタジアム自体の環境を整備することは、日本のスポーツ産業で盛んにおこなわれていますが、まだ財務的な余裕がないところでは、大型のインフラ投資は難しい現状がございます。ですので、多様なモビリティの選択肢を一緒に提供し、地域のステークホルダーの皆さまや、事業外のステークホルダーの皆さまと共同で解決する、今できることを私たちが精一杯やることで、こういったスポーツ観戦を誰でも楽しめる環境にしていきたいという想いで、今後事業を考えていきたいと思っております。」と語った。

ウエインズトヨタ神奈川株式会社 まちいちばん支援部 部長 横浜ビー・コルセアーズ担当 宮石 真希子氏

〇今後、タクシーをより期待して見守っていただきたい - 日の丸交通株式会社
日の丸交通は、東京都と神奈川県を中心にハイヤー・タクシー・バスの運行、自動車学校などの経営などを手がけている。
富田氏は2カ月に1回ほど、ニューヨークに出張した経験から、タクシーの相乗りサービスに注目した。実際にタクシーの相乗りサービスを利用して、お客さんに問題点を聞いてみたところ、「安くて便利で、何の問題もない」との回答が得られた。日本でも将来、こういったサービスの展開をしたいと考えていたところ、NearMeの“シェア乗り”サービスにめぐり合った。同社は2023年内に、同サービスに参入する。

富田社長が懸念するのは、タクシードライバーの流出だ。現在でも、タクシードライバーの年収は一般的な平均年収に比べて、200万円ほど低いという。それにもかかわらず、月間の労働時間は30時間ほど多い。そういう状況で、ライドシェアが解禁されると、ピークの時間帯の需要はカバーできても、オフピークのとくに谷の部分は供給過多になってしまう。タクシー乗務員は稼げないことから、タクシー業界から流出してしまう。公共性を保てないことから、最終的には市民に迷惑を掛けてしまう自体になり兼ねない。

富田社長は、
「まだまだタクシー業界。できることがたくさんあると、皆さまに期待していただきたいです。今、東京の実車率は50%前後なので、約半分は空車で走っています。この半分は、テクノロジー、AIを使いながら埋めていける余地が十分にあります。外国人のタクシードライバーを積極的に採用していますが、在留資格の関係で、10人のうち1人しか採用ができません。またタクシー業界全体としてダイナミックプライシングを導入して、受給をしっかりと調整していくのもひとつの方法だと思います。そして最後に“シェア乗り”ですが、需給の波があります。午前中は8時、9時、10時の出勤する時間帯。午後は21時、22時の帰宅する時間帯。このピークをどうやってカバーするかです。今は1対1のカバーですが、1対2、1対3のようにカバーすることはできると思います。まだまだタクシーはできることはたくさんあると思っておりますので、近い将来、相乗りサービスが1社でも多く利用して、需要をしっかりとカバーすることができると思っておりますので、今日をきっかけにして、同じような想いの会社を増やしていきたいと思っております。今後、タクシーをより期待して見守っていただきたいと思っております。」と語った。

日の丸交通株式会社 代表取締役社長 富田 和孝氏

NearMeは今後、大阪にて行われる様々な建築物を周遊する「イケフェス」にて、NearMeとLINEが連携した周遊の質を向上させるサービスを実施する予定。また同社が提供している移動サービスをアップデートするために、トヨタ紡織株式会社ともに車室空間の企画・開発の検討を実施。さらに「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に出展し、ピッチイベントの決勝審査への進出を発表した。

■株式会社NearMe

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