忘れられていた ビーリアル 、初のマーケティングキャンペーンに乗り出す。「再検討」の余地は
数カ月前、ビーリアル(BeReal)はユーザー、マーケター、クリエイターのあいだで勢いを失い始めた。しかし、この若者向けの写真共有ソーシャルメディアアプリは、初のグローバルブランドマーケティングキャンペーンで、文化的な時代の流れに再び乗ろうとしている。ビーリアルは、エンゲージメントのためにほかのソーシャルメディアチャネルに頼るという注目すべき戦略をとっている。このキャンペーンでは、ビーリアルの投稿をインスタグラムまたはXを通じて投稿するという流れだ。有給休暇のチャンスと、ビーリアル初の広告塔としてニューヨークのタイムズスクエアをジャックするチャンスを得るべく、ユーザーに呼びかける。
動き出すマーケティングキャンペーン
「ビーリアルは成長期に製品開発とインフラを優先させてきた」とヒスロップ氏は言い、「だが、我々はいま、真に好ましいポジションにいる。アプリが本当にうまく機能するようになった」と付け加える。「我々は、これからリリースする新機能について検討をスタートし、『よし、いまこそ、本当にクリエイティブで楽しいマーケティングキャンペーンを実施する絶好のチャンスだ』と思った」。
ヒスロップ氏は詳細の説明を避けたため、ビーリアルがマーケティングや広告キャンペーンにどれだけの予算を計上しているかは不明だ。2023年10月中、ビーリアルはタイムズスクエアでの全面的な屋外広告キャンペーンの終了前に、キャンペーンの効果を増幅させるためにバイラルな演出を試す予定だと、同氏は語る。
ビーリアルは2022年末、業界が当時のTwitterの敵対的買収やメタ(Meta)の投資家の不満に悩まされ、多くの人が次の強力なソーシャルメディアを探しているなか、マーケターの希望の光となった。同アプリは広告ユニットなしでローンチされたが、チポトレ(Chipotle)、e.l.f.コスメティックス(e.l.f. Cosmetics)、シェイクシャック(Shake Shack)のようなマーケターに、拡大するユーザー基盤とつながり、さらに別のデジタルコミュニティに関与するチャンスを提供した。
ユーザー数は減少気味
2023年に入ってから、ビーリアル人気は一段落したようだ。マーケターたちによれば、顧客の関心は薄れたという。このプラットフォーム自体は、2500万人のデイリーアクティブユーザーを売りにしている。しかし、ビジネス・オブ・アプス(Business of Apps)によると、1日のアクティブユーザー数ではなく、月間のアクティブユーザー数の観点から数字を見ると、ビーリアルの月間アクティブユーザー数は2022年8月の7350万人から2023年3月には3330万人に減少しているという。
メディア、マーケティング、コミュニケーション企業のコミュニティであるアクセラレーション・コミュニティ・オブ・カンパニーズ(Acceleration Community of Companies)の最高クライアント責任者で、ブランドアドバイザリー担当プレジデントのモニカ・チュン氏は、「現時点では、ビーリアルが一過性のトレンドなのか、それともこのプラットフォームが初期のオーディエンスを取り戻し、最初の反響を超えて成長するよう進化できるのか、クライアントと共に見守っている段階だ」と、電子メールで述べている。
ビーリアルはこれまで、公のインタビューやコメントには応じず、沈黙を守ってきた。そのため、報道各社は今後の製品機能や広告機会について推測することしかできずにいる。ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)紙、ローリング・ストーン(Rolling Stone)誌、米DIGIDAYは、同プラットフォームに関する記事を掲載したが、ビーリアル側は取材に応じていない。ヒスロップ氏によるとビーリアルは昨年、製品を安定させるとともに、マーケティングキャンペーンのアイデアやビーリアル上でのブランドの存在感への関心についての、ユーザーからのフィードバックを社内で処理することに時間を費やしていたという。
「我々の唯一かつ真の焦点は人であり、親しい友人同士の関係だ」とヒスロップ氏は言い、アプリの利用統計と収益の数字に関してプレスリリースに記載された企業マインドを繰り返した。「我々は、そうした現状を打破しようとするブランドを招き入れることにとても満足している。だが、それはいまの我々にとって優先事項ではない」。
エージェントの見方は懐疑的
広告主たちはタイムラインを懸念していない。
「マーケターとしての我々の仕事は、ブランドとオーディエンスを結びつけることだ。だから、当初はブランドに歓迎されるスペースではなかったとしても、それが我々を躊躇させることはないだろう。我々はそうした会話を再び行い、再び取り掛かる」と、VMLY&Rのソーシャル戦略担当ディレクターであるグレイス・ホイ氏は話す。同社では現在、どのクライアントに対してもビーリアルを使っていないという。また、ホイ氏によると、多くのクライアントはメタのThreads(スレッズ)のほうに関心を寄せているようだ。
マーケターは、文化が発生する場所にいることを目指しており、ビーリアルが再び時代の潮流に乗った場合、後れを取ることなく、オーガニックな対応を展開するために動き、オンラインコミュニティとビーリアルの若いユーザーベースの前に出ようとするだろう。しかし、このアプリがいつまで話題の的であり続けるかについては、懐疑的な見方もある。
デジタルエージェンシーのラッカス(Ruckus)でグロース担当バイスプレジデントを務めるマイカ・フリードマン氏は、「もし彼らが再び文化の一部になるならば、たとえそれがごく小規模なものであっても、特に彼らのマーケットがどのようなものであれ、マーケターや広告主はその波に飛び乗るだろう」と語る。「ただ、私のなかの懐疑的な見方は、それはおそらく墓穴に片足を踏み入れることになるだろうと言っている。ブランドキャンペーンが、彼らに必要な一手になるかどうかを見守りたいと思う」。
[原文:Marketers reconsider BeReal as it launches its first global brand marketing campaign]
Kimeko McCoy(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:島田涼平)
