X(Twitter)やテスラ、SpaceXなどの事業を手がけるイーロン・マスク氏は、脳に埋め込んで外部機器と通信するブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)の「Neuralink」にも取り組んでいます。2023年5月にアメリカ食品医薬品局(FDA)から臨床試験実施の承認を受け、2023年9月から臨床試験の被験者の募集を開始したところなのですが、「マスク氏による『Neuralinkで死亡したサルはいない』という主張は虚偽である」との告発があり、医療関係の内部告発団体であるSECが証券取引委員会に対して調査を行うよう求めています。

Original Records of Each Monkey Used by Neuralink at UC Davis

https://www.pcrm.org/ethical-science/animals-in-medical-research/original-records-neuralink





Monkeys with Elon Musk’s Brain Chip Died with ‘Tattered’ Brains, Paralysis: Report - The Messenger

https://themessenger.com/tech/monkeys-with-elon-musks-brain-chip-died-with-tattered-brains-paralysis

Here are the details on the grisly deaths of Elon Musk’s Neuralink monkeys - The Verge

https://www.theverge.com/2023/9/20/23882888/elon-musk-brain-implant-startup-neuralink-monkeys-euthanized

告発レポートによると、Neuralinkは2017年から2020年にかけて、カリフォルニア大学デービス校でアカゲザルを対象とした侵襲的な実験を行っており、ときには致死的な実験も実施していたとのこと。

カリフォルニア大学デービス校がNeuralinkとパートナーだったのは2020年までで、2022年にNeuralinkと行った実験について「動物研究は厳しく規制されており、当校は農務省や実験動物福祉局の規定を含む、すべての法律および規制に従っています」との声明を発表しています。

Statement on UC Davis and Neuralink | UC Davis

https://www.ucdavis.edu/news/uc-davis-and-neuralink



しかし、実際には健康だった十数頭のアカゲザルが、Neuralinkのインプラント実験の直接的影響を受けて出血性下痢や部分麻痺、脳浮腫などを発症し、のちに安楽死させられたことが示されています。

2019年12月に行われた実験ではインプラントが破損して感染症を引き起こしたほか、別のサルはインプラント後に理由もなく頭を床に押しつけるようになり、どんどん体調が悪化、数カ月後に安楽死になったとのこと。安楽死後に病理解剖を行ったところ、このサルの脳には出血があり、インプラントの影響で大脳皮質の一部が局所的にボロボロになっていたそうです。

Nauralinkは今回の告発以前に、従業員から「動物実験を急ぎすぎて不必要な犠牲が出ている」と苦情が相次ぎ、違法な動物実験を行っている疑いで、連邦政府による捜査を受けています。

イーロン・マスクの脳インプラント企業「Neuralink」が違法な動物実験を繰り返しているとして政府の調査を受けていることが明らかに - GIGAZINE