今年の春に、次男のパスポートを申請しに行きましたが、テーマパークなみの待ち時間。平日午前中に行ったにもかかわらず1時間30分待ちでした。コロナの5類移行で今年の夏休みに海外旅行する人が一気に増えたのでしょう。

この海外旅行などで重要なのが旅行保険です。クレカにも旅行保険付きのものも多いのですが、適用範囲が変わっている事があるので注意してください。

自動付帯と利用付帯の違い

クレカの旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」があります。自動付帯とはクレカを持っていれば自動的に適用されます。一方、利用付帯は旅費をそのカードで支払った場合に適用されるパターンです。中には基本的には自動付帯ですが、旅費を払う（利用付帯）と補償金額が上乗せされるハイブリッドタイプもあります。

年会費の安いクレカの場合は利用付帯、ゴールドカードなどの場合は自動付帯のカードが多く、自動付帯のカードの場合は複数カードを保有していると死亡・後遺障害以外の補償は合算で利用できるため何かあった時に便利な存在です。

自動付帯から利用付帯への変更

一方で、コロナ禍で旅行保険の付帯見直しが相次ぎました。

例えば、セゾンカードの場合、2021年6月末までは海外旅行傷害保険は自動付帯でしたが2021年7月以降は利用付帯に変更。JCBカードの場合、2023年4月以降、旅行保険が利用付帯に変更。年会費の安いカードだけでなく、ゴールドランク以上のクレカも利用付帯に変更となっているため注意しましょう。

ビューカードでは2023年7月以降、自動付帯から利用付帯に変更されていますが、ビューゴールドプラスカード、JALカードSuica CLUB-Aゴールドカード、JALカードSuicaカード、法人カードは自動付帯のままとなるなど、カード種別によって異なります。

なお、ビューカードの場合は、自動付帯から利用付帯になったタイミングで個人賠償責任が対象となるなど追加の特典もあります。

エポスカードやジャックスカードの場合は年会費無料のカードでも海外旅行傷害保険が自動付帯でしたが2023年10月以降、利用付帯に変更。10月以降ですので今年の夏休みの旅行についてはこれまで通りですが、秋以降の旅行の際には注意してください。

なお、エポスカードの場合は補償金額がアップ、ジャックスカードの場合は航空便遅延費用の追加となるため完全な改悪というわけでもありません。

クレカ補償に上乗せサービスも

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MUFGカード、NICOSカード、DCカード、セゾンカード、UCカード、オリコカード、UCSカードの旅行保険に加えて、別途補償内容を追加できる有料サービス「クレカ＋プラス」もあります。

通常、クレカの旅行保険は死亡・後遺障害は高額ですが利用頻度の高い携行品損害や傷害治療・疾病治療などが低くなっており、これらの補償を手厚くすることができます。

また、ダイナースクラブカードの場合はカード付帯保険の補償期間を超えるような留学・出張の場合、追加で補償を延長できる有料の海外旅行保険 プラスもあります。

クレカの旅行保険の条件はなかなか難しく、自動付帯なのか利用付帯なのかの確認、利用付帯の場合は旅費として認められる内容（現地でホテル費用の支払いは対象外など）、誰が対象なのか（カード会員のみか家族も対象か）、補償金額（傷害治療・疾病治療・携行品損害）などしっかり確認しておくようにしましょう。

菊地崇仁

ポイント交換案内サイト「ポイント探検倶楽部」を運営する株式会社ポイ探の代表取締役。さまざまなポイントやカード情報に精通し、テレビや雑誌等で活躍中。著書に『新かんたんポイント＆カード生活』（自由国民社）等がある。