オールスター戦を前に取材に応じたエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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球宴の抱負は「まだホームラン打ったことないので、打ってみたい」

 エンゼルスの大谷翔平投手が10日(日本時間11日)、11日(同12日)に行われるオールスター戦を前に報道陣の取材に応じ、前半戦の総括や自身の去就問題、さらにはプライベートに関しても様々な質問に答えた。

――オールスター戦が行われる。
「そうですね。何回来てもうれしいところなので。まだ試合は明日ですけど、今日もホームランダービーがあるので楽しみたいなと思います」

――オールスターで一番楽しみにしていることは。
「まだホームラン打ったことないので、打ってみたいなというのが一番ですけど、まあしっかり準備して試合に臨みたいなと思います」

――何打席かは監督と話していないか。
「まだ何も話していないです」

――去年はファーストスイングをフルスイングすると言った。
「まだ打順とかもわからないので」

――2番スタメンです。
「出ているんですか? じゃあ、ま、積極的に初回から行きたいなと思います。素晴らしい投手なので、しっかり自分のいいスイングをまずは心掛けたいなと思います」

――大谷さんにとって、オールスターはどのようなものか。
「今回はファン投票でも選んでもらっているので、まずは選んでもらった、なんて言うんですかね。まずプレーで、ありがとうございます、というところをプレーで表現したいですし、一生懸命まずは頑張りたいなと。毎年来れるわけではないので、精いっぱい出れる時に頑張りたいなと思います」

――打撃のアプローチは普段と変わったものになるのか。
「比較的は変わらないと思いますけど、よりアグレッシブにというか、四球を取っても、取ってもというか、四球を取るよりかはどんどんスイングしていった方が、みんな楽しいんじゃないかなと思うので、積極的にスイングをしたいなと思っています」

――二刀流の原動力となっているものは何か。
「ま、ゲーム自体が好きですし、打つのも投げるのも好きなので、楽しんでまずはやるのが一番だと思います」

――野球が好きという思いが大きい。
「そうですね、それだけではないところもありますけども、根本はそうだと思うので、そこは変わらないかなと思います」

MVPは「ホームランなり出れば、十分に取れるものなんじゃないかなと」

――シアトルでのオールスターはイチローさんが出た時以来だ。その試合の思い出などは。
「思い出? あまりオールスターは見た記憶がないので。あんまり、そうですね、メジャーリーグのオールスターをテレビで見たなということはないかなと思います」

――イチローさんが出ていたのは覚えていない。
「サンフランシスコとかのやつは映像で見たりとかありますけど、そうですね、シアトルはやっぱり、レギュラーシーズンとか、その印象の方が強いかなと思います」

――3年連続のオールスター、まだMVPを取っていないが、どういった活躍をしたいか。
「レギュラーシーズンですか? オールスターですか? さっきも言いましたけど、ホームランを打ったことがないので、まずはそうですね、あの、打ってみたいなと」

――MVPは自然体で臨んで取ってみたいのか、狙って取りに行くのか。
「いやもう、自然にじゃないですかね。まあ、今回はバッターとして打席でだけなので、打席でしっかり自分のスイングをしっかりできれば、あの、まあホームランなり出れば、まあ十分に取れるものなんじゃないかなと思います」

――ホームランダービーを出ない決断をした。
「コンディションが一番かなとは、ピッチングもそうですけど。まずはしっかりベスト、ベストというか、ある程度、しっかり自分のパフォーマンスが出せる準備が出来るのであれば出たいなというところではありましたけど、そうではなかったので、今回は出れるところで、と決めました」

――WBCもあり例年と違った前半戦だったと思うが、振り返ってみて。
「どうですかね。まだまだいい位置にいると思うので、まあ、そうですね、いい戦い方はできていた方じゃないかなとは思いますし、最後の方なんかはちょっと連敗が続きましたけど、そこまでなんかは比較的いい戦いではあったのかなと思うので、まあまず、オールスターはオールスターで集中して、後半戦が始まったらそこはそこで集中したいなと思います」

――オールスターの一番古い記憶は。
「古い記憶? 古い記憶は分からないですね。野球をやるのは好きでしたけど、見るのそこまで好きな方ではなかったので(笑)。特にあまりその、大リーグは見る機会が限られていますし、あまりそんなにこれっていう記憶はないかなと思うんです」

――野球に関しての一番古い記憶は。
「うーん、何ですかね。野球のチームに入ったのは小学校2年生くらいですけど、キャッチボールとか例えば、そういうのを始めたのはもう分からないくらいの感じなので。まあ、記憶として正しいのはその、チームに入った時じゃないかなと思います」

シーズン中の外食は「記憶にはない。基本的には球場でご飯はあるので」

――オールスターではルーティンは変わるのか。
「変わらないつもりではいます。今日もまあ、ある程度、キャッチボールとブルペンと入ってやりたい、確認はしたいなと思っているので」

――ナイターの試合では朝は何時くらいに起きているのか。
「普通のナイターですか? うーん、まあホームとビジターによってとか違いますけど」

――ホームではどうか。
「ホームの時は朝ご飯で1回起きるので。朝ご飯食べてまた寝て」

――何時くらいか。
「起きる時間ですか? ま、9時半とか10時くらいに1回起きて、ご飯食べて、寝て」

――すぐ寝るのか。
「寝ますよ。で、また起きて球場行って、またご飯を食べます」

――朝ご飯はどういう物を食べているのか。
「普通の、普通のというか、朝ご飯はまあ軽食みたいな感じなので。本格的なご飯は球場に着いてからですけど」

――WBCのチームメートはゆでたまごが好きだと言っていた。
「いや、あの時は軽食しかなかったので、まあなんか、おにぎりとゆでたまごとかしかなかったですね」

――睡眠以外で私生活ではまっているもの、リラックスするためのものは。ネットフリックスとか、映画鑑賞とか。
「そうですね、バラエティも普通に見ますし、うん、なんか映画とかも見ますし、何ということはないですけど、普通に1人でゆっくり過ごしています」

――バラエティは日本の番組か。
「日本のバラエティですね」

――ニューヨークで外食しないという話だったか、シーズン中に外食することはあるのか。
「外でですか? いや、記憶にはないですね。今日たぶん、あの、自分の代理人とかいろんな人と行くと思うので、本当のシーズン中はないかもしれないですね。分からないです。あまり記憶にないです」

――外食しないというのは違う物を食べたくないのか。落ち着く空間を作りたいのか。
「基本的には球場でご飯はあるので、あとは帰ってお腹がすいたなと思ったらホテルで頼んで食べますし。あまり次の日にまた試合があるとなかなか遅く帰ってくるわけにはいかないのでというところですかね」

打率3割の要因「シフトの打球がよく抜けるのが、もちろんあることじゃないかな」

――本塁打だけでなく打率3割をキープ。投打で確実性が上がっている。
「特にはないですね。シフトの打球がよく抜けるところが1つもちろんあることじゃないかなと思うので。去年の段階で抜けるところが今年みたいに抜けるのであれば、同じくらいの数字なんじゃないかなと思います」

――投手としては。
「打撃に関しても、投球に関しても。構えが大事だというのはずっと言っているので。そこでしっくりきている部分が多いのが打撃であり、あまり良くないのが投球かなという印象ですね。投球の方が投げる前の準備段階、セットしてる段階での動き始めの段階で良くないかなというところはありますかね」

――野球中心の生活で抜く時間が必要ない。
「どういうことですか? リラックスしている時間があるのかってことですか? ゆっくりする時はゆっくりしますし、ロッカーでも普通に携帯いじっている時もありますし。別に四六時中というかそんなに常にというわけではないですけど」

――常に野球のことにつながるような暮らしぶりをしている印象がある。
「そんな息苦しくはないですね(笑)。ご飯食べる時はおいしいと思って食べますし、眠いなと思った時に寝ますし」

――イチロー氏の本拠地でのオールスター戦が行われる。
「何回かプレーはしていますけど、ホームのロッカールームに入ったりすることはないので、どこが席なのかなとか、そういうのは思ったりしました」

――日本の野球が米国の野球に影響していると思うが、感じているか。
「こっちの人が感じているかはどうかは分からないですけど、自分自身としては、先輩の人たちがいてこうやってやらせてもらえる環境があるのですごい感謝をしていますし。自分自身の目標でもあるので、僕自身としては感じているところはあると思います」

――オールスター戦に来て来年以降のことで考えることはあるか。
「去年、一昨年とオールスターで来て、また来たいなと思うように、来年もまた来たいなと思うんじゃないかなと、これは毎年一緒じゃないかなと思います」

HRダービーに「出たい気持ちはもちろんありますし、どうですかという話もあった」

――いろいろなチームと対戦して、来年来てくれという誘い、会話は冗談でもあったか。
「秘密です、ハハハ(笑い)」

――トレード期限が2週間後に迫っているが緊張しているか。
「個人的に気にするっていうことはない。もちろんコントロール出来ないことではあるので。自分が試合の中でコントロールできることをまずはコントロールしたいなと思っていますし、それを(コントロール)するのが、1番難しいことでもあるので、なるべくそのことに集中したいなと思っています」

――エンゼルスがビッグマーケットとは言えないが、注目を浴びていることについて。
「小さい、大きいに関わらず、ファンの人が(のことを)すごい僕自身も好きですし、エンゼルスのことが好きで毎日見に来てくれる人たちもいるので、その大小に関わらず、1試合1試合丁寧に。コントロール出来ることをしっかり自分自身でコントロールして頑張りたいなと思っています」

――今季はピッチクロックなどルール変更が複数あった。どんなことを感じたか。
「プレーヤーの人から見てのそういうものと、ファンの人から見て、ピッチクロックであったりとか、どうなのかなというのはありますけど、決まったものに対してアジャストしていくのがこちらの仕事なので、また来年どうやって変わるかも分からないですし、また新しいことにしっかり対応したいなと思います」

――今季終了後にFAとなるがどれくらい考えているか。
「まだ全然分からないことなので、僕自身もFA自体になったことがないので、自分が出来ることをしっかりまずはやるということと、シーズンをまずはケガなくしっかり自分の納得したものにしたいなと思っています」

――今季はどれくらい特別なシーズンか。
「毎年、毎年特別だなと思って毎年頑張ってはいるので、それは今年も変わらないですし、契約が切れる、切れないに関わらず、毎年そういう年だなと思ってやっていますね」

――オールスターで会うのが楽しみなのは。
「だいたいシーズン中に会うので、だいたいここにいる選手はシーズン中にいる選手でいい活躍をしている選手なので、だいたいは話したことはあるんじゃないかなと思うので、今の時点でというのはないですね。エスティー(エステベス)が初めて選出されたので、それは良かったなと思っています」

――ホームランダービーに出たい気持ちは。
「出たい気持ちはもちろんありますし、どうですかという話もあったので、それはもちろん光栄なことではあったんですけど、登板も途中で降りたりとか色々問題もあったので、なるべく自分がベストで出られるところで、それがDHというポジションなので、まずはそこでしっかり出たいなというところで、ホームランダービーは出ない感じになりました」

プレーオフへの思い「年々強くはなっていますね。優勝したいと思うのが自然」

――日本ハムからFAで来た時は。
「あれはポスティングで制限もあったので、フリーな状態で入札に入るのは。あれは違いますね」

――千賀投手との関係性は。
「千賀さんは何回か代表とかでもやりましたし、試合があれば話したりします。まだメッツのゲームの予定があるけど行ってないので、こっちに来てからは会ってはないですね」

――プレーオフへの思いは。
「年々強くはなっていますね、それは負ければ悔しいし、行けなかったら悔しいというのはその通りなので。優勝したことがない以上は優勝したいと思うのが自然かなとは思います」

――シアトルで開催された球宴の記憶は。
「2001年はないですね」

――次の球団を決める時の判断基準は。
「全く考えていないので、今の段階で言えることは本当にない。今シーズン、いいシーズンにまずはしてフィニッシュしたいなというのが今できることじゃないかなと思うので、そこから先は、またその先で決めたいなと思います」

――T-モバイルパークはイチロー氏が記録更新した球場だ。
「シーズン中は何回か来ましたけど、ここに来てイチローさんにあいさつをすることもありますし、初めて来た時は特にテレビで見た場所だなという感覚は強かったですね」

――2018年にカブスに決まりそうになったと聞いたが。
「どうなんですかね、そういう記事はだいたい嘘が多いので、当てはまっていない。どれが本当でどれが嘘なのか分からない、勝手なのが多いかなといつも見て思っています(笑い)」

――シカゴは好きですか。
「好きですよ。その記事が本当か嘘かはここでは言わないですけど、それが事実なのかどうなのかは分かってはいることですけど。シカゴは好きですし、カブス自体も素晴らしい球団だなというのは誰もが思っているかなと」

――呪いは信じるか。
「どうなんですかね」

――シアトルは街として。
「シアトルはオフシーズンに2年くらいお世話になったりもしたので、トータル4、5か月くらい過ごしたこともありますし、過ごしやすいなというのが、まず1番かなと思います」

――ドラフトで近年二刀流が何人か指名された。
「開いたということはないですけど、やりたいと思った人たちがやれない環境みたいにはならないで欲しいなと思っていたので。最初にやるものとしては、ある程度、幅が広がったことは良かったなと思っていますし、何かまた分からないことや、調整の仕方とか手伝えることがあれば、もちろんオープンにしたいなと思っています」(小谷真弥 / Masaya Kotani)