フランス料理のシェフから家政婦に転身し、気軽でおいしい家庭料理レシピが大人気のタサン志麻さん。

そんな志麻さんのレシピには、いつもの料理が簡単においしくなる工夫が満載! 今回のレッスンテーマは「鶏ハム」です。

志麻さんのしっとりおいしい「梅ジソ鶏ハム」

ヘルシーでボリュームもある「鶏ハム」。志麻さんに、パサつきがちな鶏ハムをしっとりおいしくつくるコツを教えてもらいました。

<ポイント1>パサつきやすい食材は、粗熱がとれるまで待つ

加熱後すぐにラップを外すと、温度差で水分が一気に飛んでしまうので、触れる程度に冷めるまで放っておきます。食材から出た水分はラップに守られることで、外に蒸発することなくじわじわと戻っていくのです。

とくに脂分の少ない鶏胸肉などは、仕上がりに大きな差が出ます。くれぐれも、アツアツの状態でラップを外さないでくださいね。

 

<ポイント2>フォークで穴をあけ、味をしみ込みやすく

鶏肉は厚い部分に包丁で切り目を入れ、薄い部分に合わせてひらきます。肉の片面全体にフォークを刺して軽く塩、コショウをふり、砂糖もふって全体をもみます。砂糖をふると、肉がやわらかく味わい深くなりますよ。

 

<ポイント3>巻くときは厚さが均一になるように

肉のはみ出た部分を内側に折り込み、長方形に近い形にしてから巻いていくと厚さが均一になります。

ひと巻きごとに肉をぎゅっと手元に引き寄せながら、肉に空気が入らないようにラップで巻くのもポイント。

 

<ポイント4>ゆでるときは、ボウルを重しにする

ゆでるときは、ボウルを重しにすると肉が浮いてきません。冷ますときも、ボウルはのせたままにしましょう。

●梅ジソ鶏ハム

【材料(4人分)】

鶏胸肉(皮なし) 2枚(500g)
塩 適量
コショウ 少し
砂糖 塩の半量
梅干し(種を取り除いて包丁でたたく) 4〜6個
青ジソ(みじん切り) 6〜8枚
A[長ネギ(薄い輪切り)1/4本 ミョウガ(薄い輪切り)2個 青ネギ(2、3 cm長さに切る)3本 タマネギ(繊維を断ち切る方向に薄切り)1/8個]
リーフレタス 4枚

【つくり方】

(1) 鶏肉は厚い部分に包丁で切り目を入れ、薄い部分に合わせてひらく。肉の片面全体にフォークを刺して軽く塩、コショウをふり、砂糖もふって全体をもむ。

(2) (1)の中央にペースト状にした梅干し、青ジソを半量ずつのせて全体にのばし、端から巻いていく。

(3) 大きめに広げた耐熱ラップの手前に(2)を1本のせ、ひと巻きごとに肉をぎゅっと手元に引き寄せながら、しっかり巻いていく。左右の端をひねってキャンディ状に包み、さらにアルミ箔で包む。残りも同様にする。

(4) 鍋にたっぷりの湯を沸かし、(3)を入れる。浮いてこないように、水を入れたボウルなどを重しにしてのせ、常に水面がポコポコと沸いている程度の火加減で3分ゆでる。火を止め、重しのボウルをのせたままフタをし、粗熱がとれるまで冷ます。

(5) 薬味サラダをつくる。Aをまとめてザルに入れて洗い、水気をよくきる。ちぎったリーフレタスとともに器に盛る。

(6) (4)のアルミ箔とラップを外し、肉の表面の水気をペーパータオルでふき取る。1cm厚さに切り、(5)の薬味サラダとともに盛る。

【ポイント】

鶏肉にする塩は、梅干しの塩分も加わるので、いつもの下味よりは軽めに。梅干しは種類によって塩気が違うので、お好みでペーストにする量を調整して。鶏ハムは冷蔵庫で2〜3日保存可能。

おかずをつくりおきする際は、清潔な保存容器に入れて保存してください。保存状態によっては傷みやすくなることもあるので、保存期間内であっても早めに食べるようにしましょう

計量単位は1カップ=200ml、大さじ1=15ml、小さじ1=5ml、1合=180mlです

 

『志麻さんのベストレシピ 料理のきほん編』では、「これだけは覚えておいてほしい」という志麻流“おいしい”をつくる20のルールを紹介しています。

また、現在発売中の『à table SHIMA vol.04 春号』(扶桑社刊)では、タサン家のデイリーごはんレシピをたっぷり掲載。定番料理やフランス人も大好きなジャガイモレシピ、新タマネギやアスパラを使った春レシピなど、楽しい特集が盛りだくさんです。