50代を迎え、独立した子どもの部屋を自分たち夫婦の個室へ模様替えした、ライフオーガナイザーの田川瑞枝さん。物置と化していた部屋が、再び気持ちのよいスペースとなったことで、さまざまな気づきが。生活を見直すのに、50代というタイミングはぴったり。そう感じた理由を語ります。

物置と化した子ども部屋を、再び活用

3LDKのマンションのわが家。家族4人で暮らしていたときは、すべての部屋を十分に活用していました。しかし、子どもが独立して状況が変わります。

子ども部屋として使っていた個室が、物置と化してしまって、せっかくの気持ちよい部屋がもったいない状態に。そこで、今ある家具を再利用して、夫婦の個室として使えるように、模様替えしてみることにしました。

 

今ある家具を最大限に活用する

6畳の個室は、狭いながらも子ども部屋にはぴったりでした。子どもが独立したあとも、学習机や本棚、ベッドなどはそのまま。年に数回帰省するときのために、本人の部屋としてあけていました。

 

コロナ禍で、子どもの帰省回数も激減。あき部屋は使用頻度の少ない家電を置くなど、ほぼ納戸状態に。この空間を、ただあけておくのはもったいない…。

 

そこで、2人の子どもたちが使っていた2部屋を、夫婦それぞれの個室にしていきます。そのままでは使い勝手が悪いので、家具の配置換えも一緒に。

ここからは、夫の個室へと模様替えしていく様子です。部屋のサイズを計測することで、「置き場所を変えたいな」と思っていたタンスが、ぴったり収まることがわかりました。

 

机とベッドを配置換え。窓の前をさえぎるものをなくします。光がたっぷりはいるようになりました。

 

この部屋に夫がリクエストしたのは、ワイドな机。新しく買うことも検討しましたが、手持ちの家具でやりくりすることにしました。

子どもが使っていた学習机を中心に、左側には学習机についていた袖机を。右側には筆者のドレッサーを配置。

 

ドレッサーは鏡の部分をはずし、テーブル面に家で余っていた天板を乗せたら、ぴったり学習机のデスクトップと高さがそろいました。

床の面積が広く取れたことと、窓からの採光をさえぎらない配置のおかげで広がりを感じます。もともと気持ちのよい部屋だったのでしょう。6畳というスペースは変わらないのに、模様替えしただけで、環境がガラッと変わりました。

重い家具を動かすときのワザ

模様替えで苦労するのは、家具の配置換えです。大型の家具になればなるほど、動かすことが難しい…。年齢を重ねれば、業者に依頼しようかとさえ思うでしょう。

しかし今回は、夫婦ふたりで、できるところまでやろうと決めました。

 

筆者が今回使った、重い家具を動かすコツを紹介しましょう。重い家具の移動には、底にバスタオルや毛布を敷くと、すべらせて動かしやすくなります。

 

収納家具の中身をすべて出し、軽くしたうえで、タオルをかませ、すべらせるとスムーズに動き出します。実際筆者も、床をキズつけたり、腰に負担をかけたりせずに作業できました。

現在50代の筆者。この作業も10年後だと体力的に不安になるので、今回、早めに決断して正解でした。

 

模様替えは家具と室内空間のメンテナンスにもなる

家具の移動のついでに気づいたことがあります。家具のうしろや壁とのすき間に、かなりのホコリがたまっているのです。通常の掃除では、いくらがんばったところで、このすき間には手が届きません。

新築で引っ越してから20年近く。家具を動かして掃除してこなかったことを反省しました。この模様替えの際に、ホコリをしっかり取り除けてよかったです。模様替えは、家のメンテナンスをする機会としてもメリットがあると感じました。

こうして、すっかり様変わりした子ども部屋。今度は夫の個室として生まれ変わりました。30年以上前に購入した家具も再利用。今まであったものだけで、50代夫婦のための新しい環境ができあがりました。

もしも変化することを先延ばしにしていたら、家具を移動する気力や体力が衰えて、実現しなかったかも? そう思うと、まだまだ元気な50代は、いろいろな見直しができる世代なのだと思います。