コロナ禍の影響で、ワークスペースがある間取りに注目が集まっています。半年ほど前にハウスメーカーで平屋の家を建てた日刊住まいライターは、LDKと寝室の2か所にワークスペースがある間取りに。子どもの様子を見たり、家事をしたりながら仕事をする場所と、周りを気にせずウェブミーティングもできる場所の使い分けができて大満足。実際の使い勝手を語ります。

LDKの壁際に4mカウンター。家事もこなせて便利

筆者は、夫と子ども3人(15歳、8歳、5歳)の5人家族。半年ほど前に大手ハウスメーカーの平屋を建てました。LDKの壁際に4mあるカウンターを設置。筆者のリモートワーク兼、子どもたちのスタディースペースとして使っています。

LDKで仕事をしているときは、仕事の合間に食べ終わった食器を食洗機に入れたり、食洗機の中を片づけたり。部屋と部屋の移動がないことが、最大のメリットだと感じています。

キッチンにいれば、ランチもささっと用意して食べられるので、残りの休憩時間は洗濯物を干しに行こう。なんてときもあります。または、ランチしながら夕飯の下ごしらえをしたりする日も。効率的に家事ができています。

 

学校が長期の休みに入ると、日中は子どもたちがこの場所で、宿題や作業をしていることが増えます。それでも長さが4mもあるので、子どもたちが場所取りでケンカになることもありません。おかげで、勉強道具を雑に広げても余裕があります。

また、子どもたちが、学校へ行っている間は、筆者がリモートワークに使うことの多い場所です。

子ども関係の書類も多く置いてある場所なので、基本的に書き物(子どものプリント類、諸手続き関係)をするときも使っています。

 

LDKでは仕事に支障が出るときも。ときには場所を移動

子どもたちが家にいるときは、様子がすぐに見られるところが安心です。庭で遊んでいるときも、窓から子どもの様子が見えます。

しかしながら、子どもなので仕事中でも話しかけてくる、お願い事をしてくる…なんてことも。余裕があるときはよいのですが、仕事に集中したいときには、支障が出てしまいます。

また、ウェブミーティングをやる際に「なるべく静かにね」と事前に言い聞かせたのに、ミーティング中に子どもに乱入され、仕事相手に平謝りをした経験も。

2つめのワークスペースは寝室に。仕事に集中!

そんなこともあり、ウェブミーティング時は、寝室の一角にあるワークスペースに、場所を移して仕事をしています。

寝室の扉を閉めれば、LDKの生活音もシャットアウト。決して広くない場所ではありますが、逆に集中できる環境です。

リビングだと子どもの問題だけではなく、カメラにリビングやキッチンの散らかった様子が映り込むので、背景に気を使うことが多いです。

一方、寝室ですとワークスペースの後ろはベッドがありますが、逆にベッドしか置いていないため、あまり背景に気を使うことはなくすんでいます。イスに疲れてしまったときは、ベッドに腰かけて仕事をすることも。

ちなみに、筆者は仕事柄、夜中にみんなが寝ているときに仕事をすることはありません。

 

寝室には、フローリングと一段床を上げた畳コーナーをつくりました。そして、畳コーナーにマットレスを敷いて寝ています。

ワークスペースは、写真右手手前のフローリングの場所にあります。

 

寝室のワークスペースは、すき間を有効利用して

じつは、寝室の机の隣は押入れになっているのです。

こちらの押入れの幅は120cmです。当初は幅180cmの予定でした。しかし、6畳とそれほど広くはない寝室だったので、押入れの存在により圧迫感が出てしまいます。

そこで、削ってしまうことになり、120cmにしました(整理整頓ができていない押入れで、お見苦しいかと思いますが…オープン棚のため中身が丸見えの押入れです)。すると今度は、なにもない、もったいない空間(現状ワークスペースとなっている部分)ができ上がってしまいました。

そこで、「ここにもワークスペースがあれば便利だ」と思いつき、机を設置することに。

集中したいとき、また、ウェブ上で急遽打ち合わせしたいとき、この避難場所のようなワークスペースがあると、とても安心感があります。

仕事以外でも寝室に机と棚があると便利!

じつは筆者は、引っ越す前まで会社に出勤をして仕事をしていました。引っ越し直前にリモートワークができる職場に転職をしたため、設計当時はきちんと働き方が決まっていない状態だったのです。

「家で仕事をするかもしれない」という、漠然とした理由で、寝室に机を設置しました。

とはいえ、リモートワークすることがなかったとしても、寝室に机と棚を設けることのメリットは多かったと感じています。

たとえば、家で使うパソコンの置き場にするとか、充電置き場にするといった使い方です。メガネやティッシュを置く場所としても便利。仕事のためだけでなく、そんな使い方でもいいと考えていました。

リビングにパソコンを置いておくのは便利。しかしその一方で、子どもが触ってしまう、落としてしまうなどのリスクがあるので、プライベートスペースである寝室にパソコンを置けるのは安心できます。

 

また、寝室の机の上に棚も設置していて、これが本当に大正解でした。リビングのワークスペースにも大きな棚はあります。でも子どもたちがよく使う場所なので、重要書類を入れたくなかったからです。

寝室の棚がなかったら、机の上は書類の山で大変なことになっていたでしょう。もっとも、ここは寝室、お客様が入ってくることはありません。ウェブミーティング時に映り込む場所でもないので、棚の管理は多少雑でもOK。気楽でいいです。

今ではすっかり、筆者にとってなくてはならない場所となっています。床面積によって制約も生じるでしょうが、この手の「逃げ場」が家にあるのは大事なことだと実感しました。