【▲ 音響試験中のX線分光撮像衛星「XRISM」。2022年12月23日撮影(Credit: JAXA)】


【2023年3月31日15時29分】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月31日、2023年度初めに予定されていたX線分光撮像衛星「XRISM」と小型月着陸実証機「SLIM」の打ち上げについて、2023年8月以降の実施に向けて調整を行う方針であることを明らかにしました。


XRISMは2016年に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」(運用終了)の後継機として、アメリカ航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)などとも協力しつつ開発された科学衛星です。SLIMは月面へのピンポイント着陸技術を検証するための探査機で、従来のように「着陸しやすい場所を選んで降りる」のではなく「着陸したい場所に降りる」ことを目指して開発されました。XRISMとSLIMは「H-IIA」ロケット47号機に相乗りして打ち上げられます。


JAXAはH-IIAロケット47号機の打ち上げ準備を2023年4月に開始する予定だったものの、2023年3月7日に打ち上げが失敗した「H3」ロケット試験機1号機の原因究明を進めている状況下で打ち上げ準備作業に入ることは難しく、H-IIAロケットへの技術的に詳細な影響評価を行った上で次の打ち上げに臨むとしており、H-IIAロケット47号機の打ち上げ時期は変更されることになりました。


SLIMを月へ向かう軌道に投入できる時期は太陽・地球・月の位置関係に左右されることから、新たな打ち上げ時期は月軌道投入可能な期間となる2023年8月以降になる見通しです。JAXAは失敗したH3ロケット試験機1号機打ち上げの原因究明活動を総力をあげて進めるとともに、H-IIAロケット47号機の打ち上げ計画は整い次第改めて発表するとしています。


【▲ ロケットに搭載可能かのチェックを受ける小型月着陸実証機「SLIM」。2022年6月3日撮影(Credit: JAXA)】


 


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Image Credit: JAXAJAXA - H-IIAロケット47号機によるX線分光撮像衛星(XRISM)/小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ時期について

文/sorae編集部