「新・社会と情報」の教科書(アマゾンのサイトから)

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大阪府大東市内の寝屋川に架かる橋の上から、若い男性が高校の教科書を次々に川に投げ込む様子を撮った動画がツイッターで取り上げられ、拡散している。

大阪府警の四條畷署によると、2022年2月に同様な内容の通報があり、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで調べている。同署は、動画については今回初めて把握したとして、今後関連を調べることを取材に明らかにした。

「新・社会と情報」「MY WAY」といった情報や英語の教科書

緑色の帽子を被り黒いダウンを着た鼻出しマスク姿の若い男性が、左脇に3、4冊ぐらいの教科書を抱え、橋の欄干そばに立っている。

すると、男性は、「エッヘ」と笑いながら、右手に2冊を取って川に投げ込む。本は、川面に落ちると水しぶきを立てた。

すでに何冊か放り投げているらしく、川面には、本のようなものが散乱していた。

男性は、また本を投げるが、1冊は足元の道路上に落ちる。高校の教科書として使われている「新・社会と情報」のタイトルが見えた。

「これ、使ったことないです。こんな」。男性は、誰かにこう話しかけ、この教科書をまた投げ入れる。続いて、「MY WAY」のタイトルが付いた英語の教科書を手に取って、また投げた。

プリント類のようなものも投げると、最後に残った全部の本を両手で抱えて橋の下に落としていた。周囲からは、「オレイ!」と別の男性の声が響き、多数の紙が宙に舞いながら川面に落ちて行く様子に、「ハハハハ」と笑い声が起きていた。

この動画は、14秒の長さで、最初はSNS上に投稿されたらしい。

そして、ツイッター上で2023年3月22日、大阪府の高校の卒業生が教科書を川に捨てていたとして、この動画が投稿されると、次々に転載されて拡散する騒ぎになった。

橋のエリアを管轄する大阪府警の四條畷署は24日、J-CASTニュースの取材に対し、同一事案かははっきりしないが、22年2月2日の13時30分ごろ、同様な内容の通報があったと明らかにした。

大学入試などからの解放感に浸って犯行に及んだ?

四條畷署によると、大阪府立高校の3年生女子生徒から通報があり、今回と同じ場所で同級生の男子生徒が橋から教科書を川に投げ込んでいるとの内容だった。投げ込んだ生徒も含め、4人が橋の上に集まっていたという。

通報を受けて、交番の警察官が現場に向かうと、すでに男子生徒らの姿はなかった。川の下も捜索したが、本が流れてしまったためか、残骸を発見することができないまま捜索を打ち切った。同署では、廃棄物処理法違反の疑いで捜査は続けているという。

通報があったのが2月初めで、一部の大学入試が終わった時期に当たる。もし教科書を投棄したとすれば、試験からの解放感に浸って犯行に及んだ可能性もあるとみている。

今回の動画については、初めて把握したという。この動画を元に、当時の女子生徒に再度話を聴くことを考えており、動画との関連を調べるとしている。

大阪府教委の高等学校課は3月24日、動画で川に投げ込んでいたのは、「情報産業と社会」の科目などで扱っている教科書だと取材に認めた。ただ、こうした行為については、現場近隣の府立高校に問い合わせたが、該当する例がなかったと説明した。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)