新型コロナウイルスの感染者が県内で初めて確認されてから22日で3年目です。

 未知のウイルスに対する脅威、それに対する感染防止対策など日常の生活様式が大きく変わりました。今もコロナ禍は続いていますが、これまで人は新型コロナとどのように向き合ってきたか振り返ります。

 新型コロナウイルスの感染が県内で初めて確認されたのは2020年2月22日、集団感染があったクルーズ船の乗客でした。その後は全国で感染が拡大し22日までに感染拡大の波は8回訪れ、医療提供体制のひっ迫を繰り返しながら県内の感染者は累計で41万6千654人、亡くなった人は1千41人に上ります。

 この3年、マスクの着用や手の消毒など感染防止対策、そして3密の回避や体温測定などの健康チェックといった新たな生活様式が始まりました。感染拡大当初、学校は休業となったほか部活動などが制限され、給食は前を向いて黙って食べる「黙食」がスタート、会議や就職活動などはオンラインでの活動も増えました。一方政府は「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」を発令し未知のウイルスへの対策として感染拡大を引き起こすと考えられた、人の行動や事業者の営業を制限しました。しかし人の活動の制限は経済の停滞を招き、政府や自治体が旅行支援など業種に応じた支援を行いました。

 切り札とされたワクチン接種は県内では2021年2月に医療従事者から始まり、4月からは一般向けの接種が始まりました。現在、第8波は収束に向かっていて5月8日には感染症法上の区分が2類相当から5類に引き下げられることが決まり、県は3月13日からマスクの着用を求めない方針を発表しました。

 今後は感染者の全数把握や毎日の発表はなくなり、一部の医療機関で定点把握した結果を週1回公表する形となるため、流行の兆しが見えづらくなることが予想されます。また、これまでコロナ患者を診ていなかった医療機関で診療の受け入れが求められることにもなります。こうした課題を抱えつつ、徐々にコロナ禍前の生活に戻ることが願われます。