新型コロナが栃木県内初めての確認から3年。病気そのものの影響のほかにも生活の様々な場面で私たちを苦しめてきました。未知のウイルス…その恐怖心から、偏見や誤解が生まれたケースも数多くありました。

日光市で飲食店を経営し演歌歌手でもある鬼怒川太朗さん。県内で初めて感染が確認されてから半年後の2020年7月、店の従業員とともに感染しました。

(鬼怒川さん)「ごみ捨てようとした従業員が『ここに捨てないで』と言われた。あの頃はつらかった…。」

3年がたち、マスクの着用の有無をはじめ日常を取り戻す動きが次々に打ち出されています。鬼怒川さんの店ではこれからも従業員はマスクを着けるといいます。

(鬼怒川さん)「3年前を振り返ると人間はどうしても『分裂』してしまった。自分自身を律しないと病気にもなるし、社会的、人間的に分裂になってしまう。」

宇都宮市のインターパーク倉持呼吸器内科クリニック。院長の倉持仁さんは、メディアでコロナに関する様々な情報を伝える一方で、誹謗中傷も受けました。

(倉持仁医師)「SNSが普及している今だからこそ分断が深まる可能性。アウトラインを作って現場が管理できる仕組みを作るべきだ。マスクをするしないだけの議論は意味を持たない。」

第8波では亡くなる人が相次ぎました。「次の波に対応する人やモノの充実が図られていない」と、今こそ検査、薬の供給などの体制の構築を訴えています。

(倉持仁医師)「一番大切なことは、早く適切な検査が受けられて治療を受けられる体制を作ることだ…。」