宇都宮市の宇都宮美術館で開館25周年を記念した企画展として、大谷石を用いて約90年前に建てられた二つの教会を紹介する展覧会が開かれています。

 企画展は宇都宮市に今も残る「カトリック松が峰教会聖堂」と「日本聖公会 宇都宮聖ヨハネ教会礼拝堂」を建築美術の観点から楽しんでもらおうと開かれているものです。二つの教会の資料のほか、モチーフとして描かれた絵画など約50点が展示されています。

 カトリック松が峰教会聖堂は、スイスの建築家マックス・ヒンデルが栃木県の中心となる聖堂として1932年に建てました。キリスト教の聖地エルサレムがある西向きに造られ、十字架を基にした伝統的な造りになっています。ヨーロッパでは大聖堂に用いられる二つの塔が入り口に配置されているのも特徴です。

 一方、宇都宮聖ヨハネ教会の礼拝堂は、地域に寄り添った建物として1933年に日本の建築家上林敬吉が建てました。地域の人のための礼拝堂だけに実用性を重視した造りで、十字架ではなく長方形を基に建てられました。入り口の塔も一つだけで、カトリック松が峰教会聖堂とは対照的な造りとなっています。

 企画展は宇都宮美術館で4月16日まで開かれています。